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クラウンスポーツに試乗。おそらくはトヨタにとって「儲けネタ」ではあろうものの、ユーザーの受けるメリットも小さくはなく、ボクは「買い」だと考える

2023/11/05

クラウンスポーツに試乗。おそらくはトヨタにとって「儲けネタ」ではあろうものの、ユーザーの受けるメリットも小さくはなく、ボクは「買い」だと考える

| 現時点でのクラウンスポーツの納期はおよそ9ヶ月、受注残が順調に拡大中 |

一方、クラウンセダンはわずか1日で「受注終了」

さて、クラウンスポーツの試乗車の準備ができたとの連絡が入り、さっそくテストドライブを行うことに。

なお、最近のトヨタは生産キャパシティに達すると一旦受注を締め切り、その後に納車が追いついてきた段階で受注を再開する傾向にありますが、現時点だとクラウンスポーツはまだ受注を受け付けている段階です。

ただ、先週末に発表されたクラウンセダンについては、(ディーラーいわく)わずか1日で予定生産台数に達してしまい、なんとすでに「受注停止」。

参考までにクラウンセダンの目標月販台数は600台であり、トヨタとしてはある程度の準備をしておいたということになりそうですが、わずか1日でその準備の範囲を超えてしまったということになりそうですね。

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もう一つ参考までに、クラウンスポーツの目標月販台数は700台に設定され、しかしクラウンスポーツはまだ受注を受け付けているということを鑑みるに「クラウンスポーツのほうが売れてない」と考えることもできるものの、クラウンスポーツはFFベース、クラウンセダンはFRベース、そしてサスペンション形式やパワートレーンにも相違があるため、単純に両者の生産キャパシティを比較することは難しいのかも知れません。※現時点でクラウンスポーツの納期は7月だそうなので、ここから逆算すると、11月生産から7月生産までの”6,300台”くらいの受注が集まっているものと思われる

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クラウンスポーツはこんなクルマ

そこでクラウンスポーツの概要から見てみると、まず現在発売されているのは「Z」のみで、これは2.5リッター4気筒エンジンと2モーターを組み合わせるハイブリッド。

前輪はガソリンエンジンとフロントモーター(186馬力+119.9馬力)、リアモーター(54.4馬力)とを組み合わせ、しかし全てが同時に最高出力を発揮するわけではなく、システム合計としての最高出力は234馬力、燃費はWLTCモードで21.3km/hとアナウンスされています。

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サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアにはマルチリンクを採用し、後輪操舵(DRS)を内蔵するために最小回転半径は5.4メートル。

ボディサイズは全長4,720ミリ、全幅1,880ミリ、全高1,565ミリ、車体重量は1,810kgというスペックを持っています。

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新型クラウンスポーツに乗ってみよう

その内外装については以前にアップしたレビューを参照してもらうとして、早速クラウンスポーツの試乗へと進みますが、ドアは「サイドシルを隠す」タイプなので(サイドシルが外側に張り出しておらず)乗降時に足とサイドシルとが接触しにくく、かつ接触しても衣類が汚れないのはありがたいところ。

逆にドアが「サイドシルの上から開く」タイプだと(サイドシルが横に出っ張っているので)クルマに乗り込みにくかったり、露出したサイドシルの汚れが衣類に移ったりするものの、クラウンスポーツでは「そういったことがない」わけですね。

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さらにはシート座面やフロアも比較的低く(それでも最低地上高は160ミリある)、「登る」ようにして乗り込む必要はなく、SUVというよりは乗用車的なヒップポジションかも知れません。

ちなみにルーフはけっこう低く感じ(窮屈というほどではない)、そのためデジタルルームミラーの位置が近く感じられ、ここはシートポジションや慣れで解決するものと思われます。

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そしてエンジンをスタートさせた後は各種ポジションを合わせ、そしてシフトレバーを右に倒すようにして「D」レンジへ。

ちなみにクラウンスポーツZはPHEVではないので、基本的にエンジンで走行することになりますが(バッテリーへの充電状況次第でピュアエレクトリックモードでの走行もできる)、メーターでは(初期のハイブリッドカーによくあったように)システムの作動状況を明確に確認できず(現在はどのパワーユニットが作動し充電状況がどうなのかなど)、これは言い換えれば「そんなことを気にしなくてもいい」レベルにまでハイブリッドシステムが進化しているからなのかもしれません。※ユーザーの成熟度が高くなったことも考えられる

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走り出しは極めてスムーズで、ちょっとした段差もうまく衝撃を吸収して走行することができ、エンジンの振動やノイズも最小限にまで抑えているためにエンジンの鼓動がほぼ感じられないほど。

これは賛否両論かと思いますが、クラウン「スポーツ」といえど、”クラウン”という高級車的性格を考慮するならば、極限まで振動を抑え込むのが正解なのだとも考えられます(ぼくもそう思う)。

サスペンションやステアリングラックからの振動も皆無に近く、その乗り味はまさに高級車といった感じです(実際、クラウンは高級車である)。

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ドライブモードは「ノーマル」「スポーツ」「エコ」「カスタム」の4種類で、「ノーマル」「スポーツ」を試したところ、たしかにスポーツでは加速が鋭く感じられますが(パワートレーン、シャシーセッティングが変更される)、それほど大きくは変わらないという印象。

ただ、ノーマルでもけっこうキビキビ走るという印象もあり、かつ加速・減速・コーナリングにおける姿勢変化も大きくはなく、正直「かなりよくできたクルマである」と感じます。

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一方ブレーキについては「もうちょっと効いてもいいんじゃないか」とは思ったものの、これはまだ新車でブレーキパッドにアタリが出ていなかった可能性があり、そしてそこまで強くブレーキペダルを踏み込んだわけではないので、扱い方によってはまた印象が変わるのかもしれません(ただ、扱いやすくコントロールしやすいブレーキではある)。

そのほか、クラウンスポーツの走りにおける要の一つ、ACA制御(パッシブ制御による相対的トルクベクタリングのようなもの)についても実感できるような速度では走っていませんが、DRS(後輪操舵)については法定速度内での走行や交差点で曲がる際にも体感でき、これは正直「おっ」と思うほど曲がってくれ、かなり重宝することになりそうですね。

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新型クラウンスポーツは「買い」なのか

そしてディーラーに戻ってきて駐車する際にはシースルービュー等の機能の便利さを実感することになりますが、全般的に「何も考えず、ただアクセルを踏んで、ステアリングホイールを切って、ブレーキを踏めば」思い通りの反応を示してくれるクルマであり、しかもトヨタの誇るドアライバーアシスト機能含む安全装備がもりだくさん。

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価格について色々といわれることがあるものの、ぼくとしては「それだけのことはあるんじゃないか」という印象。

基本的には「400万円くらいのクルマに、後輪操舵やシートヒーター/ベンチレーション、デジタルミラー、そのほか様々な安全装備を盛り込んで600万円にした」という、トヨタにとって利益率の高いクルマであることは間違いないと認識しているものの、おそらくリセールは悪くなく、そしてその快適性や安全性など「ユーザーが乗るたびに受ける恩恵」も小さくはなく、そしてこのクルマをこの価格帯で他メーカーが提供できる可能性も考えられず、よって総合的に見ると「高いコストパフォーマンスを持ち、安全で高級な乗り心地を備え、買ってから売るときまでの維持費や損失金額」を考慮すると”買い”なんじゃないかと思います。

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さらに付け加えておくならば、レギュラーガソリン仕様、そこそこの燃費性能(実質的にはリッター17キロくらいか)、災害時に役立つ給電機能などを併せ持ち、意外とここまで「揃った」選択肢は他に無いかもしれません。※ただ、ぼくにとっての懸念材料は「トヨタ」「クラウン」というポジティブではないイメージである

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