![内外装は当時のまま、ノンレストアのフェラーリ365GTC/4が競売に!51年の歴史の中でわずか3オーナー、2番めのオーナーは40年間も所有し続ける](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2023/02/Ferrari-365-GTC.png)
| フェラーリ365GTC/4は、フェラーリの経営体制、デザイン、メカニズムなど様々な過渡期に登場したクルマ |
メカニズム的には365GTB/4と多くを共有
非常によくメンテナンスされ、書類なども完備された1972年製のフェラーリ365GTC/4がRMサザビーズ主催のオークションへと登場予定。
フェラーリ365GTC/4は1971年のジュネーブ・モーターショーにて発表された365GT 2+2の後継モデルですが、そのスタイルは大きく変わっており、1969年の365GTS/4、1971年の365GT4 BBの流れを汲むエッジの効いたボディ、そしてリトラクタブルヘッドライトを採用したもので、ボディデザインはもちろんピニンファリーナ(フィリッポ・サピーノ)によるものです。
参考までに、フィアットがフェラーリの生産車部門を引き継いだ後に発表された「はじめての」フェラーリでもありますね。
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フェラーリ365GTC/4はこんなクルマ
このフェラーリ365GTC/4は流れるようなウエッジシェイプを持ち、見た目は「2シータークーペ」のようですが、後部座席を備えた実用的なモデルです。
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搭載されるエンジンはクアッドオーバーヘッドカムシャフトを持つ高回転型(レッドゾーンは7,000回転)の4.4リッターV型12気筒エンジンで、シャシーを共有する365 GTB/4よりも若干デチューンされたもの。
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生産台数は約500台だそうですが、そのほとんどがアメリカ市場にて販売されています(生産期間は非常に短く、1972年に終了している)。
ちなみにアメリカ市場向けの車両にはフロントフェンダーに四角いサイドマーカーが装着され、機能的には厳しい排ガス規制に対応するためにエミッションコントロールパイプが装着されており、若干ですが性能がダウンすることに。※この個体にはボラーニ社製のクロモドーラホイールが装着されている
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なお、この車両はオプションのベージュレザーを持ちますが、標準だと「フェラーリとしては極めて異例の」チェック柄ファブリックシートを持っていたといい、この「チェック柄シート」はポルシェなどドイツ車によく見られるものですね。
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リアシートはかなり狭く、「実質的には子どもしか乗れない」と表現されています(シートバックは折りたたんでラゲッジスペースとして活用することができる)。
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ドアノブはイタリアのスーパーカーによくある「目立たないようにデザインされた」形状。
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ピニンファリーナバッジはちょっとゴージャス(この時代特有?)
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テールランプは「3蓮」。
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ヘッドライトはリトラクタブル構造を採用し・・・。
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開くとこう。
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こちらは給油口を開くレバー。
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このフェラーリ365GTC/4はこんな経歴を持っている
この米国仕様の365GTC/4は、ベージュレザーにブルーリボというカラーリングにて1972年5月に生産されており、ペンシルバニア州パオリのチネッティ・ガースウェイト・インポート社へと新車にて送られたのち、フロリダ州パームビーチに住むコンスタント・アレキサンダー・ブノワ・ジュニアへと販売され、同氏はこのフェラーリ365GTC/4を1977年まで所有しています。
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1977年8月にはジョージア州タッカーのFAFモーターカーズによって売りに出されることになり、ノースカロライナに住むデビッド・E・ブロックというコレクターが購入することになりますが、その後なんと40年間、手入れの行き届いた彼のコレクションの一部として保管されたという記録が残ります。
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今回の出品者は2017年6月にこの365GTC/4を入手しており(この時点で3オーナー)、その後すぐにペンシルバニア州マルバーンのスクーデリア・ペルフォルマンテで整備を行ったそうですが、さらに2018年4月にはギアボックス、ディストリビューター、ウェーバー製キャブレター全6基のオーバーホール、バルブカバーのパウダーコーティング、フルード、フィルター、スパークプラグ、イグニッションワイヤーをすべて交換し、リアパッケージシェルフとリアウィンドウ周りの張り替えを実施。
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続く2018年5月、スクーデリア・ペルフォルマンテにてスターターとバッテリーを交換し、2020年7月には新しく製作したカスタムエキゾーストシステムとミシュランXWXタイヤを装着したほかオイル交換を実施したそうですが、スクーデリア・ペルフォルマンテでの作業の合計は約48,000ドルに登るのだそう。
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このフェラーリ365GTC/4には、パワーステアリング、パワーウィンドウ、エアコン、ベッカー製メキシコ・ラジオが装着されていますが、なにより驚くべきは「内外装がノンレストアのままで、工場出荷時のコンビネーションのまま」ということ(やはり2番めのオーナーがしっかり管理していたためだと思われる)。
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センターコンソールのパネル、そして樹脂パーツの状態も非常に良好。
なお、この時代のクルマに「シートベルト装着警告灯」が備わっているのはちょっと驚きです。
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走行距離は40,084マイル。
メーター指針とレターはホワイトですね。
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出品に際しては工場出荷時のマニュアルやその他の文献、ツールキット、バッグ付きのジャッキ、過去の登録証、検査票、オドメーターステートメント、フェラーリの歴史家であるマルセル・マッシーニのレポートなど様々な書類も添付されます。
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参照:RM Sotheby's