| ガンサーワークスによるポルシェ911レストモッドは年々評価を上げている |
シンガー・ヴィークル・デザインに比較して近代的な仕上げが魅力的
さて、ここ最近になってチラホラとオークションに出品される個体が見られるようになった、「ガンサーワークス(Gunther Werks)」によってレストモッドされたポルシェ911。
このガンサーワークスはカリフォルニアのチューナー、ヴォルシュタイナーの創業者があたらしく始めたブランドですが、シンガー・ヴィークル・デザインが964世代のポルシェ911を対象とするのに対し、ガンサー・ワークスでは993世代のポルシェ911をベースにしたレストモッドを行うといった相違が見られます。
ガンサー・ワークスはレトロよりも「現代」風に
さらにはシンガー・ヴィークル・デザインが「時間を巻き戻したかのような」レトロなカスタムを行うのに対し、ガンサー・ワークスでは「もし993がずっと進化を続けていたら」というコンセプトを掲げており、そのため現在のデザインそしてテクノロジーを存分に注ぎ込んでいることも大きな特徴だといって良いかと思います。
そして今回オークションサイト、ブリング・ア・トレーラーに出品されているガンサー・ワークスによるポルシェ911もそういった一台で、その固有名は「チェルシー・グレー・コミッション」。
この個体は同社が展開を始めた初期に製作された25台の「400R」スペックのうちの一台だと紹介されており、150万ドル(現在の為替レートにて約2億2400万円くらい)で落札されるのではないかと見られているようですね。
現在の走行距離は2,400マイル(約3,862km)ですが、2022年にいったんガンサーワークスへと戻されてインテリアのアップデート、リアサスペンションの改良、油圧リフトシステムの取り付け、サウンドシステムの改良が行われることに。
ガンサー・ワークス400Rはこんな仕様を持っている
そこでこのガンサーワークス「400R」の仕様を見てみたいと思いますが、搭載されるエンジンはロススポーツ・レーシングによってカスタムされた4.0リッター自然吸気6気筒(400馬力)、トランスミッションはゲトラグG50型6速マニュアル、駆動輪は後輪のみ。
そのほかガンサーワークスによって手が入った部分はリミテッドスリップデフ、ボディワークス(カーボンファイバー製)、レッドレザーインテリア、18インチ鍛造3ピースホイール、レーススペックを持つブレンボ製ブレーキシステム、JRZ製調整式サスペンションなど。
ボディパネルはすべてカーボンファイバーにて成形されており、前後フェンダーは大きく張り出しています。
リアにはダックテール形状を持つスポイラー。
ヘッドライトは今風のサークル状デイタイム・ランニングランプにプロジェクター、そしてハウジングはカーボン製。
テールランプは一見するとノーマルに近いようにも見えますが、レンズ表面には段差が設けられ、発光形状も一新されています(完全なるオリジナルパーツに置き換えられている)。
ボディサイドにはグレーのゴースト仕様ストライプにレッドのPORSCHE文字。
エンジンフードには「X」形状を持つクロスバー風のパーツ(インテリアにも一部このモチーフが反復されている)。
そしてグリル上には「4.0L」と刻まれたバッジが装着されていますが、サンドブラストにて仕上げられ、非常に高い質感を持つようですね。
ガンサー・ワークス「400R」のインテリアはこうなっている
そしてこちらはガンサー・ワークス400Rのインテリア。
基本的には(外装同様)993世代のデザインを継続しつつ、あらゆる面で質感や機能の向上が図られています。
シートシェルはカーボンファイバー、そしてそこへレッドレザーを用いたクッションが装着されることに。
リアシートは「レス」、かわりにカーボンファイバー製のパネルへと置き換えられ、消化器も装備されています。
ドアパネルもカーボンファイバーとレザーへ、そしてメタル調のグリップとスピーカーグリルも。
ダッシュボードはカーボンファイバーにて成形され・・・。
ステアリングホイールのスポークもカーボンファイバー。
グリップはアルカンターラ、そして12時位置にはレッドレザーのアクセント、さらにはレッドのステッチも。
メーターリングはアルミ風パーツへと置き換えられ、段差が設けられることで高い質感と高級感が演出されているようですね。
各種スイッチやノブ、キーシリンダーカバーも金属(もしくは金属調)へ。
キーヘッドは専用デザインへと置き換えられているもよう。
シフトノブはアルミ製ですが、カーボンファイバーともども光沢が抑えられ、上品な雰囲気が演出されています。
そのほか、いかなる部分においても上質な仕上げが施され、徹底して樹脂むき出しパーツが排除されるなど、視覚的に「高い技術で仕上げられたクルマ」「芸術性の高いクルマ」であることを感じさせますね。
ガンサー・ワークス400Rのコールドスタートを捉えた動画はこちら
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