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ポルシェのワンオフモデルは「誰でも」注文が可能。しかし最低コストは1500万円、納車までには8年を要する

ポルシェのワンオフモデルは「誰でも」注文が可能。しかし最低コストは1500万円、納車までには8年を要する

| ポルシェのワンオフモデルはこれまでにも多数制作されているものと思われ、しかし公開されることはほとんどない |

しかもこれを活用するには、本社まで出向き、デザイナーと打ち合わせを行う必要も発生する

さて、ポルシェはこれまでにも様々なワンオフモデルを製造していますが、すが、それらは同社のパーソナリゼーションプログラム「エクスクルーシブ マヌファクトゥア」のさらに上位に位置する「ソンダーヴァーシュ」にて製作されることになります。

なお、このソンダーバーシュ(Sonderwunsch)はドイツ語で「特別な願い」を意味しており、文字通り通常のオプションの幅を超えた特別な仕様をここで実現することになるわけですね。

ポルシェがこれまでの「エクスクルーシブ」を超えるカスタムを実現する「ソンダーバーシュ」をスタート
ポルシェがこれまでの「エクスクルーシブ」を超えるカスタムを実現する「ソンダーバーシュ」をスタート!今までにできなかったようなワンオフモデルの製作も可能に

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ポルシェ エクスクルーシブ マヌファクトゥア「ソンダーバーシュ」の利用方法は?

そして今回明らかになったのがこの「ソンダーバーシュ」の費用、活用方法などその内容についてであり、これについて語ったのは個性化・クラシック担当副社長であるアレクサンダー・ファビッヒ氏。

「ある顧客がパナメーラにコンバーチブルトップを付けることを希望したとしますよね。そのようなレベルの冒険をする場合、顧客はポルシェの社内チームを利用することになる。このような特別なプロジェクトの場合、バイヤーは管理・運営を行うカスタマー・コンシェルジュのような存在だけでなく、専属のデザイナーやエンジニアとも仕事をすることになります。

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多くの顧客は、たとえ米国を拠点とする顧客であっても、ツッフェンハウゼンに出向いて直接相談を行い、素材を見て、触って、感触を確かめ、自分たちの手によるクルマづくりを360度の角度から体感することになるのです」

アレクサンダー・ファビッヒ氏によれば、ソンダーヴァーシュを利用する顧客は主に2つのケースに分類される傾向があるといい、ひとつはポルシェのプロジェクトチームによって磨き上げられるだけで十分なアイデアを持つ顧客、もうひとつは "ビッグアイデア "のようなものを持っているものの、細部については何も解決していない顧客だとしています。

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例えば、パナメーラのカブリオレの例で言えば、ポルシェのエンジニアは、ルーフメカニズムが安全な公道走行の範囲内でどのように作動するかだけでなく、そのオーナーの目にも美しいと映るようなルックスとフィーリングを実現する必要がある、とコメント。

さらにアレクサンダー・ファビッヒ氏は、驚くべきことに「ワンオフのポルシェをオーダーするのに特別なリストや秘密の資格はない」とコメントしており、つまり誰でも希望すればワンオフのポルシェを製作してもらえるということに。

ポルシェ エクスクルーシブ マヌファクトゥア「ソンダーバーシュ」を今申し込んだとしても完成までには約8年

ただし実現に時間がかかることだけは理解する必要があるようで、ゾンダーヴァーシュ・チームは現在、約9つのプロジェクトを同時進行させており、しかし擁する人員は年間およそ3件の新しい依頼を受けられるだけにとどまるのだそう。

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現在抱える案件、そして進行ペースだと8年待ちの状態となっており、アレクサンダー・ファビッヒ氏はこの状況を解消するため、年間約10プロジェクトまで対応できるようにキャパシティを拡大することも検討中。

ちなみにですが、この8年というのはソンダーヴァーシュでのカスタムにかかる時間のみであり、「ベースとなるクルマを手に入れる時間」は別途必要なので、ともすると9年や10年といったタームでものごとを捉える必要があるのかもしれません。

ポルシェ エクスクルーシブ マヌファクトゥア「ソンダーバーシュ」にはこれくらいのコストがかかる

そして気になるソンダーバーシュでのコストですが、たとえば上の「パナメーラにコンバーチブルトップをつけたい」という要望の場合。

ワンオフカーのコストは、ほぼすべて顧客のビジョンによって決まるそうですが、複雑さとディテールのレベルが高ければ高いほどコストが上昇し、しかし最低限のコストはおよそ10万ドル(約1,500万円)からスタートすると考えておく必要があるもよう。※パナメーラをオープンにしようと思うと、おそらくは「億」に近いコストがかかりそうだ

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加えてこのソンダーバーシュを適用できるクルマは工場で生産されたばかりの新車に限られるわけではないそうで、ポルシェ・オーナーであれば誰でも、既存のクルマを持ち込み、クラシックモデルの現代風アップグレードから完全なレストモッドまでさまざまなカスタムを依頼することができるといい、実際にポルシェのカレラGTモデルを所有する多くのアメリカ人オーナーは、スーパーカーのアップデートを熱望しているとのこと。

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ソンダーヴァーシュでのプロセスは基本的に、ペイント、内装、その他いくつものオプションを選びながら、既存のクルマにそれを施すという、新車のコンフィギュレーションと同様だといい、実際にカスタムを始める前の段階にも相当な時間が費やされることになるのかもしれません。

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