| 新型トヨタ・クラウン/カローラスポーツが大人気 |
トヨタが新型クラウン、新型カローラスポーツの受注状況を公開。
両者とも発売から一ヶ月という状況ですが、クラウンについては月販目標である4,500台の約7倍にあたる30,000台の受注、カローラスポーツについては月販目標の2,300台の4倍に相当する9,200台を受注している、とのこと。
ただ、ここで「おースゲー」と簡単に考えてはいけないのが経済の世界で、月販目標の2,300台や4,500台がそもそも適正なのか?ということに目を向ける必要がありそう。
トヨタ・クラウンの「月4,500台」という目標は妥当か?
たとえば、2018年6月単月での販売を見てみると、トヨタ・クラウンの販売台数は4,216台。
6月は新型クラウンが発売されておらず、つまり「モデル末期」でこの数字ということになりますが(他の月よりもかなり多い)、6月はモデルチェンジ直前ということもあって「旧型」を大量処分したようですね。
2018年6月の国産車登録状況。日産がノート効果にて48年ぶりに前半期首位獲得。なおC-HRの販売は継続して減少中
というのもクラウンについて5月は865台、4月は1,275台の販売にとどまっていて、1-6月累計だと12,344台。
つまり2018年前半では月あたり2,057台売れているということがわかります。
そして2017年通年だと26,127台の販売なので、月あたりだと2,177台が売れている、ということに。
ただ、これには今回のモデルチェンジで新型クラウンに統合された「マジェスタ」は含まれないと思われ、よって「もうちょっと(3000台くらい?)」クラウン系は売れていたとも考えられます。
そして、今回の新型クラウンは4,500台が月販目標ですが、モデル末期で3,000台程度であったということを考えると、「ちょっと低い」かもしれませんね(しかも欧州産セダンのシェアを奪おうという意気込みを考慮するとなおさら)。
それでもこの数字は近年の国産セダンとしては異例であることは間違いなく、事前の「2万5000台」と言われた予約をここに入れていないとすれば、「大したもの」と考えても良さそう。※トヨタからのプレスリリースはこちら
ちなみに一番の売れ筋は2.5リッターハイブリッドで、これが全体の80%を占めています。
3.5リッターハイブリッドは15%、2リッターターボは5%
現在のところ納車までの期間は2リッターターボが1~2ヶ月、3.5リッターハイブリッドが2~3ヶ月、2.5リッターハイブリッドが一番長く3~4ヶ月。
トヨタによると、「好評いただいている点」は下記の通り。
正確でシャープなハンドリングと目線のぶれない走行安定性、上質な乗り心地
「LINEマイカーアカウント」「オペレーターサービス」をはじめとしたコネクティッドサービス
自転車や夜間の歩行者検知が可能な、最新の「Toyota Safety Sense」をはじめとする先進の予防安全技術
カローラスポーツの月2,300台」は妥当?
カローラスポーツは現在のトヨタのラインアップの中ではかなり特殊。
コンパクトカーに近い性格を持つものの価格が高く、セダンの「カローラアクシオ(150万円~)」、そしてワゴンボディの「カローラフィールダー(165万円~)に比較してもカローラスポーツ(213万円~)はかなり高価。
最も近そうなのは「オーリス」ですが、これは2018年3月に販売終了しており現在の販売台数は拾えない状態となっています。
なお、2017年度だとオーリスの販売は16,503台で、つまり月あたり1,375台。
そして販売終了となるほどなので「尻すぼみ」に販売が下降したものと思われ、それを考えるとカローラスポーツの「月あたり2,300台」はけっこう野心的。
そして一ヶ月で受注した「9,200台」についてもオーリスの年間販売台数16,503台の55%に相当し、オーリスの販売がなかった期間の「飢餓感」を考慮しても、この数字はけっこういい結果なんじゃないかと言えそうです。
トヨタは月販目標を低く見積もることが多く、クラウンやカローラスポーツも「そうなんじゃないか」と考えていたものの、内容を見てみると「けっこう高い目標」を掲げ、それをクリアしているということになりそうですね。
新型カローラスポーツの「好評なポイント」は下記の通り。※トヨタからのプレスリリースはこちら
スポーティなエクステリアデザインと上質感を追求したインテリア
TNGAプラットフォームやサスペンションの進化により実現した、上質な走りと乗り心地
自転車や夜間の歩行者検知が可能な、最新の「Toyota Safety Sense」の全車標準装備