| ホンダは今後、大きくそのイメージを変えてゆくことになりそうだ |
ソニーとの協業、そして中国にて独自展開するEVとのシナジー効果も気になるところ
さて、米国市場にてGMとの提携を行っていたホンダですが、少し前にはこの規模を「グローバルに拡大する」と発表しており、「量販価格帯の新たなEVシリーズを2027年以降、北米を皮切りに投入」「コンパクトSUVを含む、グローバルで人気の高いセグメントに向けたEVシリーズを開発」「GMとHondaで、世界規模での生産を可能にする設計を検討」「次世代バッテリーに関する協業の深化についても検討」すると発表しています。
なお、GMとの当初の協業内容は「GMのアルティウム(Ultium)バッテリーを中心に、新しいグローバルプラットフォームを採用したEVを共同にて開発し、市場での競争力を高める」というものでしたが、今回はその共同開発によるEV第一弾「プロローグ」のスケッチ、そして今後のディーラーのあり方が公開されています。
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ホンダの「電動化」は今のところ成功とはいい難い
ホンダはトヨタとともに比較的早い段階からハイブリッドモデルを展開しているものの、最近だとクラリティそしてインサイトといった「不発」モデルを出してしまい、ピュアエレクトリックモデル「ホンダe」についても存在感を発揮できていない状態です。
そんな中で発表されたのが「プロローグ」であり、このプロローグは「日常的な運転と週末の遠出を満足させることができる冒険心あふれるSUV」というコンセプトを持ち、ロサンゼルスにあるホンダデザインスタジオにて、日本のデザインチームとの共同によってデザインされたもの。
現時点でその仕様は公開されていないものの、最近のホンダが好む「直立グリル」「グリルと連結したヘッドライト」「フロントからリアまで水平なベルトライン」を持っており、ホンダらしいデザインを持つことがわかります。
フロントからリアにかけ、そしてフェンダーには樹脂製のクラッディングが装着され、緩やかに傾斜したフロントウインドウ、リアに向かってスロープするルーフラインも確認でき、ホンダによれば「空力特性を重視し、シンプルな面方向と少ないラインでボディを微調整し、航続距離の向上と車内ノイズの低減を図った」とのことですが、EVだけに静粛性は重要な要素なのかもしれません。
なお、ホンダはソニーとの提携も発表しているものの、こちらについては現時点で活動内容の詳細(具体的な車種など)が明かされておらず、GMとの提携とどのように足並みを揃えるのかはナゾのまま。
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加えて中国においても現地パートナーと新しいEVシリーズ「e:N」を展開すると発表しており、全世界におけるシナジー効果をどのように出してゆくのかにも注目したいところですね。
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ホンダは北米においてディーラーを再整備
今回のプロローグの発表にあわせ、ホンダは「地域市場におけるEV販売の可能性に基づいた、ディーラーとの段階的なアプローチ」についても発表。
この新しいディーラー設備はEV販売を中心に考えた構成を持つといい、2030年までのEV販売見込み台数に応じ、ディーラーに設置が義務付けられるEV充電ステーションの数や種類についてのガイドラインが設けられていると紹介されています。
なお、画像を見て気づくのは「ブルー」が用いられていること。
これは今までの「レッド」に代わるもので、大幅なイメージチェンジということになりますね。
あわせてホンダは新しいディーラーについて「顧客の自動車購入方法の変化や、ディーラーが将来販売をサポートするために必要となる在庫の減少を反映した、モジュール式で柔軟な空間を持つこと」をイメージしており、一方で来場者にとっては明るく風通しの良い、居心地の良い空間となるように大きなウインドウを採用し、展示エリアも大きく取っているようですね。
ちなみにこの配色は新しいGMのロゴを連想させますが、ホンダがそれを意識したのか(そこまでGMとの関係が深いのか)どうか、そしてこの変更が日本にも及ぶのかどうかは現時点では不明です(プロローグ、およびディーラー設備についてのプレスリリースは今のところ日本向けには配信されていない)。
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