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えっもう?トヨタが販売したヤリス”ほぼ全台数”の約2.7台をリコール。そのほかRAV4にもリコール、ヤリスとカローラ含む7.8万台にも改善対策を発表

2020/05/21

| トヨタにしては珍しく大量リコール。発売を急ぎすぎた? |

さて、発売と共に多くの受注を集め、2020年4月における国内自動車販売でも見事ナンバーワンを獲得したトヨタ・ヤリス。

ただしトヨタは喜んでばかりもいられないようで、今回は27,622台が影響を受ける大規模リコールを発表しています。

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なお、ヤリスは4月に10,119台、3月に13,164台、2月に3,491台を販売しているので、つまりは「これまでに納車したクルマすべてに」問題があると言えそうです。

問題の内容としては下記の通りで、対象製造期間は令和元年12月11日~令和 2年4月21日。

対策としては「全車両、ブレーキ制御コンピュータの異常判定プログラムを対策仕様に修正する」としています。

車両安定制御機能(ビークル・スタビリティ・コントロールシステム:VSC)において、制御プログラムが不適切なため、停車中のアイドリング時の振動を二輪駆動車用スピードセンサが車速と誤検出して、異常判定することがある。そのため、警告灯が点灯し、VSC等が作動しなくなるおそれがある。

国土交通省

参考までに、リコールに至った原因としては「市場からの情報による」としており、つまりユーザーからの不具合報告を受けてのこと。

これはトヨタにしてはかなり珍しく(トヨタは消費者よりも先に問題を把握することがほとんどなので)、しかも22件も実際の問題が発生しています。

2月の発売から間もない時期に全数リコールというのには驚かされますが、ヤリスのライバルたるホンダ・フィットに至っては「発売前」からリコールレベルの不具合が発覚しており、これによってフィットの発売が4ヶ月遅延するという問題も。

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トヨタはRAV4にもリコール

そしてトヨタはRAV4についてもリコールを発表し、こちらは令和元年9月25日~令和元年10月26日に製造された3,409台が対象に。

リコールの原因としては「社内からの情報」にて不具合を把握し、問題発生そして事故はゼロ(トヨタは発売後の検査体制がしっかりしているようで、自社内部の検査で問題を把握することが多い)。

対応については「(サスペンションの)ロアアームを交換する」としているので、けっこう大規模な改修内容となりそうです。

前輪緩衝装置において、材料製造工程が不適切なため、ロアアームに亀裂が入っているものがある。そのため、そのまま使用を続けると亀裂が進展し、最悪の場合、ロアアームが破断して、走行安定性を損なうおそれがある。

国土交通省

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ちなみにRAV4は以前にもリコールが届けられていて、こちらはブレーキブースターの問題によって、制動距離が伸びる可能性があると言うもの。

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そのほか、「エルクテスト」問題も報じられており、品質に関してはちょっと厳しい状態が続いているようですね。

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トヨタは4社種に対し改善対策も

さらにトヨタはカローラ(15,321台)、カローラツーリング(55,390台)、ヤリス(21,175台)、JPN TAXI(1,727台)の4車種(合計78,282台)に改善対策を発表。

改善対策とは、国土交通省によれば「リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うこと」と定義されています。

そしてまたしてもヤリスが入っているということになりますが、こちらも社内にて不具合を発見しており、実際に発生した問題や事故はゼロ。

協定規則第16号(後席シートベルト非装着時警報装置)認可車両において、制御プログラムが不適切なため、後席乗員が短時間にシートベルトを脱着すると、他の後席シートベルト警告灯が消灯する場合がある。そのため、運転者が当該警告灯にてシートベルト装着状態を正しく確認できないおそれがある。

国土交通省

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現在のトヨタは開発を外部に委託したり、共同開発を行うことが多く、それによってコストの低減や開発スピード向上といったメリットが得られるものの、反面「(今までは存在しなかった)自社ではコントールできない」品質問題が発生することになっているのだと思われ、ここは今後の課題だと言えそうです。

参照:国土交通省

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