ポルシェ・カレラGTは最高のスポーツカーである、ということを主張する動画。
フェラーリF40やマクラーレンF1同様に「ドライバーのスキルが本当に試される車である」ことをまずその理由に掲げています。
確かに現代のスポーツカー、スーパーカー及びハイパーカーが「オートマティック・トランスミッション」を備えることを考えると、踏力45キロとも言われる激重クラッチを持ち「マニュアル・トランスミッションしか存在しない」カレラGTはそれだけで「試練」という壁を乗り越える必要がありますね。
ぼくはかつてカレラGTのクラッチを踏んだことはありますが(踏んだだけで車は動かしていない)、その時点で二台のマニュアル・トランスミッションのポルシェを乗り継いだぼくですら「絶対にクラッチミートは無理」と思ったほどで、そのためにそれ以後はカレラGTを運転している人を見ると「真の漢(おとこ)」として尊敬することに。
なお、この人(Doug DeMuro氏)はポルシェ・カレラGT大好きっ子のようで、動画では彼のデスク周りにカレラGTのミニカーが大量に置いてある(その置き方の雑っぽさが面白い)のも確認できます。
カレラGTはもともとレーシングカーとして開発されていたものの、その出場の場を失ったことで市販に転用されたという経緯を持ち、そのために思想そのものが「ロードカー」ではなく「レーシングカー」となっているのが特徴。
ボディ構造はカーボン製バスタブシャシーにサブフレームを接続する方式で、現代のマクラーレンのロードカーやランボルギーニ・アヴェンタドールと同様ですね。
エンジンはV10/5800ccで612馬力を発生。重量は1380キロと非常に軽量なのでそのパフォーマンスは推して図るべし、というところ。
トランスミッションは上述のようにMTのみで、発売当時であっても多くのメーカーがロボタイズドMT(クラッチレスMT)を採用していた中、ポルシェ・カレラGTのみはMT採用、というのがかなり衝撃的であったと記憶しています。
価格は今となってはかなり安く感じる約4500万円でしたが(支払いはユーロのみ)、販売にはなかなか苦労したようで1500台の予定を消化できずに1270台にて生産・販売が終了。
なおその際に余ったパーツや開発コストをなんとかしないと、ということでポルシェ918スパイダーが企画されたと言われますが、真偽は不明です。