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オーデマ ピゲ アカデミーに参加してきた!ロイヤルオークの歴史や逸話、その製造方法などを学んできたぞ

2023/02/20

オーデマ ピゲ アカデミーに参加してきた!ロイヤルオークの歴史や逸話、その製造方法などを学んできたぞ

| オーデマピゲを知れば知るほどその価格の高さには納得させられる |

改めて自分のオーデマピゲにも愛着が増してきた

さて、オーデマ ピゲより招待いただき、「オーデマピゲ アカデミー」へ。

これはオーデマ ピゲの方から直々にそのブランドや腕時計の歴史、そしてその技術やこだわりを教えていただき、さらには各パーツにもじかに触れることができるという大変ありがたい学びの場です。

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今回の焦点は「ロイヤルオーク」

そして今回のオーデマピゲ アカデミーにて焦点が当てられたのは昨年に誕生50周年を迎えたロイヤルオーク。

1972年に発売され現代に至るまでオーデマピゲの主力となっているモデルですが、その名の由来については当時最新の英国海軍の船「ロイヤルオーク」にちなんで命名されたという説、もしくはイギリス王チャールズ2世がクロムウェルの軍勢から身を守ったオークの木に命を救われ、その後、その木に名誉を与えたというエピソードにちなんだものという2つの説があるもよう。

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ちなみにですが、名称の候補としては「ロイヤルオーク」のほかにサファリ、グランプリ、ダイアン、サーフライダー、コロラド、キリマンジャロ、キャニオン、オックスフォード、アスコット、エールといったものもあったようで、いずれも冒険心や知性を感じさせるものばかり。

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デザインを行ったのはぼくの大好きなウォッチデザイナー、ジェラルド・ジェンタであり、デザイン時に出された条件は「立体的な構造」「ケースとブレスレット一体型」「ステンレススティール」「高い防水性能」というものだったとされ、幼い頃に見た潜水服にヒントを得て、依頼された翌日の朝にそのデザインを仕上げたというのは有名な話でもあります。

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なお、当時「ステンレス」を使用することを考えたのはクォーツショックによってもたらされた腕時計業界の危機に対応して生き残るためだったといい、オーデマピゲとしては独自性を発揮させるために「ステンレススティールケースを用いた、デザイン性の高いラグジュアリースポーツウォッチしかない」と判断したというわけですね。

果たしてロイヤルオークは1972年に世に出ることになりますが、その際は「全く売れなかった」と言われ、しかしパテックフィリップが「ノーチラス」にて、ヴァシュロン・コンスタンタンがオーヴァーシーズにて同様のセグメントに参入するに際して「ラグスポ」の認知度が上昇し、これが現代にまで続くブームのきっかけとなっています。

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なお、ジェラルド・ジェンタはこのオーデマピゲ ロイヤルオークの他にパテックフィリップ ノーチラス、オメガ コンステレーション Cライン、セイコー・クレドール・ロコモティブ、IWC インヂュニア、ブルガリ「ブルガリ・ブルガリ」等のデザインを行ったことでも知られますが(自身の腕時計”ジェラルド・ジェンタ”を設立しているが、2000年にブルガリ傘下に入っている)、デザインの傾向としては非円形ケースが多く、とくに八角形を好み、複雑かつ立体的な構造を考案するといった印象を持っています。

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そしてこのジェラルド・ジェンタは単に「形状のみをデザインする」人物ではなく、腕時計の構造、使用される素材までを考慮した人物であり、つまりは技術者としての知識を持ち合わせたデザイナー。

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参考までに、1970年代までの自動車業界だと、やはりデザイナーがエンジニアとしての知識を持ち、その知識をもって、車両の設計を行うエンジニアと一体となり車体のデザインを行ったと言われますが(ランボルギーニ・カウンタックはその典型である)、現代のクルマにおいては分業化が進み、デザイナーはデザイナーとしての職責を果たすのみとなっていて、そしてそのデザインは生産効率等様々な観点から商業的に調整されるため、今の時代では1970年代までのような「芸術品のような」クルマが誕生しにくくなっていると言われます。

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話をジェラルド・ジェンタに戻すと、ロイヤルオークのケースとベゼルとの間にある「パッキン」構造を考案したのもジェラルド・ジェンタであったといい、これによって防水性能と衝撃吸収性能が飛躍的に向上することとなったわけですが、現代ではジェラルド・ジェンタのようなデザイン感覚、技術者としての視点、そして商業的センスを持ち合わせた人物はなかなか見当たらず、よってジェラルド・ジェンタの作品を超えるような腕時計が誕生しにくい状況なのかもしれません。

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なお、ロイヤルオークならではの文字盤「タペストリー」についても説明があり、その「ピラミッド状の加工」によって様々な角度から見たときにもたらされる表情の豊かさ、盤面のベースに施された無数の円状の加工によってサンレイ仕上げのようなきらめきを得られるなど、今まで知らかなった様々な加工や事実を知ることができ、あらためてその奥深さにふれることができたと考えています。

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オーデマピゲでは「ベルト」「バックル」にもこだわっている

そしてロイヤルオークにおいて重要なのが「ベルト」と「バックル」。

とくにベルトについては、ロイヤルオークの初期コンセプトとして「ケースと一体型」というものがあったため、デザイン的に非常に高いプライオリティが置かれていますが、このベルトはすべてのコマを接続した後に研磨を行っており、そのためにこういった「完全に揃った面」が出ています(説明を受けるまで、その製造方法については思い至らなかった)。

多くの腕時メーカーのメタルブレスレットだと、コマのみを個別に成形し、それを後に組み合わせるので「コマとコマとの間に隙間」ができたり、面が揃わなかったりするのですが、ロイヤルオークのブレスレットが持つずば抜けた精度の高さにはこういった秘密があったというわけですね。

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さらには装着感を高めるため、「しなやなかねじれ」を出すことを目的とし、一般の腕時計に用いられるメタルブレスのように「長い一本物」ではなく、コマの左右をつなぐシャフトには「短い複数本」を用いているそうで、これもジェラルド・ジェンタの発案であったとされています。

なお、ハサミやニッパー、ペンチといった製品においても製造方法によって大きく精度や使用感に差が出るのですが、一般的なハサミ、ニッパー、ペンチは「右側だけ」「左側だけ」を大量に生産して後に組み合わせるものの「いいハサミやニッパー、ペンチ」だと、その左右を同じ金型、もしくはマッチした金型から取るので”かみ合わせがいい”と言われ、こういった「手間」がその出来栄え、そして使用したときの心地よさとなって現れているものと思われます。

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ちなみにですが、国産の腕時計はいかに高価な製品であってもメタルブレスやバックルの品質が非常にお粗末なものが多く、国産腕時計の場合は「ムーブメント重視(それ以外はおまけだと考えているフシがある)」、しかし現代のスイス製腕時計は「ケースやブレスレットを含む、腕時計全体としての統一感を出して初めて一つの製品になる」と捉えているのかもしれません。

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ただ、国産腕時計であっても「例外」があり、それはカシオG-SHOCK。

G-SHOCKに使用されるメタルブレス(バックルも)は非常によくできており、オーデマピゲのブレスレットのように、「ブレスレットを曲げたときだけにポリッシュ面が覗いたり」するという細やかな配慮を見せており、その価格帯や精度は異なれど、腕時計にかける情熱は同じなのかもしれませんね。

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そしてブレスレットやバックルの「ヌルっと」した動きもまたオーデマピゲ特有のもので、同程度の精度を持つのはパテックフィリップ、ロレックス、カルティエあたりだと認識しています。

今回のオーデマピゲ アカデミーでは語り尽くせないほどのこだわり、そして魅力を学ぶことができ、オーデマ ピゲに対する愛情がより深くなったと感じていますが(もっとひんぱんに身に着けたいと思った)、3月にはまた新作が発表されるものと思われ、そこで気に入ったものがあれば改めて注文したいと思います。

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