時代の先を行き過ぎた「スーパーミニバン」
1998年にベルトーネがトリノ・モーターショーにて発表したコンセプトカー、「ベルトーネ・ジェネシス(Bertone Genesis)ランボルギーニ」。
ベルトーネはランボルギーニと深い関係にあったことに起因し、エンジンはなんとカウンタック・クワトロバルボーレのV12(455馬力)を搭載したスーパーミニバン。
後輪駆動、3速オートマティック・トランスミッションを持ち、車体重量は1800キロ、というスペックです。
なおベルトーネはピニンファリーナやイタルデザインと並ぶイタリアの名門カロッツェリアではあったものの、経営不振に陥った後に引き取り手が見つからず、残念ながら2015年3月に倒産し、その歴史を閉じています。
ベルトーネはランボルギーニ・カウンタックやミウラのデザインを行った会社
ランボルギーニに関連したベルトーネの作品だと、市販車ではカウンタックそしてミウラ、コンセプトカーだとカラーボ、マルツァル。
その他ではランチア・ストラトス、ストラトス・ゼロ、フェラーリ・ディーノ308GT4、アルファロメオGT、フィアット・プント、マツダ・ファミリア/ルーチェ、シトロエンBX/XM/エグザンティアなど。
ボディ形状は「ミニバン」となりますが、1998年でこのボディ形状というのはかなり「画期的」であったと思います(日本でのミニバンブームを作ったホンダ・オデッセイの発売が2004年)。
しかもフロントドアはなんと「ガルウイング(正確にはディヘドラル・ドア)」。
1998年というとランボルギーニはクライスラー傘下にあった頃で、そのためトランスミッションもクライスラーの3速ATを使用。
ギアレシオはオープンで、加速重視よりもクルージング重視であり、この「AT採用」、そして「カウンタックのエンジン」「ガルウイング」というところを鑑みるに、ベルトーネは「カウンタックオーナーに向けたファミリーユース車両」としてこれを考えたのかもしれませんね。
ホイールベースはエスパーダと同じ2650ミリ。
全幅は2000ミリ、と伝えられています。
乗車定員は5名で、座り心地の良さそうなシートを備え、フロント2つ、センター1つ、リア2つという特殊なレイアウトも特徴。
シートバックは折りたたみが可能(電動)で、かつスライドも可能。
助手席側のシートは180度回転可能だとされています。
TVも備えており「豪華」「斬新」という印象がありますが、「ちょっと(その時代には)早すぎた」コンセプトカーなのかもしれません。