| この中国仕様ローマを製作したのはもちろんフェラーリ「テーラーメイド」 |
ここまで「現地仕様」を持つフェラーリも珍しい
さて、フェラーリが中国での展開30周年を記念し、中国の著名なデザイナー、Jiang Qiong'er氏とのコラボレーションによって製作された特別なローマを発表しています。
ボディカラーは「サヌシルバーマット」、そこへロッソマグマ(もちろん中国の伝統的なカラーへのオマージュ)のアクセントが使用されていますが、車両センターのストライプに加え、明朝時代の古典的な家具にインスパイアされたというピンストライプが車体下回りのカーボンパーツへと採用されることに。
「中国仕様」フェラーリ・ローマは車体全体にて「中国」を表現
なお、シルバー部分はマット、レッド部分はグロス(光沢)仕上げを用いているように見えますが、フェラーリが1台の中に「つや消しと光沢仕上げ」を取り入れたのは2018年のSP3JCがはじめての例だとされています。
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ストライプはちょうどナンバープレートの上まで。
ホイールはシルバー、センターキャップはブラックもしくはカーボン、ブレーキキャリパーはブラック、そしてフロントフェンダーにはスクーデリア・フェラーリのシールドエンブレム「なし」。
つまりフェラーリにとって象徴的なカラーの一つでもあるイエローを極力「消している(フロントのエンブレムのみ)」ということになり、非常にシンプルな外観を持っています。
「レッド」は理解できるとして、なぜシルバーを選んだのかはわからないものの、フェラーリは20025年に612スカリエッティにて「チャイナツアー」を行った際にもシルバーとレッドのカラーリングを選んでおり、なんらかの(シルバーを選ぶ)理由があるのかもしれません。
そしてフロントやサイドアンダーのカーボンパーツや・・・。
リアディフューザーにもレッドのストライプ。
中国仕様フェラーリ・ローマの室内もやはり「中国」だった
そしてこちらはこの中国展開30周年記念ローマのインテリア。
デュアルトーン仕様となっており、シートやインテリアの下半分は明るいレッド、上半分はややトーンを落としたレッド、そしてその間のストライプやシートのセンターラインはシルバーというカラーリングです。
ちょうどエクステリアとインテリアとでは配色が逆になっているのが面白く、ヘッドレスト上のラインと跳ね馬(プランシングホース)の刺繍とのカラーバランスも新鮮です。
そしてこのローマにはいくつか特筆すべき特徴があり、まずはこのゴールドプレート。
「30」そして「参拾」という文字が刻印され、しっかり面取りがなされた美しい仕上げを持っていて、フェラーリによれば「ローマ固有のイタリアらしさに、中国の美学を完璧に融合させた」とのこと。
そしてもうひとつは赤と金のボルオ漆で塗られた茶道具セット。
中国において茶道具は非常に重要なポジションを占めると見え、マイバッハ・アルティメイト・ラグジュアリー・コンセプトにも「茶器」がセットされていますね。
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さらには黒檀のシガーボックスや・・・。
硯のシガーアシュトレイといったアイテム、そして玄紙の凧、カシミアの毛布、瑪瑙と革でできた中国の遊具、黒檀とクリスタルを使ったロマアロマディフューザーなど中国の悠久にわたる伝統を表したグッズが付属するといい、いずれもローマの収納スペース(グローブボックス、アームレスト、トランクなど)に収まるようにデザインされているのだそう。
なお、キーケースは「金と翡翠」にて構成される、とアナウンスされています。
フェラーリは一時、中国推しだった
フェラーリは一時期中国市場を非常に重視していて、ニューモデル発表の際には上海の外灘地区の照明を全部レッドに変更した舞台を用意するなどの大規模な対応を行っており、加えてですが、あまり知られていないものの上海万博の跡地にフェラーリ博物館を開館しています(実際に行ってきた際の画像はこちら)。
ただ、その後、共産党幹部の息子が(2人乗りの)フェラーリに3人乗って暴走して事故を起こすなど望ましくない事故が多発し、中国も一時「フェラーリ(法拉利)」を検索できないようにしたほど。
さらには贅沢禁止令など規制や法によって販売が大きく減少したりという「不安定な」状況もあってか、(これはランボルギーニも同様であるが)中国とは少し距離を置いて日本市場へと力を入れるようになったと聞いていて、しかしそうなる以前だと「青磁」仕様のフェラーリ599チャイナ・リミテッド・エディション(メーター表記が漢字だった)や・・・。
フェラーリ458イタリア チャイナ・リミテッド・エディションを投入したことも。
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