フロリダにて、周到な準備とともに「博物館からポルシェ930ターボを盗み出し、別の事故車の車台番号にて登録した男」が逮捕される

2023/08/11

｜　匿名の通報によって逮捕されたそうだが、それまで計画がうまく進んだことには驚かされる　｜

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どうしてもポルシェ930ターボが欲しいという気持ちは理解できないでもないが

さて、米国フロリダ州にて、「ポルシェ930ターボを博物館から盗み出し、別の（事故車の）930ターボの車体番号と入れ替えて登録した」男が逮捕されたというニュース。

この男はサラソタ在住のダニエル・ボイスといい、ポルシェ930ターボを所有するという夢を実現するために「博物館から無傷の911を盗み出し、数年前に大破したまったく別の911に見せかけるという計画を立て」、それを実行し、そしてまんまと虚偽の登録まで行ってしまったわけですね。

ただし奢れる栄華は久しからず、通報によって逮捕されたのち、現在はサラソタ警察に重要参考人として保釈金なしで拘留されていること、現在捜査が継続中であることが報じられています。

その事件はこうやって起こった

サラソタ警察によると、この事件が発生したのは2023年6月14日、そして場所はサラソタ・クラシックカー・ミュージアム。

盗難警報が作動し警察が到着した際にはブラウンの1977年型ポルシェ930ターボ（25万ドル相当）が行方不明となっていることが判明し、外部の監視ビデオには警報作動中に何者かが敷地内に侵入する様子が映っていたことから”車両が盗まれた”ということが判明します。

その後ダニエル・ボイスは、「数年前に大破し、カリフォルニア州の廃車置き場に売却された別のポルシェ930ターボの車体番号」を使ってトリトン・エンジニアリングという会社名義にて盗み出した1976年式の茶色のポルシェ930ターボを登録しようと試みます。

いったんはうまく行ったように見えた計画だが

ポルシェを登録するに際し、偽の売買証書、メイン州の登録書類、走行距離計確認書、その他の書類までをも用意するという周到な計画をもってまんまと登録するものの、その後匿名の通報者がサラソタ州警察へと「ダニエル・ボイスが、盗まれたであろうブラウンのポルシェ930ターボとともに倉庫に居るのを見た」という通報があり、そこで警察が調査を行ったところ、登録の際に提出された書類が不正であったことから自動車窃盗容疑で出頭を要請することとなったもよう（もしこの通報がなければ、計画はすべてうまく行っていたということになりそうだ）。

ただしダニエル・ボイスは出頭命令に応じなかったために逮捕され、警察が捜索令状を取得してダニエル・ボイスの携帯電話に保存されている情報を解析したところ、盗まれたポルシェ930ターボと同じように見えるクルマの写真、そして保管場所や保管庫コード等の情報が発見され、ここでポルシェ930ターボの所在が判明します。

その後はマナティー郡保安官事務所とヒルズボロ郡保安官事務所が盗難車の回収に向かい、無事にポルシェ930ターボを保護することとなったというのが現在までの状況。

なお、ダニエル・ボイスには「余罪」がある可能性が報じられ、捜査の継続とともに現地では広く情報提供が呼びかけられている、とのこと。