
現時点で市販化計画は「未定」
ただし注文が入れば「いつでも制作は可能」
アルファロメオのファンやオープンカー(スパイダー)を愛するクルマ好きにとって、ジュリアをベースにした2ドアオープンモデルの登場は「永年の夢」。
公式からの市販化はいまだ不透明な状況が続いていますが、イタリア・ミラノに本拠地を置くコーチビルダーがその夢を完璧な形で具現化しようとしている、というのが今回のニュース。
このコーチビルダー、「カスターニャ・ミラノ(Castagna Milano)」が現行アルファロメオ「ジュリア GTA」および「クアドリフォリオ」をベースとし、これらを極上の2ドアコンバーチブルへと変貌させる過激でエレガントなコンセプトデザインを公開することとなっていますが、ここでは「かつての名車へのオマージュと最新のカーボンテクノロジーが融合した」、この魅力あふれるワンオフ・カスタムプロジェクトについて見てみましょう。
この記事の要約
- イタリアの伝統ある名門コーチビルダー「カスターニャ・ミラノ(Castagna Milano)」が、現行アルファロメオ「ジュリア」をベースにした息をのむ美しさの2ドアコンバーチブル(ロードスター)コンセプトを発表
- 限定モデル「ジュリア GTA」や「クアドリフォリオ」を出発点とし、キャビンを約330mm後方へ移動させることでロングノーズ・ショートデッキの圧倒的なプロポーションを実現
- 現在はCGレンダリングの段階ではあるものの、裕福なコレクターからのオーダーが入れば世界にたった1台のワンオフ(One-Off)モデルとして手作業で手掛けられる計画
Image:Castagna Milano
カスターニャ・ミラノ「アルファロメオ ジュリア コンバーチブル」の概要
今回発表されたオープンモデルは、カスターニャ・ミラノが熱狂的なアルフィスタ(アルファロメオ・ファン)やコレクターに向けて提案する限定カスタムプロジェクト。
ベース車両には、世界限定500台で展開されたアルファロメオのハイパフォーマンスセダン「ジュリア GTA」や、「クアドリフォリオ」が想定されています。
参考までに、このカスターニャ・ミラノは1850年代に創立されたという由緒あるコーチビルダーで、これまでの実績として歴史的列車「オリエント急行」の内装や1914年の流体実験車「A.L.F.A. 40-60 HP(シルーロ・リコッティ)」などを手掛けたことがあるのだそう。
つまるところ、同社は「ちゃんと実績があり」、よって今回もCG上のファンタジーにとどまらず、実際に一人のコレクター(顧客)からの資金提供・正式発注があれば、世界に1台だけの完全な市販車としてビルドアップする準備を整えていることについても言及しています。
Image:Castagna Milano
特徴・スペック・ディテール
クラシックなロードスターの力強さと現代的なエアロダイナミクスが融合した本モデルの主な特徴は以下の通りとなっていて・・・。
- 約330mmキャビンを後方へ移動したロングノーズスタイル:ベースとなるジュリア(全長約4,700mm)と同等のサイズ感を維持しながらダッシュボード、ステアリング、フロントシートを後方へ実に330mm(約13インチ)もセットバック。これにより、量産車では類を見ない圧倒的なロングノーズ&ショートデッキの美しいGTカープロポーションが誕生
- 伝統のオマージュと特許取得のガラスバインド技術:くさび型(ウェッジシェイプ)のシルエットや直線的なキャラクターラインは、1950年代のコンセプトカー「BAT」シリーズや歴代「GTVスパイダー」を想起させるもの。フロントウィンドウ、サイドガラス、ファブリック製のソフトトップが一体となったような楕円形のキャノピーデザインが特徴で、細く絞り込まれたAピラーに特殊接着する特許技術により、高い視界確保と美しいルックスを両立している
- カーボンボディによる劇的な軽量化:ボディパネルの大部分には軽量なカーボンファイバーが使用され、ルーフ構造やリアシートを徹底的に撤去し2シーター化することで、乾燥重量はジュリア・クアドリフォリオの約1,524kg(ベース車両)やGTAの約1,520kgを下回り、わずか1,420kg前後に抑えられると主張されている
- パワートレインと走行性能 エンジンには、フェラーリ由来の2.9L V6ツインターボエンジンが踏襲され、ドナー車両がジュリア GTAの場合、最高出力は540 PS(532 hp / 443 lb-ft)を発揮。キャビンの後方移動に伴う前後重量配分の最適化とワイドトレッド化により、圧倒的なドライビングプレジャーを提供する
| 項目 | カスターニャ・ミラノ ジュリア コンバーチブル(スペック要約) |
| ベース車両 | アルファロメオ ジュリア GTA / クアドリフォリオ |
| 車両スタイル | 2ドア・2シーター コンバーチブル(ワンオフ製作モデル) |
| エンジン | 2.9L V型6気筒 ツインターボガソリン |
| 最高出力 / トルク | 540 PS (532 hp) / 600 Nm (GTAベース時) |
| キャビンレイアウト | フロントシート・ダッシュボード位置を 330 mm 後方へ配置 |
| 目標車両重量 | 約 1,420 kg(約 3,130 lbs / 約 100 kg 以上の軽量化) |
| ボディ構造 | 全カーボンファイバー製ボディパネル + 特殊バインドガラス |
競合比較・市場での位置付け
自動車メーカー本体がSUVや電動モデル(EV)へと開発リソースを集中させ、クーペやオープンモデルの市場投入を望むことが難しい現代において、独立系コーチビルダーによる”ハンドメイド”超高級ワンオフモデルは特別な輝きを放っていて・・・。
- ザガート「ジュリア SWB ザガート」との対比:2022年に著名デザインハウスのザガート(Zagato)がジュリアをベースに2ドアクーペ「Giulia SWB Zagato」を1台限りで仕立て上げたことで話題を呼んでおり、あちらがクラシックで丸みのあるエレガントなクーペスタイルであったのに対し、今回のカスターニャ・ミラノはシャープでエッジの効いた現代的な「2ドアオープン(ロードスター)」というアプローチで差別化を図っている
- 唯一無二の希少性とプレステージ性: ポルシェ911 カブリオレやアストンマーティン ヴァンテージ ロードスターといった量産スポーツカーとは一線を画し、オーナーの好みに応じた最高級レザーやフォッシルウッド(化石木)トリムを組み合わせた、世界に一車だけの芸術品としての価値が与えられる
補足情報
今回のプロジェクトからは、イタリアの自動車文化と最新のデジタル設計技術が織りなす興味深い気付きが得られるかのようで・・・。
- デジタルモデリングと伝統職人技の融合:カスターニャ・ミラノは、デジタルモデリングや3Dプリント(付加製造技術)、最先端コンポジット素材を活用しつつ、最後は熟練の職人の手と感性(テイスト)で仕立て上げるという独自のスタイルを採用。メーカー主導の大量生産ではコストや規制面から踏み込めない大胆なデザイン表現を可能にしている
- 2027年で生産終了を迎えるジュリアへの究極のオマージュ:現行FRプラットフォーム(Giorgio)を誇るジュリアおよびクアドリフォリオは2027年末までに生産終了が計画されており、純粋なV6ツインターボエンジンを搭載した名車の骨格をベースとして最高のオープンモデルを造り上げるという本プロジェクトは「ガソリンエンジン時代の幕引きに相応しい究極のコレクターズアイテム」となることが期待されている
結論
名門カスターニャ・ミラノがCGで描いてみせた、アルファロメオ「ジュリア」ベースの官能的な2ドアコンバーチブル。
イタリアン・コーチビルディングの”至高の美意識”を感じさせる一台でもあり、現段階では「CG」にとどまるものの、膨大な制作費用を惜しまない情熱的なコレクターが現れれば、この壮大なコンピュータ上の夢がリアルなロードスターとして路上に舞い降りる可能性も。
世界は広く、どこかにそのコストを賄えるコレクターが存在しそうではありますが、その「名乗り」を期待したいところでもありますね。
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