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【衝撃】ホンダ、3400億円~5700億円の特別損失を計上し最大で6900億円の赤字。EV「0」シリーズの開発中止、役員は3ヶ月の報酬返上へ

ホンダ プレリュードのホイール(ブラック)とエンブレム

| これは完全なる経営判断のミスとしかいいようがない |

EVの販売が「想定通りに進まず」

ホンダが電動化が想定通りに進まなかったとして3400億円~5700億円の特別損失を計上し、2026年3月期連結決算にて最大6900億円の赤字を記録する可能性があると発表。

この数字はまさに「衝撃的」ではありますが、簡単にいえば「EVが売れなかった」ということになり、結果として「Honda 0 SUV」「Honda 0 Saloon」「Acura RSX」の3車種の開発と発売を中止し、さらに代表執行役社長と代表執行役副社長が月度報酬の30%を3ヶ月分、経営会議メンバーおよび四輪事業に関係する執行役常務が月度報酬の20%の3か月分を返上するという事態にまで発展しています。

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いったいなぜこんなことに

今年2月と3月には自動車メーカー各社が決算を続々と発表し、ポルシェも「利益が89%減った」としたものの、ギリギリで赤字を回避しており、その結果を考慮するならば、ホンダの「6900億円の赤字」は非常事態だといえるレベルなのかもしれません。

ポルシェのエンブレム(クレスト)~ターボナイト
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ホンダ 0 EV SUVの全景

Image:Honda

そしてこうなった原因は「未来がホンダの思うようにならなかった」からで、発売したEVが売れず、さらに北米ではトランプ関税が導入され、中国市場では現地の自動車メーカーに対して競争力を失ってしまったから。

これらはフォルクスワーゲングループやステランティスなどほかの自動車メーカー / グループと同様であり、不可抗力的な要素もあるものの、ホンダが他社よりも大きな損失を出したのは「方向転換が遅かった」ことに起因するのだと考えられます。

アウディ
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実際のところ2024年11月くらいから「EVの減速」「中国の自動車メーカーの台頭」が明確になっており、この時点でフォード、GM、フォルクスワーゲングループの各ブランドにメルセデス・ベンツ等は「EV一辺倒」の方針を撤回し「ガソリンエンジン回帰」を決めたのは記憶に新しいところ。

加えて、ステランティスやフォルクスワーゲングループ、フォードなどは現地自動車メーカーとの協業を進めることで競争力のあるEVを開発すべく未来への投資を行ったものの、ホンダはこの時点でも「2040年に完全EV化」という方針を譲らずEVに固執しています。

ダッジ
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その理由としてホンダは「2050年にカーボンニュートラルを達成するのがホンダとしての責務であると捉え、EVこそが最適解だと信じてやまなかった」と自ら述べていますが、この硬直した姿勢そのものが今回の結果を招いたのかもしれません。

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ホンダ 0 EV サルーンのリア

Image:Honda

現在の経営者に求められるのは「柔軟性」である

現在はすべての業界において不透明な状況が続いており、この状況下で経営者に求められるのは「柔軟性」。

一昔前だと「優れた経営者」とは計画に向かって物事を推し進め、いかなる困難があってもそれを乗り越えて達成するというタイプではあったものの、いまの時代に求められるのは「あらゆる可能性を視野に入れ、状況が変われば即座に目標を変更する柔軟性」が求められ、そしてホンダは自身で”事業環境の変化に柔軟に対応できなかった”と認める通り、今回の結果は「どうしようもできない」変化にのまれた結果ではなく、「なんとかできたはずなのに、なんともできなかった(しなかった)」といういわば人災にも近いものだと考えています。※これが経営陣の報酬の返上に繋がっているのだと思われる。

ホンダ プレリュードのフロントとエンブレム

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そしてこういった状況はホンダの意思決定過程においての課題を示唆しており、というのもホンダの経営陣の中にも少なからず「もうEVやめようや」と考えた人がいるはずで、しかしそれでも「計画にこだわり」赤字を拡大させてしまったから。

もしかするとホンダ内部では「もうEVやめようや」と言った人は「努力が足りない」と断じられ更迭されたのかもしれませんが、いずれにせよ「引き際を見極めることができなかった」のは事実かと思います。※ただ、これはホンダのみの問題ではなく、多くの日本の企業が抱える病気のようなものかもしれない

さらにいえば、「アフィーラ」ももっと早い時期で計画を破棄すべきであったとも考えており(こちらは開発の中止がアナウンスされていない)、アフィーラにおいても大きな赤字を計上することとなるのかもしれません。

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参照:Honda

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