ホンダ・アコード/CR-Vの自動緊急ブレーキが勝手に作動するとして米にて173万台が調査対象に！リコールとなれば過去最大規模か

｜　現代の自動車は機能が複雑化・高度化しており、そのぶんトラブルの可能性も増えている　｜

さらに今後の自動車は未知のトラブルが増えそうだ

さて、先日はテスラの「ファントムブレーキ（勝手にブレーキが作動する）」について米NHTSA（National Highway Traffic Safety Administration＝米国運輸省道路交通安全局）が調査を開始したという報道がなされていますが、今回はやはりNHTSAが推定173万2000台のホンダ車を「衝突軽減ブレーキの不用意な動作」について調査を行っている、とのこと。

NHTSAによると、本件に関し、アコードでは107件、CR-Vでは171件のクレームを受けているといい、そのうち6件では実際に衝突事故が起こっているもよう。

場合によっては警告音が鳴らずに作動

今回の問題につき、対象となるのは2018～2019年モデルのアコードセダン、2017年～2019年モデルのCR-Vだといい、前方の視界がひらけた高速道路においても自動緊急自動ブレーキシステムが作動するとされ、作動時にはなんら警告を発せずにいきなりブレーキがかかることがあるようです。

あるオーナーによれば「6ヶ月の間に2回」何ら障害物のない田舎道で自動緊急ブレーキが作動したことがあるそうですが、その際「ブレーキペダルを踏むと」自動緊急ブレーキが解除されたといい、まさにテスラのファントムブレーキの際に表現されたように「身の毛もよだつ」体験なのかもしれません。

ちなみにぼくは、この自動緊急ブレーキが装備されるクルマだとBMW i3、ポルシェ・マカンSを所有したことがありますが、両方とも数回の誤作動を経験しており、しかしそのうちの何回かは「いったい何に反応したのかわからない」ほどクリアな状況に起きています（そしてそのうちのいくつかは、”これを障害物だと判断したんだろうな”と思われるケース）。

そう考えると、カメラやレーダーの認識機能以外にもなんらかの問題があるかもしれず、そして現在はますますこの機能の標準装備化が進んでおり、将来的には様々なメーカー、そして車種で問題となってくるのかもしれません。

もちろんこういった装備は「良かれ」と思ってメーカーが装備しているもので、今後は多くの国や地域で義務化が進むものと思われますが、近年の自動車は高度に複雑化しており、「自動車の基本性能以外の部分での」トラブルが増加することも予想されます。

NHTSAはこう語る

そしてNHTSAは、「自動緊急ブレーキシステムは新型車に標準装備され、衝突事故の抑止にかなり役立っていることがわかります。しかし、誤作動の可能性があると、追突事故などの原因となりやすいのもまた事実です。NHTSAは現在調査を開始し、すでに予備評価文書を発表しています。この文書は、潜在的な問題の範囲と重大性を判断し、安全における問題を正しく評価することが目的で、今後リコールに至るかどうかを判断します」とコメント。

ホンダは2021年11月に「アコード」「インサイト」「CR-V」「リッジライン」のチャイルドシートに関するリコールを、12月には「アキュラ RDX」「ホンダ CR-V ハイブリッド」のドライブシャフトの不具合によるリコールを発表していますが、調査の内容次第では、いまだ例を見ないほどのリコールとなる可能性もあり、ちょっと気になる案件でもありますね。

ただ、「リコール」となったとしても、ホンダがその原因を把握していないのであれば対応のしようもなく、仮にユニットを入れ替えるとなれば、くだんのチップ不足にて対応が進まない可能性もあり、さらには「新車に回すべきチップ」をリコール対応に使用せざるを得なくなるのかも。

ただ、NHTSAのいうように、自動緊急ブレーキによって防ぐことができた事故も相当数あるものと思われ、そして誤作動を完全になくすことは難しく（相当な労力がかかる）、ここはどこかで折り合いをつけるべきなのかもしれませんね。※テスラの言うように、自動運転の事故はゼロにはできず、しかし人間が運転するよりは安全、という観点から考えるべきなのかもしれません。

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参照：Automotive News