| 優雅さ、力強さ、なによりセクシーさをあわせ持つブランドはマセラティの他にはそうそうない |
CGアーティスト、Luca Serafini氏が「マセラティ・ミッレミリア」を公開。
同氏の完全オリジナルということになりますが、インスピレーション元は1940年代のマセラティ製レーシングカー「A6」、1957年にファンジオがドライブしF1ワールドチャンピオンのタイトルを獲得した「250F」とのこと。
ここで「マセラティ・ミッレミリア」とはどんなクルマなのか、そのデザインを見てみましょう。
マセラティ最大の特徴は「トライデントとグリル」
マセラティのクルマには必ず「トライデント」と呼ばれる三叉の矛をモチーフにしたエンブレムが装着されていますが、これはマセラティ発祥の地、イタリアはボローニャのマッジョーレ広場に建っている「ネプチューン像」の持つ矛から着想を得たもの。
マセラティの創立は1914年とかなり早いものの、1920年代にはすでに「多数のライバル」と差別化する必要があったとされ、そこでマセラティ兄弟のうち芸術家として活動していたマリオ・マセラティがこのトライデントを考案。
ネプチューンが持つ三叉の矛は勇気と力の象徴でもあり、エンブレムに採用されるレッドとブルーはボローニャの市旗から採用されたという記録が残ります。
ちなみにマセラティ兄弟は全部で7人いたそうですが、三男は生後ほどなくして死去してしまい、残ったのは6人。
さらにその後長男のカルロも病死してしまい、クルマとエンジンに強い関心を持っていた次男ビンド、四男のアルフィエーリ、六男のエットーレ、七男のエルネストの四人が「ソシエータ・アノニーマ・オィフチーネ・マセラティ」を設立。※マセラティ設立はビンドを除く三兄弟という説もあるようですが、マセラティ公式だと四兄弟と記載がある
ただし「マセラティのエンブレムをデザインした」五男のマリオのみはクルマに関心がなく、ここには加わらなかったようですね。
つまりマセラティは「差別化のため」に目立つエンブレムを考案したということになり、それをさらに昇華させるかのように「グリルとエンブレムとの組み合わせ」にこだわり続け、「クロームのグリルにトライデント」という手法が1940年代に確立され、その後「ボンネットには楕円形エンブレム、グリルは縦ルーバーにトライデント」というデザインへと変化。
この「縦ルーバーにトライデント(下の画像)」は現代のマセラティにも引き継がれていて、よってマセラティは「ボンネット(もしくはノーズ)とグリル両方にエンブレムがある」という珍しいクルマとなっています。
そしてこの「マセラティ・ミッレミリア」はレトロなスタイルを先進性を兼ね備えた車でもあり、優雅な曲線を使用したボディにバー状のLEDランプが合体。
フロントフェンダーにはおなじみ「ダクト」が見えますが、これは現代のマセラティに採用される「3連」ではなく「4連」。
ちなみにぼくは長らく「マセラティは3兄弟によって設立されたので」三叉のエンブレム、3連ダクトを持っていると認識していたのですが、それは誤りであったようです(じつは4兄弟が設立)。
ドアは逆ヒンジ、そして後方に開く「バンザイ」ドア。
サイドから見ると古典的なロードスターとしてのフォルムを持つことがわかります。
コクピット内も先進性と優雅さとを併せ持つもので、カーボンやダイヤモンドステッチ入りのレザーが採用。
ステアリングホイールもやはり優雅かつテクノロジーを感じさせるもの。
フロントスクリーン、ドアミラーもやはりクラシカルですね。
マセラティは「アルフィエーリ」計画をキャンセルし、かわりに新型スポーツカーを発表する予定であり、こちらも楽しみにしたいところですね。
マセラティが「新型スポーツカー」のティーザー画像を公開!ミドシップレイアウトを採用し2020年5月に発表。サウンドも拝聴可能
VIA: Luca Serafini