| ボク的には完全自動運転を普及させるのは無理だと考えている |
ファーウェイは米国による制裁の後、事業の多角化を進行中
さて、フォルクスワーゲンがファーウェイの自律走行車部門を数十億ドルで買収することについて協議中との報道。
現時点ではフォルクスワーゲンからなんらかの発表はなく、しかしフォルクスワーゲンとファーウェイは数ヶ月前からこの件について交渉を行ってきたとされ、これはちょっと意外といえば意外な案件だと思います。
なお、自動運転システムを開発しているのは自動車メーカーだけではなく、いわゆるテック企業も名を連ねており、その理由としては自動車業界への技術供与によるライセンスう収入加え、こういった「事業の売却」も念頭に入れているからなのかもしれません。
ファーウェイは事業の多角化を進行中
なお、ファーウェイはトランプ政権下で米国の制裁が導入された後、携帯電話事業だけでは今後会社の存続が難しいと判断したのか事業の多角化を進めており、昨年9月には、自動車業界初のレベル「3.5」に相当するものを発表しています。
ちなみに現在市販車に搭載される自動運転システムでもっともレベルが高いものは「3」だと認識しており、よって「3.5」はけっこう高いレベルということになりますね。
一方のフォルクスワーゲンについては、現在積極的に自動運転技術の開発に取り組んでいて、アルゴAIとの提携、そして将来的には商用車にLiDARシステムを導入することを認めており、ファーウェイとの交渉もその延長ということになりそうです。
メモ
レベル0
ドライバーが運転に関する全ての操作を行う。
レベル1
加速・操舵・制動のいずれかを車両側が行う(自動ブレーキ含む)。
レベル2
加速・操舵・制動のうち、複数を車両が行う。
アダプティブ・クルーズコントロールもこれに該当。
レベル3
加速・操舵・制動を全て車両が行うが、緊急時や自動運転システムの限界時にはドライバーが操作を行う。
なお事故時の責任はドライバー。
レベル4
完全自動運転を車両が行い、ドライバーは運転に関与しない、または存在しない。
レベル5
レベル4に加え、走行に関して限定条件がない「完全自動運転」。
自動運転は普及する?
そこで気になるのが「自動運転は普及するのか」?
2018年頃には自動運転技術は自動車業界の未来だと信じられていて、この頃に発表されたコンセプトカーの多くは「完全自動運転」を標榜しており、アーティストの公開する作品もまた「ウインドウを持たないコクーン型完全自動運転車」「ステアリングホイールを持たないクルマ」ばかり。
そしてテスラやレクサス含め、多くの自動車メーカーが2020年には「高次の自動運転技術を搭載する」としながらも未だ実現はできないという状態です。
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そして2021年頃にはアウディが「自動運転は無理」と表明し、メルセデス・ベンツも「レベル4やレベル5はコストが嵩みすぎて市販車には搭載できない」ともコメント。
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ちなみにフォルクスワーゲンCEO、ヘルベルト・ディース氏はつい最近「25年以内には自動運転技術が普及する」と述べていますが、これは2020年頃の自動車業界の雰囲気から大きくトーンダウンした発言だということになりますね。
ぼく的には「完全自動運転の実現は無理だろう」と認識していて、その理由は「交通法規や通行の方向、交差点の曲がり方などは国や地域で異なり、それらをすべてカバーすることはそもそも無理」「自動運転車の前に人が立って動かなければ、クルマは永遠に動けない」と考えているからで、やはりどこかで人の手が介在しなければ自動車を「交通の流れに乗せる」ことは難しいのかもしれません。
なお、自動運転技術も電動化同様「消費者が望んだものではなく(つまり市場が求めているわけではない。テスラの自動運転オプションの装着率もわずか数%にとどまる)」、その意味でも普及は難しいだろう、とも考えています。
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