| この時期のプリウスのリコールは「間が悪い」 |
トヨタはリコールの少ない会社ですが、その理由としては「品質管理体制」がしっかりしている、ということが挙げられます。
もちろんリコールはゼロではなく、いたしかたなく発生することもありますが、トヨタの場合は問題発見の理由が「自社の検査」「納入業者(サプライヤー)から」が多く、これはつまり自動車発売後も自社で検査を継続して行っていること、問題があればサプライヤーにすぐ報告をさせる(隠させない)という体制ができていることを意味します。
逆に、ほかのメーカー(とくにマツダ)だと、リコールの原因となる問題発生把握の理由が「市場からの報告による」、つまり消費者からのクレームでようやくわかる場合が多く、かつリコールの対応も「相当な件数のクレームが集まってから」「最初の問題把握からかなりの時間が経ってから」。
つまりは自社での検査体制、問題に対する対応がトヨタとは異なる、ということにですね。
今回トヨタの発表したリコールの対象台数は22,431台と比較的規模の大きなものですが、やはり問題発見の同期は「車内からの報告による」そして実際の不具合件数は「ゼロ」、そして対象となる個体も令和に入ってから、つまり最近のものがほとんどという点において「対応が速い」と言えそう。
ただ、今回のリコールにおいてもっとも台数が多いのは「プリウス」で、とくに最近では「プリウスミサイル」が問題視されているだけに、間の悪いリコールであったのかもしれません(それでもトヨタはリコールを実施)。
最悪の場合、制動距離が伸びる
今回のリコール内容は下記の通り。
トヨタとしては非常に珍しく、「走る」「曲がる」「止まる」の「止まる」に該当するという、自動車の根幹そして安全性にかかわる部分です。
電子制御式油圧ブレーキのブレーキブースタポンプにおいて、ポンプモータの構成部品である樹脂製ブラシホルダの成形型が不適切なため、ブラシとの隙間が 小さく、ポンプ作動時に当該ホルダが熱膨張してブラシが引っ掛かり、ポンプモ ータが導通不良となるものがある。そのため、ポンプモータが作動せず警告灯が点灯し、最悪の場合、倍力作用が損なわれて制動停止距離が伸びるおそれがある。
国土交通省
対応車種は下記の通りで、製造期間は(モデルによっても異なりますが)おおよそ平成31年4月26日~令和元年6月4日となっています。
プリウス | 9,604台 |
プリウスPHV | 809台 |
C-HR | 2,436台 |
RAV4 | 2,331台 |
カムリ | 2,028台 |
カローラスポーツ | 1,751台 |
クラウン | 1,405台 |
JPN TAXI | 531台 |
レクサスUX250h | 714台 |
レクサスES350h | 702台 |
レクサスLS500h | 48台 |
ダイハツ・アルティス | 5台 |
合計 | 22,431台 |