
| 搭載されるV6エンジンはジャッド製のハイチューン |
初代NSXがピニンファリーナの手によって一気に現代風に
1990年代のスーパーカー界に革命を起こした金字塔、初代ホンダ(ACURA)「NSX」。
軽量なアルミモノコックボディと扱いやすく官能的なミッドシップレイアウトで世界中を魅了した名車が「イタリアとイギリス」の名門エンジニアリングの手によって現代に「転生」を果たしたというのが今回のニュース。
モータースポーツで実績を重ねてきた「JASモータースポーツ」と、イタリアの至宝「ピニンファリーナ」が手を組み生み出したレストモッドプロジェクト、その名も「Tensei(転生)」。
すでに概要そのものはアナウンスされていたものの、パリモーターショー2026での世界初公開を前に詳細が公開されており、現代最高峰のハンドメイド・スーパースポーツの全貌について見てみましょう。
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ホンダNSXが420馬力で生まれ変わる。ピニンファリーナ×JASによるレストモッド「Tensei(転生)」がついに公開。35台限定、1.6億円から
Image:Pininfarina | 伝説のNSXが華麗に「リバース(転生)」。ピニンファリーナのデザインとレース技術の融合 | ホンダの長年のレースパートナーであるJASモータースポーツが、同社初 ...
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この記事の要約
- JASモータースポーツがピニンファリーナおよび英Judd Power(ジャッド・パワー)とタッグを組み、初代ホンダNSXをベースとした限定35台のレストモッドモデル「Tensei(転生)」の市販仕様を公開
- C30AブロックをベースにJuddが再構築した3.5L NA V6エンジンは、最高出力414hp(420PS)・許容回転数8,500rpmを発揮し、6速MTと組み合わされる
- ピニンファリーナ設計のフルカーボンボディやアクティブディフューザーの採用により、乾燥重量は1,250kgを達成。ベース車・税別で88万ユーロ(約1億6,000万円)から販売される
初代NSXレストモッド「JAS Tensei」の概要
「Tensei」は、オーナーが用意した初代NSXのドナーカーをベースとし、フレームを残して一から再構築されるコンプリート・レストモッドカー。
生産台数は世界限定わずか35台にとどまり、ホンダ本体による直接のプロジェクトではなく、モータースポーツやコーチビルドの独立系スペシャリストたちが独自のアプローチで往年の名車を再解釈したモデルとなります。
車名の「Tensei」は日本語の「転生(Rebirth)」に由来しており、オリジナルのNSXが持っていた軽快でダイレクトな走りの美学を損なうことなく、現代のスーパースポーツ市場で対等以上に渡り合えるパフォーマンスとエレガンスを付与することを目標として開発された、とアナウンスされています。

特徴・スペック・デザイン
名門レーシングエンジンビルダーである英ジャッド・パワーとピニンファリーナの技術が集結し、圧倒的な走行性能と美しいエアロダイナミクスが与えられているのがこのNSX「Tensei」の特徴で・・・。
- Judd Powerが手掛ける3.5L 自然吸気V6エンジン:ホンダ純正の「C30A」シリンダーブロックを踏襲しつつ、クランクシャフトの新設計、軽合金シリンダーヘッドやチタンバルブの組み込みを実施。あえてホンダ伝統の可変バルブタイミング機構「VTEC」を廃して固定タイミングへ変更し、最高出力414hp(8,300rpm)、レブリミット8,500rpmまで吹け上がる超高回転型3.5L NAエンジンへと生まれ変わらせる
- ピニンファリーナによるフルカーボンボディと空力設計:純正のアルミニウム製外板パネルをすべて高弾性カーボンファイバー製へと換装。フラットアンダーフロアや初代モデルには存在しなかったアクティブ・リアディフューザーを新設し、乾燥重量はわずか1,250kgに抑えられる
- 足回りとシャシーシステム:電子制御可変ダンパー(Dynamic Damping Control)を備えたKW製サスペンションとフロント6ポッド/リア4ポッドのBrembo製ブレーキシステムを搭載。変速機にはカーボン製ツインディスククラッチとトルセンLSDを組み合わた6速マニュアルトランスミッションが採用され、後輪を駆動する

| 項目 | JAS Tensei (ホンダ NSX レストモッド) | 初代ホンダ NSX (参考・ベースモデル) |
| エンジン | 3.5L V6 自然吸気 (ジャッドチューン) | 3.0L / 3.2L V6 自然吸気 (C30A / C32B) |
| 最高出力 | 420 PS / 8,300 rpm | 280 PS |
| 許容回転数 | 8,500 rpm (VTECレス固定タイミング) | 8,000 rpm (VTEC搭載) |
| トランスミッション | 6速MT (カーボンツインクラッチ) | 5速MT / 6速MT / 4速AT |
| ボディ素材 | フルカーボンファイバー (ピニンファリーナによる設計) | アルミニウム |
| 乾燥重量 | 1,250 kg (2,756 lbs) | 約 1,350 kg 前後 |
| 車両本体価格 | 880,000 ユーロ〜 (約1億6,000万円超) ※ドナーカー含まず | - |
| 生産台数 | 世界限定 35 台 | - |
競合比較・市場での位置付け
近年の自動車市場では、シンガー(Singer)が手掛けるポルシェ911や、アストンマーティン、ジェンセンなどの名車をベースとした超高額マニュアル・レストモッド市場が急速な盛り上がりを見せており・・・。
- アナログなフィーリングへの回帰:最新の電動ハイパーカーやハイブリッドスーパーカーが1,000馬力オーバーの絶対的な加速性能を競う一方、「Tensei」のようなモデルは「自らの手でシフトを操る歓び」「自然吸気V6エンジンのサウンド」「軽量ボディによるダイレクトな対話」を重視するコレクターへ向けたアンチテーゼとなっている(自動車メーカーでは規制等によって実現できない仕様を再現している)
- コーチビルドならではの希少価値:単なるチューニングカーの枠を超え、ピニンファリーナによる専用造形とJudd製レーシングエンジンの融合というストーリー性は「約1億6,000万円というハイパーノベルティ」な価格帯であっても高いコレクション価値を発揮する

補足情報
今回の発表には、初代NSXのファンにとっても非常に興味深い技術的選択が隠されていて・・・。
- 「VTEC外し」という究極の選択:ホンダの象徴とも言える「VTEC」を撤去した意図は、モータースポーツの現場で培われたジャッドのノウハウにあり、バルブ駆動系の軽量化とカムプロファイルの最適化を限界まで突き詰めることで高回転域でのフリクションを低減し、レーシングエンジンさながらの鋭いレスポンスとクリアな排気音を実現している
- パリモーターショー2026での実車公開:「Tensei」の実車は、パリモーターショー2026の会場にて一般向けに世界初公開され、既存のディーラー網を通した販売ではなく、JASモータースポーツと顧客とのダイレクトな個別受注によって全35台が手作業で製作される
結論
初代NSXの美学と軽量シャシーをベースとし、イタリアのエレガンスと英国モータースポーツの熱情を注ぎ込んで誕生した「JAS Tensei」。
ドナーカー別で88万ユーロ(約1億6,000万円超)という価格は極めて破格ではあるものの、限定35台という希少性、420馬力を発生させる自然吸気V6エンジン、6速MT、そしてフルカーボンボディが織りなす走行体験は、EV化が進む現代において二度と作ることができない「究極のロマン」とも言える存在です。
名車のDNAを受け継ぐ新たな伝説の誕生に、世界中のスーパーカーフリークから熱い視線が注がれているというのが現在の状況であり、パリモーターショーでの実車公開が待たれます。
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参照:Pinifarina











