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他社のシェアを横取りするのが得意なトヨタ。なぜ「売れている」三菱デリカの対抗を作らないのか?きっと売れると思うんだけどな

2023/01/12

他社のシェアを横取りするのが得意なトヨタ。なぜ「売れている」三菱デリカの対抗を作らないのか?きっと売れると思うんだけどな

| スバルのシンメトリー4WDをハイエースに組み込み、ラギッドな外観を演出すればかなり売れるんじゃないかと思う |

なぜトヨタがここに手をつけないのか、むしろ不思議でならない

さて、ふと思ったのが「なぜトヨタは三菱デリカD5の対抗車種を作らないのか」。

トヨタといえば自社でマーケットを創出しようという例が少なく、どちらかというと他社のヒット商品を蹴落とすべく直接のライバルを投入し、他社が創出した市場をまんまと獲得するというイメージがあります。

たとえばホンダがオデッセイやステップワゴンで作り出した市場をアルファードやノア/ヴォクシーで奪いにかかったり、初代ホンダCR-Vに対抗したRAV4、ヴェゼルにぶつけたC-HR、ストリームに当てたウイッシュなど枚挙に暇がありません。

なぜトヨタは安全策を取るのか

一方でプリウスにてハイブリッド市場を切り開いたり、新型クラウンにていち早く「(欧州では人気があり、しかし日本では他に例がない)4ドアクーペ+クロスオーバー」へと参入したりといった例も見られるものの、基本的には(パナソニック同様に)他社が形成し、少数の製品にて独占されている市場へと参入する傾向があるように思われます。

トヨタ・クラウン

その理由としては、(勝手な推測ではありますが)トヨタは会社が大きく、多くの従業員を養わねばならないことが挙げられ、そこではチャレンジよりも保守性や確実性が尊重されるのかもしれません。

加えて、仮に他社と同様の製品を作ったとしても、トヨタのほうが販売網が大きく、宣伝広告費に投じるコストに余裕がありそうなので、「トヨタの製品のほうが売れる可能性が高い」ため、あえてリスクを冒さず、他社の成功を待ってからゆうゆうと乗り出しても十分に間に合うといったことも考えられます。

そういったこともあって、トヨタは「自分で市場を開拓するよりは、他社の作った市場を横取りする」ほうがビジネスとして効率が良いと捉えているんじゃないかと思われ、もしかするとトヨタにおける新製品の企画会議でも「(特定の)他社製品の販売がどれくらいあるのか」「その製品のシェアをどれくらい奪えるのか」が重要な議題となり、「今市場にない、新しいものを作る」という視点は最初から排除されている可能性もありそうです。

ただしトヨタが参入していない市場も

なお、「マルチパワートレーン戦略」を見てもわかるとおり、トヨタは消費者に最大の選択肢を与えることをその使命としているように思われ、そのためにメルセデス・ベンツやBMW、アウディのように金太郎飴ルックを採用していないのかも(トヨタとしての統一されたデザインを各モデル間に採用しているわけではない)。

一方、レクサスのように「ターゲットが絞り込まれた」ブランドにおいては、スピンドルグリルを中心に、デザインを統一する重要性を踏まえた展開を行っているので、やはりトヨタブランドでは「意図的に、より多くの人の好みに訴えかけることができるよう」デザインテイストを固定していないものと思われます。

そして「他社の作り出した市場を奪う」という戦略についても、「トヨタのクルマですべての人々の需要をカバーする」という観点に基づいていると考えられますが、それでもトヨタがいくつか手を付けていないセグメントがあり、それは「オープンスポーツ」と「クロスオーバーミニバン」。

前者は具体的にマツダ・ロードスターを指していて、しかし現在トヨタとマツダは関係性を深めているので、トヨタがここに参入してマツダのお株を奪うことはないのかも(ただしOEMや共同開発によってトヨタ版のロードスターを発売する可能性がないわけではない)。

マツダ・ロードスター

そしてクロスオーバーミニバンについては、国内で唯一の存在であるデリカD5を指していますが、これは安定してけっこう売れているクルマであり、2022年通年のランキングだと33位(16,838台)に位置し、この近辺に位置するのは(トヨタ車だと)31位のクラウン、そして37位のGR86。

つまりはそこそこ売れていると言ってよく、2021年だと36位、2020年では45位だったので、そのモデルライフの長さにかかわらず、むしろ販売を伸ばしているクルマということになりますね。

たしかに販売台数としてはRAV4(31,118台)やハリアー(34,182台)には及ばないものの、ハイエース(9,175台)のように競合が少ない市場にて、大きなプロモーションコストをかけなくても安定的かつ継続的に利益を落とす可能性があり、かつ競合が少なければアップデートの頻度も少なくて済むので(フルモデルチェンジの間隔も長くて良さそう)、長い目で見ると、利益そのものについては、より販売が多いモデルにも引けを取らない可能性もありそうです。

exterior_02

いまこそトヨタはデリカD5の対抗を作るしかない

さらにはキャンプブーム、密を避けてクルマで移動する家族が増えていること、トヨタは現在クロスオーバー系ミニバンを持たないことをなどを考えると、今トヨタがデリカD5の対抗を作らない理由はまったくなく、既存ラインアップの売り上げを侵食せずに新たな販売をオンできるんじゃないかとも考えていて、むしろ「なぜトヨタがここに手を出さないのか」不思議なくらい。※トヨタはキャンプを意識したプロモーションも行っているので、アウトドア系ミニバンに興味が無いわけではないと思われる

ちなみに(普通の)ミニバンに抵抗を感じるお父さん層も多いといい、その一部は(ファミリーカー的イメージの薄い)ミニバンに流れているという話もあって、であればなおさら「アクティブでワイルドなミニバン」を発売することでより多くの潜在顧客を取り込めるのかもしれません。

ただ、デリカD5のファンはその高い走破性に魅力を感じて購入に至っているはずなので、トヨタ既存ミニバンの「なんちゃって4WD」もしくは「e-Four」ではデリカD5の購買層を獲得することは難しそう。

exterior_04

しかしながら現在トヨタには「スバル」という心強い事実上の子会社があるので、スバルのシンメトリー4WDを組み込んだミニバンをどうにかして開発し、ちょっとワイルドなルックスを持たせればけっこうなヒットになるのでは、と思う次第です。

そして願わくば、Tjクルーザーを「ラギッドでワイルドでアクティブなミニバン」として発売して欲しいものですね。

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