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NFLスター選手が所有し、当時スポンサーの広告にも登場したランボルギーニ・カウンタックLP5000Sが競売に!当時米国に38台しか輸入されなかったうちの1台

2023/02/18

NFLスター選手が所有し、当時スポンサーの広告にも登場したランボルギーニ・カウンタックLP5000Sが競売に!当時米国に38台しか輸入されなかったうちの1台

| もともとはブルーのボディとシャンパンレザーにて納車され、レストアにて現在の内外装ブラックへ |

予想落札価格は最高で9000万円、カウンタックの相場は高騰し続けている

さて、わずか321台のみしか生産されなかったランボルギーニ・カウンタックLP5000Sのうちの1台、そして当時アメリカ市場向けに販売されたわずか38台のうちの一台がオークションに登場。

なお、最初のオーナーはNFLのシカゴ・ベアーズに所属していたウォルター・ペイトンとされ、1984年にNFLの通算ラッシングヤード記録を達成した際に、スポンサーのカンガルースから贈られたものだと見られているようですね。

なお、カウンタックLP5000Sは1982年に発売されており、搭載されるエンジンは4.8リッターV12、出力は370馬力、0−100km/h加速は6秒以下というスペックを誇り、1985年まで生産が継続されています。

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当初のボディカラーはブルーだったが

ランボルギーニ・カウンタックは間違いなく1980年代を代表するスーパーカーですが、ウォルター・ペイトン選手もまた1980年代のアメリカにおけるスーパースターだったそうで、「スウィートネス」の愛称で親しまれ、ラッシングヤード、タッチダウン、キャリー、スクラメージヤード、オールパーパスヤードなどの記録を持ち、史上最高のフットボールプレーヤーの一人として知られています。

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1984年にキャリア通算ラッシングヤード記録を更新した際、ペイトンのスポンサーの一つであるスニーカー会社KangaROOS(カンガルース)から新車としてプレゼントされ、その際の仕様はブルー・アカプルコのボディカラーにシャンパンレザーという仕様であったようですね。

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シカゴ・ベアーズで活躍したウォルター・ペイトンは、このランボルギーニ・カウンタック5000Sにナンバープレート「WP 34」を取り付け、当時のカンガルースの広告にこのカウンタックとともに登場したと言われます。

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このランボルギーニ・カウンタックLP5000Sはこんな経歴を持っている

このランボルギーニ・カウンタックLP5000Sにつき、専門家の調査によると、シャシーナンバーはZA9C00500DLA12593、1983年7月に製造され、カリフォルニアのレアワラ・エンタープライズ社を通じて米国に輸入されたもの。

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上述のとおりブルー・アカプルコとシャンパンレザーにて仕上げられており、この仕様にて米国に輸入されたのはわずか2台のみだと言われています。

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1987年10月14日付のイリノイ州マットゥーンにて発行されたジャーナル・ガゼットの記事(そのスキャンが出品物に含まれる)には、当時ウォルター・ペイトンのカウンタックが19,000キロを表示し、79,000ドルの希望価格にてレイク・フォレスト・スーパースポーツカーにて販売されていることが掲載されていますが、この79,000ドルというのは今からすると信じられないような安値でもありますね。

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なお、1987年10月22日付のシカゴ・トリビューン紙の記事(これもファイルされている)には、ロブ・レポートにてこのカウンタックが出品されていることが記載されており、1987年12月にはイリノイ州アディソンに住むオーナーによって(落札され)登録されたことがわかっています。

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さらにこのカウンタックLP5000Sはアメリカ中西部のオーナーのコレクションを経てテキサス州へ渡り、1990年代にはヨーロッパへ輸出されることに。

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そして約10年前にはドイツ在住のオーナーによってフルレストアされることになりますが、そこではエンジンの完全オーバーホールにリビルト、そして現在のブラックへと(いったん塗装を全て剥がして)ペイントされ、これにあわせてインテリアもブラックにブルーのパイピングを施したデザインへとリファインされることに。

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そのほか、アメリカ仕様のサイドリフレクターを埋めてヨーロッパ仕様の外観としていますが、レストアの様子を記録したアルバムも一緒に出品されるとアナウンスされています。

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そしてウォルター・ペイトンが所有していたという証拠となるのが、アフターマーケットのドアスピーカーで、当時のカンガルーの広告でウォルター・ペイトンとともに登場したカウンタックには、ウォルター・ペイトンが特注にて装着した小型ドアスピーカーが装着されていることが当時の写真からわかっている、とのこと。

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なお、残念ながらレストア後にはそのスピーカーが外されてしまったそうですが、レストア記録を見るに、たしかに(レストア前には)そのスピーカーが装着されていたことが確認でき、これが「動かぬ証拠」だと見られているようですね。

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さらにその後、このカウンタック5000Sは2022年5月、デンマークのランボルギーニ・オブ・コペンハーゲンにてエンジンとギアボックスの整備を行い、2022年8月に米国に逆輸入されることに。

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到着直後の2022年9月には、デトロイト・コンクール期間中のRADwoodショーで「RADwood Royalty」カーとしてフィーチャーされたという経歴も記載されており、レストア後は一貫して素晴らしいコンディションを保っていたであろうことがわかります。

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2022年10月には、ニューヨーク州北部で開催されたドライブ・ティル・ダスク・ラリー(Drive til Dusk Rally)にて、現オーナーのドライブにより200マイル以上の走行を行ったそうですが、むしろこの走行で信頼性が証明されたと考えることもできるかもしれません。

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ラリーの後には新しいバッテリー、ディテールアップ、ペイント補修、下回りのスチームクリーニング処理を受けており、さらにはスペースセーバー・スペアタイヤ、オリジナルのエキゾーストが装着されています。

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もともとの工場出荷時の内外装とは異なる仕様へと途中で変更されているものの、それでも可能な限りオリジナルに近い状態へと戻されており、かつ行き届いた整備、NFLの大スターの所有、そして広告にも登場したことがあるという出自を考慮すると、コレクターズアイテムとしての価値が非常に高い一台だと言えるかもしれません。

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なお、予想落札価格は最高で675,000ドル(邦貨換算で約9000万円)というエスティメイトが出されており、まさか当時の関係者もここまでカウンタックの価格が上がるとは考えていなかったのかもしれませんね(もちろんインフレによる高騰もあるが)。

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そしてカウンタックはこの後の1985年には5000QVへとスイッチして1989年までに610台が製造され、その後には25THアニバーサリーへと続いて657台が作られることになりますが、1990年7月4日には最後の一台がラインオフし、その生涯を閉じることとなっています。

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参照:RM Sotherby's

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