| 突然の病状悪化からの死去 |
先週までフェラーリの会長/CEOを務めていたものの急な体調不良でその座を退いたセルジオ・マルキオンネ氏。
体調不良から「今後の業務遂行は不可能」と判断されるも、快方に向かっていると報道されていただけにまさに驚きしかありません。
なお、死因は塞栓症だと報道されています。※同氏退任時のフェラーリからの発表はこちら。死去に関するフェラーリからのコメントはない
セルジオ・マルキオンネ氏自身は公認会計士出身で、自動車業界(フィアット)に入ったのは2004年(52歳)から。
この点、16歳で自動車業界に入ったアンディ・パーマー(アストンマーティンCEO)氏、留学を終え26歳でフェラーリに入った前前フェラーリCEOであるルカ・ディ・モンテゼーモロ氏、大学卒業後すぐにフェラーリに入社した現ランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏らとはかなりバックボーンの異なる経営者だと言えます。
経営に特化し手腕を発揮
そのぶんセルジオ・マルキオンネ氏は会社を「数字」から見ることが出来、これまでも「儲かるならやりたい」というコメントが多く、利益を重要視していたようですね。※ヴァイパーやプロウラーを世に送り出したカーガイ、ボブ・ルッツ氏とは対極にある経営者
そのため、フェラーリの前前CEOであるモンテゼーモロ氏(ブランドイメージを何より重視していた)とはソリがあわずに色々と摩擦があったようですが、「将来」に向けた多数の改革も実施。
FCAだとクライスラー200やダッジ・ダートを廃版にしてコストを切りつめて品質向上に務め(FCAのクルマはいつも品質ランキングではかなり下位)、成長余力のあるジープに投資。
さらにFCAの借金軽減、運転資金獲得のためにフェラーリを上場させた後にFCAが持っていたフェラーリ株式を売却して多額の現金をもたらし、フェラーリではV8モデルのターボ化、2019年からのハイブリッド化、さらにはSUV(FUV)発売の決定も。
その他だとマセラティのEVブランド化推進、アルファロメオではジュリア/ステルヴィオをヒットさせた後にF1参戦、8CやGTVの復活を決めています。
反面、「手付かず」のことも多く批判を浴びることもあったものの、それは「まず先にやるべきこと(限られた資金や人的リソースでは一度にすべてを進めることができない)」つまりプライオリティがしっかり認識できていたからだと思われ、「正しい道」に進んでいた途中での旅立ちとなり、まさに残念。
なお、FCAのCEOにはジープブランドを率いてきたマイク・マンリー氏が就任することがすでに報じられており、フェラーリCEOには元フィリップ・モリス会長のルイス・カミッレーリ氏、フェラーリ会長にはラポ・エルカーン氏の兄、ジョン・エルカーン氏が就任する、とのこと。
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