>トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS)

トヨタがクラウンスポーツの開発秘話を披露。「デザインにかかったのはわずか21ヶ月」「リアフェンダーの設計は700回失敗」「内装デザインは入社5年目の女性」

2023/11/09

トヨタ

| トヨタはそのデザインの実現のために様々な投資を行ったり技術を開発を行えるように変化した |

以前だと「今ある技術」を使用してコストを抑えることが優先されたと言われたが

さて、現在まだまだ注文するかどうか迷っているクラウンスポーツですが、ぼくがもっとも惹かれるのはその「デザイン」。

これまでのトヨタ車らしからぬスタイリッシュな、そして未来的なデザインを持ち、いわゆる「普通のクルマ」とは一線を画していると考えています。

そんなクラウンスポーツにつき、今回トヨタは(その大きく飛躍したスタイリングにもかかわらず)デザインプロセスにおいては「(新型車のデザインに要する)平均的な4年という期間に対し、わずか21ヶ月で完成させた」、そして「リアフェンダーの造形に関してはCAD上で(4ヶ月の間に)700回以上ものシミュレーションを繰り返した」という事実を明かしています。

トヨタ・クラウン
相変わらずクラウンスポーツの購入を検討中。ボクは基本的に「これは400万円の車両にありったけのオプションを突っ込んで高くなったクルマ」だと認識している

| そして購入が実現すれば、ボクにとってはじめての「高級車」となる | 色々と考えると、今の時点でクラウンスポーツを購入するのがぼくにとって最適な選択だとは考える さて、現在クラウンスポーツの購入を検 ...

続きを見る

クラウンスポーツの開発チームが目指したのは「見たとき、運転したとき、乗ったときにお客さまを驚かせる爽快なクルマ」

クラウンスポーツ発表時、その車両デザインが「リアフェンダーありき」ではじまったということに言及されていますが、このリアフェンダーは21インチサイズのタイヤを収めることを前提に設計されており、「過去のトヨタ車にはないディティールを目指した」とのこと。

そのきっかけとなったのは豊田章男会長のひとことであったとされ、それは「これで本当に進化するのか?もっと真剣に考えたらどうだろう。部分的なデザイン変更に留めるのは見送った方がいいのではないか」。

かくしてクラウンスポーツは(豊田章男会長の全面的なバックアップもあって)トヨタのフラッグシップにふさわしい、「見た人、乗った人、乗った人を感動させる爽快なクルマ」を目指して全体を再考されることとなったわけですが、エクステリアデザイナーが考えたのは「一般的な、キャラクターラインを用いるという手法ではなく、その代わりにボディの曲率だけで人々を感情レベルで魅了するダイナミックな効果を出したい」ということ。

news_crown_003_02

そしてリヤフェンダーをより強調するためには「リヤフェンダーだけ」でものごとを考えることはできず、キャビン後部(リアフェンダー上部のサイドウインドウ)とボディサイド(リアドア周り)を流線型にすることで”さらに力強い印象を与えることに成功した”と述べており、さらには「その豊かなボディの曲率により、この車は走行中に光が変化するにつれてさまざまな側面を見せることになり、それがクラウン スポーツに独特の爽快なエレガンスを与えているのです」とも。

ただ、いかにリアフェンダーをデザイン的に美しく仕上げたといえど、実際にそれを製造できなければなんの意味もなく、そこで登場するのが金型エキスパート。

news_crown_003_05

プレスラインを用いない「曲面」を実現することは容易ではなく、実際に1/1サイズのクレイモデルを見た金型設計者は「これを実現することは非常に難しい」と感じ取るものの、そのデザインの美しさに感銘を受け、なんとしてもこれを実現しようと考え、しかし実現までには700回もの失敗を繰り返したといいます。

というのも、ボディ部分が外側に張り出すほど、パネルの形状を大きくする必要があるそうですが、しかしこれによってパネルの特定の部分に応力が集中したり分散することになってしまい、結果として歪みや亀裂が発生する可能性があるのだそう。

news_crown_003_07

加えて整形量が増えると「きれいな表面品質」を維持することが難しくなるといい、クラウンスポーツでは「通常、固定された金型に材料を押し付けることによってパネルが形成されることろ、1/1000ミリ単位で金型をわずかに動かし(しかも工程上、動かすための時間は0.7秒以内に限られる)、プレス内の材料が理想的に形成されるようにした」と紹介しており、こういった苦労があってクラウンスポーツのセクシーなリアフェンダーが実現されることとなったわけですね。

L1004359

新型トヨタ クラウンスポーツを見てきた。その価格にも納得の上質な仕上がり、そして「スポーツ」の名の通り躍動感のあるボディラインを持っている【動画】
新型トヨタ クラウンスポーツを見てきた。その価格にも納得の上質な仕上がり、そして「スポーツ」の名の通り躍動感のあるボディラインを持っている【動画】

| トヨタ・クラウンスポーツは今年ボクが一番期待していたクルマでもある | そしてクラウンスポーツは期待以上の仕上がりを持っていた さて、新型トヨタ・クラウンスポーツを見てきたのでざっとその内外装や印 ...

続きを見る

トヨタ・クラウンスポーツの「左右非対称のインテリア」はこうやって出来上がった

そしてトヨタはクラウンスポーツのインテリアが実現される段階についても紹介しており、まずデザイナーがイメージしたのは「エクステリア同様にスポーティでありながらエレガントで魅惑的な印象を与えること」。

news_crown_003_09

そして目指したのは「ドライバーだけでなく同乗者もワクワクするデザイン」「コックピットの黒いトリムによって運転への集中力を高める」「心地よいゴージャスな赤い室内装飾により、助手席側にプレミアムなファーストクラスの座席が持つ雰囲気を与えること」。※記事では「センシュアルレッド」と呼ばれる緋色の色合いで仕上げられたインテリアトリムに言及しているが、これはPHEVモデル専用色だと思われる

news_crown_003_13

ただしこちらもエクステリア同様、自分が実現しようと考えるデザインを量産するためにはいくつもの壁を乗り越える必要が生じ、ダッシュボードの曲面にしわが寄ったり、鋭角部分が白化したりするといった問題が発生したため、これらはサプライヤーと一緒になり、素材の段階から解決手法を模索していったようですね。

news_crown_003_10

さらには「合成皮革素材の繊維を調べ、編み目をほぐす」「糸の太さを変えて伸縮性を高める」等の張り材側の対策、魅力的なデザインを維持しながら「しわの原因となるダッシュボードの曲率を軽減する」といった車両側の対策も同時に行って量産までこぎつけたそうですが、インテリアデザイナーは入社5年目、そして今回のクラウンスポーツが初の「新型車の担当」だった、とのこと。

news_crown_003_1280_720

だからこそ(クラウンという16代続く伝統のクルマの開発ではあるものの)保守的にならず、既成概念に囚われずに新しいことに挑戦することが可能となり、革新的な「クラウンスポーツ」を生み出すことが可能となったのでしょうね。

あわせて読みたい、クラウンスポーツ関連投稿

クラウンスポーツに試乗。おそらくはトヨタにとって「儲けネタ」ではあろうものの、ユーザーの受けるメリットも小さくはなく、ボクは「買い」だと考える
クラウンスポーツに試乗。おそらくはトヨタにとって「儲けネタ」ではあろうものの、ユーザーの受けるメリットも小さくはなく、ボクは「買い」だと考える

| 現時点でのクラウンスポーツの納期はおよそ9ヶ月、受注残が順調に拡大中 | 一方、クラウンセダンはわずか1日で「受注終了」 さて、クラウンスポーツの試乗車の準備ができたとの連絡が入り、さっそくテスト ...

続きを見る

相変わらずトヨタ・クラウンスポーツの購入を検討中。けっこう惹かれつつもなかなか注文に踏み切れないネガティブ要素とは
相変わらずトヨタ・クラウンスポーツの購入を検討中。けっこう惹かれつつもなかなか注文に踏み切れないネガティブ要素「価格」「イメージ」について考える

| やっぱり「トヨタ」のブランドイメージ、「クラウン」の印象はあまり良くない | どうしても人生の終盤に差し掛かった落ち着いた人には見られたくない さて、ぼくは現在トヨタ・クラウンスポーツの購入を検討 ...

続きを見る

トヨタ・クラウンスポーツ
現在トヨタ クラウンスポーツの購入を検討中。現在「日常使い用」として購入候補ナンバーワン、今注文すれば年内納車もイケそうだ

| どのみち来年にはミニJCWを放出予定であり、なんらかの「日常使い用」のクルマを買わなくてはならない | クラウンスポーツは論理的に考えると「もっともいい選択肢」 さて、現在「注文するかどうか」迷っ ...

続きを見る

参照:TOYOTA TIMES

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Cirqua_Recommend / 1845256

->トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS)
-, , , , ,