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ポルシェ・タイカンターボに試乗!クルマは「ガソリンエンジンの呪縛」から解き放たれるとこんなに自由になれる!

ポルシェ・タイカン・ターボに試乗

| まだ年始めなのに「今年のベスト」と言ってもいい |

さて、期待の新型車、ポルシェ・タイカンに試乗。

現在日本にて発売されているタイカンは「タイカン4S」「タイカン・ターボ」「タイカン・ターボS」「タイカン」の4種類で、「タイカン」以外はモーターを前後に2つ搭載する4WD。

ベースモデル「タイカン」は後輪のみにモーターを搭載するRWDとなっています。

なお、タイカン各モデルのスペックや価格は下記の通り。

モデル0-100km/h加速出力最高速度価格
タイカン5.4秒326PS
(オーバーブースト時380PS)
※パフォーマンスバッテリーPlus装着時は408PS/476PS
230km/h11,710,000円
タイカン4S4.0秒435HP
(オーバーブースト時530HP)
※パフォーマンスバッテリーPlus装着時は360PS/490PS
250km/h14,481,000 円
タイカン・ターボ3.2秒625HP
(オーバーブースト時680HP)
260km/h20,231,000 円
タイカン・ターボS2.8秒625HP
(オーバーブースト時761HP)
260km/h24,541,000 円

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ポルシェ・タイカン・ターボの外観はこんな感じ

こちらはPORSCHE NOW TOKYOにて見てきたタイカン・ターボ。

ボディカラーがホワイトなのでクリーンかつ未来的な印象ですね。

ボデイサイズは全長4963ミリ、全幅1966ミリ、全高1394ミリ、ホイールベースは2900ミリ、車体重量は空車時で2050kg。

参考までにパナメーラ・ターボSのボディサイズは全長5049ミリ、全幅1937ミリ、全高1427ミリ、ホイールベースは2950ミリ、空車時の重量は2080kg。

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つまり両者はかなり近いボディサイズを持っているということになり、奇しくも重量も「ほぼ同じ(さすがポルシェだけあって、EVであっても軽く仕上げてきた)。

ただしタイカンのほうが短く広く低く、そして肉眼で見た印象だとフロントフェンダーやリアフェンダーの盛り上がりが大きく、かつキャビンがコンパクトに見え、そのために「より911に近い」という印象も。

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外観上の特徴だとやはりこのヘッドライト、そしてそこから繋がる縦型のスリット状ダクト。

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LEDライトバーもタイカン、そして近年のポルシェのデザイン的特徴のひとつですね。

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この「ミッションE ホイール」の白い部分はカバーではなくペイント。

ブレーキキャリパーはホワイトなのでブレーキダストの出ない「PSCB」ですね。

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試乗車のサイドには「Taycan Soul Electrified」のステッカー。

この車両にはオプションのスポーツデザインパッケージが装着されており、サイドステップの一部等にはボディカラー同色のアクセントが付与されています。

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参考までに、ポルシェNOW 東京にてタイカン・ターボを見てきたときの動画はこちら。

ポルシェ・タイカン・ターボのインテリアはこんな感じ

そしてこちらはタイカン・ターボのインテリア。

やはり目を引くのは正面の大型カーブディスプレイです。

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そしてセンターには大型タッチ式インフォテイメントディスプレイ。

助手席にもディスプレイを(オプションで)装着でき、そうなると「ダッシュボードのほぼ全部」がディスプレイに。

車両設定や各部の操作の大半はこのディスプレイにて行なうことになり、そのために物理スイッチの数がかなり減らされているようですね。

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ポルシェらしからぬ「アンビエントランプ」。

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こんなところも光ります。

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一方、ステアリングホイールやウインカー/ワイパーレバーはほかのポルシェと変わりはなく、よってほかのポルシェから乗り換えたとしても違和感なく馴染めるかと思います。

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ポルシェ・タイカンに乗ってみよう

そして早速タイカンに乗り込みますが、システムの起動はステアリングコラムの右にあるスイッチをプッシュ。

つまりもう「何も回さない」ということですね。

そして走行レンジのセレクター(ガソリン車で言うシフトレバー)はステアリングコラム左にあり、これを「D」に入れることで走行が可能となります。

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アクセルペダルを踏んでちょっとだけ走ってみてわかるのは「完全に新しい世代の乗り物」。

ガソリンエンジンという呪縛から解き放たれるとクルマというものはこんなに自由になるということがほんの数十メートル走っただけで、そしてちょっとアクセルを踏んでステアリングホイールを切っただけでわかるというのは衝撃としかいいようがなく、「ポルシェはスゴいモノを作ったな・・・」とイキナリ驚かされることに。

なお、加速は当然ながらシームレスそしてクリーンで、まさに「スターウォーズのハイパードライブ」的感覚でもあり、一部地域においてスター・ウォーズとのコラボレーションによるプロモーションがなされていたのにも納得です。

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その「サウンド」はなかなかに魅力的

そしてタイカンはEVなので「近接接近音」つまり疑似サウンドを持っていますが、これは車内、車外ともにスピーカーから発せられるもの。

イメージとしてはV8エンジンのドロドロという音にリニアモーターカーの「ヒューン」という音をミックスしたようなサウンドですが、これが非常に未来的かつ宇宙船的な印象を与えてくれることになり、ガソリンエンジンの奏でるエキゾーストサウンドに代わる新たな楽しみをもたらせてくれます。

これは停車からの発進、走行中でも加速を行うと(回生ブレーキ作動時にも)力強く響くことになり、相当に気分が盛り上がることになる要素でもありますね。

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なお、回生ブレーキについては効きを調整でき、効きを強くすると「ガソリン車で加速中にアクセルを抜いたときのように」ガツンと効くことになりますが、そうでなければアクセルを抜いてもコースティングするかのように滑ることになり、これはガソリン車からの乗り換えでも違和感のないところかも。

参考までに、20分程度の試乗ではほぼバッテリーは減っておらず、これは優秀な回生ブレーキがリチャージを行っていたためだと思われ、ル・マン24時間レースにて919ハイブリッドを走らせた経験が生きているのかもしれません。

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ハンドリングやブレーキング含む挙動については「極端に安定していて」姿勢の変化が小さく、ドライビングシュミレーターに乗っているような印象(速度感が希薄なところもその印象を助長する)。

ガソリンエンジン車のようにエンジンの回転数をパワーバンド内に閉じ込め、ブレーキによって荷重を移動させ、そしてステアリングホイールを切ってトルクをかけ、駆動力で曲げるという作業は必要なく、「アクセルを踏んで、ステアリングホイールを切れば」その分だけちゃんと曲がることに。

これは賛否両論あるかと思うものの、「ピュアエレクトリックカーにしかできない」芸当でもあり、未来のスポーツカーのあり方だと考えた場合、ぼくは「肯定派」です。

加えてタイカンの場合、ステアリングホイールから伝わるロードインフォーメーション、操作に対する反応ともに申し分なく、さらにはボディ剛性やサスペンション剛性についても「紛れもないポルシェ」。

おそらく将来911がピュアエレクトリック化されるとそのフィーリングは「このタイカンのようになるだろう」と感じさせるもので、タイカンはポルシェの未来を示すとともに、過去との決別を促進させるクルマなのだと思います。

なお、ポルシェはタイカンを「ガソリン車の代替」として作ったのではなく、「全く新しい乗り物として」設計したのでしょうね。

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すべてのEV=静かというわけではない

そのほかの印象としては「やはり静か」。

「電気自動車なんだから当たり前でしょ」という声もありそうですが、クルマが走行し、車内に伝わるノイズは「エンジン」「排気音」のほかロードノイズや車体の振動等多岐にわたります。

よって電気自動車=静かというわけではなく、そして多くの電気自動車では航続可能距離を稼ぐために防音や制振にかかわる部分を多く削っており、そのために「停車時はエンジンがないので静かだが、走行しだすとロードノイズを拾ってけっこううるさい」ということも。

加えてクルマに使用される素材では最も重い部類の「ガラス」を薄くしているEVも多く、よって周囲のクルマが発する音を車内に伝えてしまい、結局のところ、走行すると「(車内が)うるさいクルマ」になってしまう例もあるわけですね。

ちなみにぼくは以前に乗っていたランボルギーニ・ウラカン、そしてBMW i3の「時速60キロ走行時」における車内の騒音を計測したことがありますが、騒音計(サウンドレベルメーター)によるとランボルギーニ・ウラカンが69.2デシベル、BMW i3が62.5デシベルで、体感上はそう大きな違いはない、という印象です。

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ただ、タイカンの場合はそういった「防音や制振に関する部分」には多くのコストがかけられて配慮がなされているという印象で、パナメーラにも劣らぬ静粛性と快適さを持つようです。

大きく重いバッテリーを持つ割にはパナメーラと同等の重量に収まっており、よって快適性が多少なりとも犠牲になっているのではと考えていたものの、フロント265、リア305という太いタイヤを装着している割には(車内に届く)ロードノイズが小さく、ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス(NVH)はかなり低いレベルに抑えられているようですね。

上述の通り、ポルシェ911に未来を彷彿とさせる運動性能を持ち、パナメーラの快適性と静粛性を持つ「おそるべきEV」、それがタイカンだと考えて良いかと思います。

ポルシェ・タイカンの試乗動画はこちら

ポルシェ・タイカンの充電ネットワークは?

気になるのが航続可能距離などEVならではの諸条件ですが、まだ発売されたばかりで納車も進んでおらず、わからないことも多いものの、「電気代」について、パナメーラの「ガソリン代」と比較すると半分くらいというイメージなのだそう。

充電については、ポルシェセンターに設置されている充電器(ポルシェターボチャージャー)が24時間開放されており(ポルシェセンターによって差異はあると思う)、これを利用するとバッテリー容量の80%までを24分で充電可能。

大阪だとあべのハルカス、LINKS UMEDAに設置されているようですね。

そのほかホテルや温泉、ゴルフコース等に「ポルシェ ディスティネーション チャージングステーション(普通充電器)」が設置され、そのほかNCSネットワークにも対応します(CHAdeMO対応)。

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充電には専用のアプリが必要

なお、ポルシェ チャージング サービスを利用するには専用のアプリが必要で、充電はもちろん有料。

料金プランは2種類あり、ひとつは「月額会員プラン」で、これは毎月1,800円を支払えば普通充電器(8kW)を無料にて、急速充電器(90kW)を分あたり45円で利用できるというもの(登録料金2,000円)。

そしてもう一つの「都度会員プラン」だと普通充電器(8kW)は無料、急速充電器(90kW)は分あたり120円という設定です。

ただし2021年央以降は料金プランが改定され、いずれも普通充電器(16kW)の利用が分あたり12円に、急速充電器(150kW)だと前者が分あたり75円、降車では分あたり200円へと変更される、とのこと。

もちろん家庭での充電も可能ですが、「カラの状態から満充電までは、200Vだと24時間位かかる」とのこと(画像の充電器を200Vコンセントに差し込んで充電を行う)。

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