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フェラーリが「ピュアEV」特許図面を申請。モーターは4つ、その理由とは?

2020/02/16

| 遅かれ早かれ、フェラーリもピュアエレクトリックカーに移行する時代がやってくる |

フェラーリは先日2025年以降に「フルエレクトリックモデルを発売」とコメントしたところですが、Taycan EV forumの投稿によれば「フェラーリがEVに関するパテントを新生」した模様。
これはなかなかに面白い構造を持っていて、というのも「4つのモーターが完全に独立し、個別に前後左右各車輪を駆動する」というもの(つまりトルクベクタリング4WD)。
多くのEVはフロントアクスルもしくはリアアクする、あるいは前後アクスル両方にモーターを一つづ備え、デフを介して左右輪を駆動するという構造。
ポルシェ・タイカン・ターボもこの例にもれず、やはり前後にモーターを一つづつ搭載することになりますが、今回のフェラーリの特許は「モーター4つ」。

なお、バッテリー(BAT/CEと記載されている四角い部分)はリアアクスルの中心線上にマウントされていますが、今回の一連の特許には「ハイブリッド」も含まれており、ハイブリッドの場合はバッテリーとエンジンが入れ替わるというパッケージングを採用するようですね。

フェラーリは独自のレイアウトを採用

モーターを4つ搭載するメリットとしては「(左右輪を個別に駆動できるので)ディファレンシャルが不要」となること。
さらにこの画像を見ると、モーターはギアボックスのようなものに接続されており、これによって高速走行時(モーター回転数を抑えて)のバッテリー消耗を抑えるのかもしれません。

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この構造を見るに、リアには相当なトラクションがかかるものと思われ、強烈な加速を実現することになりそう。
そしてフロントだとモーターがアクスルよりも前に位置しており、重心が中央から離れることとなっていますが、これは室内空間(レッグスペース)を確保するために「やむをえなかった」のでしょうね。

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これは前から見たところだと思われますが、意外とモーターは高い位置にある模様。
ただ、フェラーリが前後各アクスルについて「シングル」ではなく「ツインモーター」にしたのは、おそらく「左右均等に」重心を振り分けたかったのだと思われ、レイアウトについても自由度を持たせたかったからだと思われます(シングルモーターでは左右の重量配分を同じには出来ず、2個のモーター分をひとつで発揮する高出力モーターだと、もっと重心が高くなる可能性がある)。

なぜフェラーリのピュアエレクトリックカーは2025年なのか

なお、フェラーリが「ピュアエレクトリックモデルの発売は2025年以降」と述べた理由としては、バッテリーの密度が(現段階で)フェラーリの求めるレベルに達していないから。
そして「2025年以降」になれば、現在のバッテリー進歩度合いからしてフェラーリの要求する性能を有するという推測がこの裏にあるわけですが、リチウムイオンバッテリーの進化に加え、次世代バッテリーつまりソリッドステートバッテリーが実用化されている可能性も。

ただ、バッテリー性能そして価格は多くの自動車メーカーが予想したよりも「性能が低く価格が高い」ままにとどまり、2025年になったからといって「予想したとおり」のレベルにバッテリーが達しているかどうかはまだまだ疑問。

フェラーリ「いずれはピュアエレクトリックモデルを発表する。だが、それは2025年以降になる」。やはり現在のバッテリー技術はスポーツカーにとっては「不足」?

なお、ポルシェも同じ理由にて、2024年あたりにならないとピュアエレクトリックハイパーカーは実現できないだろう、と述べています。

ポルシェ「918スパイダー後継は2025年までは発売できないだろう」。バッテリー技術がポルシェの求めるレベルに達するのに5年はかかる模様

VIA: Taycan EV Forum

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