![生産わずか2台のみ、世にも珍しいランボルギーニ・ディアブロ「SVロードスター」が競売に。「幻」の存在の登場にコレクターがざわつく](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2023/12/Lamborghini-Diablo.png)
| オークションはクローズドにて開催され、いったいいくらで落札されるのか想像もつかない |
この仕様を持つディアブロはプロトタイプを含めても2台しか生産されていない
さて、わずか2台しか生産されなかったランボルギーニ・ディアブロSVロードスターが競売に登場するとアナウンスされ、「とんでもない価格で落札されるのでは」と話題に。
なお、製造わずか2台に終わったのは「資金的な問題」「ランボルギーニ関係者の意見の対立」だとされていますが、このディアブロSVロードスターが生産されたのは1998年であり、翌年に(ランボルギーニが)アウディが買収されたことを考慮すると、1998年時点で「かなりの」内部的混乱があったことが想像されます。
![15](https://live.staticflickr.com/65535/53385738481_2b09c5b196_c.jpg)
なぜディアブロSVロードスターは1台しか生産されなかったのか
このディアブロSVロードスターは急成長著しい米国市場をターゲットとし、「オープントップ」「後輪駆動」、さらにはSV(クーペ)のワイルドなスタイルを組み合わせたたモデルで、「最も魅力的でエキサイティングなディアブロ」だとも言われています。
![89](https://live.staticflickr.com/65535/53386051504_8c08984d6b_c.jpg)
オープン化されたものの、4WDから後輪駆動へとコンバートすることでむしろ価格は12%安価になり、1998年のジュネーブ・モーター ショーにて展示されたパールオレンジのボディカラーを持つプロトタイプに対しては「熱狂的な反応」があった、とも。
![14](https://live.staticflickr.com/65535/53385738486_96d4677164_c.jpg)
ただし上述の理由にて、ジュネーブ・モーターショーの後にこの計画が「凍結」されることになり、この1台のプロトタイプの生産のみでプロジェクトが終了するはずだったのですが、ミラノのランボルギーニ販売代理店「ツーリングオート社」のオーナーでもあるエマヌエーレ・コンフォルティ氏がジュネーブ・モーターショーにてディアブロSVロードスターを見るやいなや当時のランボルギーニCEO、ヴィットリオ・ディ・カプア氏にディアブロSVロードスターを発注しており、その「ほんの少しの時間差」によって生産された「プロトタイプ以外の」ディアブロSVロードスターがこの個体というわけですね。
![16](https://live.staticflickr.com/65535/53384822217_e11a974382_c.jpg)
つまり、このディアブロSVロードスター(シャーシナンバーWLA12960)は生産された2台のディアブロSVロードスターのうちの1台というだけではなく、「たった一台の」市販版ディアブロSVロードスター。
![18](https://live.staticflickr.com/65535/53386051694_e7561659aa_c.jpg)
記録によると、このシャーシナンバーWLA12960は1998年4月6日にサンタガタ・ボロネーゼ(ランボルギーニ本社)の生産ラインから出荷され、1998年モデル仕様、そして左ハンドルというスペックを持っています。
![19](https://live.staticflickr.com/65535/53386177335_93aaf20501_c.jpg)
上述のように、このクルマを注文した(ミラノのコルソ・ポルタ・ロマーナに本社を置く)ランボルギーニの公式ディーラー、ツーリング・オート社へと引き渡されており、保証書の日付は1998年6月5日。
![9](https://live.staticflickr.com/65535/53386051674_dd71be4f6e_c.jpg)
ランボルギーニ・ディアブロSVロードスターはこんなクルマ
ディアブロSVロードスターに積まれるのは、1998年に改良されたばかりの5.7 リッターV12 エンジンで、最高出力は530馬力、最大トルクは605Nm。
![1](https://live.staticflickr.com/65535/53385738536_960ca29b4b_c.jpg)
ブレーキ システムも強化されており大型キャリパーに355ミリサイズによってストッピングパワーが向上したほか、新しいアンチロックブレーキシステムの恩恵も受けることに。
![8](https://live.staticflickr.com/65535/53386051499_d66c452cae_c.jpg)
電子サスペンションリフティングシステムも(オプションとして)装備されて使いやすさが向上し、北米特有のスピードバンプやガレージの急なスロープを恐れる必要なく、日常的にドライブできるように進化しています。
![12](https://live.staticflickr.com/65535/53385926508_10e8ebc60b_c.jpg)
サイドエアインテークブレードやウイング、デタッチャブルルーフはマット仕上げのエクスポーズド・カーボンファイバー仕上げ、そしてフロントバンパーはSVクーペ同様の仕様を持ち、SVバッジに加えてSVサイドデカールも追加。
![77](https://live.staticflickr.com/65535/53386051654_e3c96b113e_c.jpg)
当然ながらこの仕様を持つディアブロはジュネーブにて展示されたプロトタイプの1台のみで、機能面はもちろんスタイリング面においても、この個体と同じスペックを持つディアブロが販売されたことはなく、よってこのシャーシナンバーWLA12960がいかに貴重かがわかると思います。
![10](https://live.staticflickr.com/65535/53386177310_b904bb6412_c.jpg)
なお、このボディカラーはツーリング・オート社の指定による「ロードスター ジャッロ」、インテリアはネロ”トーピード”アルカンターラ。
![5](https://live.staticflickr.com/65535/53386177130_9b47fc7054_c.jpg)
メーターはSVクーペ同様の「ホワイト」、そしてインテリアにはイエローのパイピングも。
![4](https://live.staticflickr.com/65535/53386051544_aa629cc82c_c.jpg)
ドアパネルやメーターフード、ダッシュボードにはイエローのステッチ。
![3](https://live.staticflickr.com/65535/53386051554_e8e3872d5f_c.jpg)
シートには「SV」そしてファイティングブルの刺繍。
参考までに1974年〜1998年のランボルギーニエンブレムは現在のように「ブラックとゴールド」ではなくモノクロームです。
![2](https://live.staticflickr.com/65535/53385926448_c8673ea86a_c.jpg)
-
-
参考知られざるランボルギーニの事実7つ。「80年代にバイクを発売したことがある」「今までに27車種しか発売してない」「一番高価なモデルはヴェネーノ」など
| ランボルギーニのオーナーは現在のアウディで「8代目」である | それでも一貫してスーパーカーメーカーであり続けたことは称賛に値するだろう さて、コロナ禍にてマクラーレンやアストンマーティンなど多く ...
続きを見る
2001年になるとツーリング・オート社はドイツ人のコレクターへとこのシャーシナンバーWLA12960を販売し、その後は3名の(いずれもランボルギーニコレクターとして高名な)オーナーの手を経たという記録が残ります。
![13](https://live.staticflickr.com/65535/53385926463_c744cfaa26_c.jpg)
このディアブロSVロードスターは国際ランボルギーニ オーナーズ クラブ (ILOC) が企画した数回のイベントへの参加を除くとほとんど世間の目にさらされることはなく、しかしコレクターの間では常にウワサになっていたといい、幸運にもこの個体を手にしたのが現在の(やはり有名な)ランボルギーニコレクター。
![78](https://live.staticflickr.com/65535/53385926473_eb7f438d54_c.jpg)
このコレクターはシャーシナンバーWLA12960のルーツを探るべくこのモデルの歴史について徹底的な調査を行い、工場の資料を調べ、ランボルギーニの元従業員にインタビューしたこともあったといい、その甲斐あって現在では「(プロトタイプの他に)わずか1台しか生産されなかった経緯」、そしてその来歴などが明確となっていて、その結果「もっとも珍しいランボルギーニ」であることが確認されています。
![11](https://live.staticflickr.com/65535/53386177230_52c546912f_c.jpg)
なお、興味深いことにこれまでのオーナーはこの貴重なディアブロSVロードスターをガレージにしまっておくのではなく「ちゃんと」乗っていたと見え、現在の走行距離は42,842kmを示しており、タイヤはつい最近新品へと交換され、そこからはわずか500kmしか走っていない、と説明されています。
![7](https://live.staticflickr.com/65535/53385738506_18eaae060a_c.jpg)
合わせて読みたい、ランボルギーニ・ディアブロ関連投稿
-
-
ランボルギーニは60年の歴史においてこんなコンセプトカーやワンオフモデルを作っている。(2)意外とディアブロベースのワンオフも多かった
| ディアブロベースだと、プレグンタ、カント、ラプターといったモデルも | 近代のランボルギーニも多数のワンオフモデルを製作している さて、ランボルギーニの60年にわたる歴史の中で登場した様々なワンオ ...
続きを見る
-
-
まさかもう走っているとは。生産わずか19台、その価格2億円。ランボルギーニ・ディアブロのレストモッド「エクセントリカ」が目撃される
| ランボルギーニ・ディアブロ「エクセントリカ」はついこの前に発表されたばかりで「納車はまだ先」だと考えていたが | そのルックスはSF的、あるいは未来的だと言ってもいい さて、様々な話題を振りまいた ...
続きを見る
-
-
「見た目ほぼ完璧」なランボルギーニ・ディアブロのレプリカが中古市場に登場→即完売。これはさすがのボクでも瞬時に真贋の見分けがつかないな・・・。【動画】
| 多少は「おや」と思うところがあるものの、全体的には本物のランボルギーニ・ディアブロと見分けがつかない | ここまで精巧にレプリカを作るには相当なコスト、そして情熱が必要であったと思われる さて、北 ...
続きを見る
参照:RM Sotheby's