| 現時点でマツダがル・マン24時間レースに参戦する可能性は低いが、その”意思”はあるようだ |
レンダリングアーティスト、マクシミリアン・シュナイダー氏による「マツダRX-10 ヴィジョン・ロングテール」が公開に。
これは同氏のインスタグラム上にて紹介されたものですが、「マツダのつくるハイパーカー」というコンセプトです。
想定スペックは「2.3リッター・3ロータリーターボエンジン搭載により780馬力を発生し後輪を駆動、フロントには125馬力のエレクトリックモーターを2基搭載して左右各輪を駆動する、システム合計出力1030馬力」というハイパーカー。
0-100km/h加速は2.5秒、最高速はなんと427km/hを想定している、とのこと。
そのプロポーションはワイド&ロー、そしてロング
画像を見ると、異様に低く、そして異様にワイド。
こういった低さを実現できるのも、やはりコンパクトなロータリーエンジン搭載車ならではなのかもしれません。
フロントグリルは現行のマツダ市販車に近く、その左右にウイングが伸びています。
ホイールハウスは大きく盛り上がり、巨大なタイヤ/ホイールを収納することに。
後方確認は「カメラ」にて。
マツダっぽい、立体的な丸形テールランプ。
ロータリーエンジン搭載をイメージしているためか、あちこちに「三角」モチーフが見られます。
サイドのウイングには「RX-10」のロゴ。
バックフォグは三角ではなく「3つのドット」。
なお、「ロングテール」とは車体後方を延長して高速安定性を増すための手法であり、ポルシェやマクラーレンがかつてこの手法を用いたことがよく知られています。
このマツダRXヴィジョン・ロングテールは「ル・マン24時間レースに新設されるハイパーカークラスに参戦」することを想定しているものと思われ、もっともスピードが乗る「ユーノディエール(今はシケインが設けられている)」対策としてテールを延長しているのかも。
なお、ル・マン「ハイパーカークラス(Le Mans Hypercar=LMH)」にはプジョー、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス、アストンマーティン、トヨタ(GRスーパースポーツ)が参加を表明しており、ケーニグセグ、ランボルギーニ、ゴードン・マレー(IGM)が参加を検討中と報じられています。
ただ、アストンマーティンは計画をキャンセルしたと言われ、コロナウイルスの影響もあって、おそらくハイパーカークラスの開始は予定よりも遅れるか、この話自体がなくなってしまいそう(アストンマーティン以外にもキャンセルが出ると思われる)。
マツダはル・マンに再び参加する?
なお、マツダはトヨタが優勝するまでは「唯一、ル・マン24時間レースで優勝したことがある日本の自動車メーカー」。
つまりル・マンとは比較的縁が深いということになりますが、現在マツダはル・マンには参戦しておらず、しかし北米重視戦略の一環としてデイトナ24時間レース、セブリング12時間レースが含まれる「IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権」に参加中。
ここで走るレーシングカーがこの「マツダRT-24P」ですが、この「RT」は、マツダの展開するドライバートレーニングプログラム「ロード・トゥ・24」に由来していて、これは「デイトナ24時間レースで優勝し、その後はル・マン24時間レースへ参戦する」という想いを込めたもの。
それを考えると、マツダ自身はル・マンに参戦したいという意向を持っていると考えて良さそうですね(ただし現在はその資金に乏しく、ここは市販車をヒットさせて参戦資金を捻出してほしいところ)。
魂動デザイン採用のマツダ製レーシングカー、RT24-Pがデイトナにてコースレコード樹立!今年からボディカラーは「アークティックホワイト」に
ほかにはこんな「マツダのハイパーカー」も
なお、マツダはそのデザイン戦略がはっきりしており、「魂動」なる明確なデザイン言語を持っています。
そして魂動デザインは”わかりやすい”ということもあり、多くのアーティストがその題材として取り上げ、思い思いのレンダリングを作成しているのも一つの特徴(こういった傾向は他の自動車メーカーには見られない)。※加えて”ロータリーエンジン”というアイコンも持っていて、マツダほど愛される自動車メーカーも珍しい
ちょっと前には、やはり「ロータリーエンジンとハイブリッドを組み合わせた」ハイパーカー”マツダ9”も別のアーティストによって公開されていますね。
VIA:Maximilian Schneider, CARSCOOPS