| 生まれてはじめてオーダースーツなるものを作ってみた |
さて、今回はぼくにとって「人生初」のオーダースーツを作ったので、ここでちょっと触れてみたいと思います。
生地はゼニア、そして作ってもらったのはゼニアの正規取扱店。
それなりの価格はするものの、結論から言うと「作ってよかった」「なんでもっと早く作らなかったんだろう」と思える満足度の高いものとなっています。
ちなみにぼくはスーツを着る機会はほとんどなく、年に最低で1回、多くても3回くらい。
今までは「そんなに少ない機会のためにお金をかけてらんない」と思っていたのですが、最近では「そういった機会だからこそ、いいものを着なくては」という考え方にシフトしていることからの「オーダー」です。
ゼニアは機能性を重視
今回迷ったのはロロピアーナの生地にするか、ゼニアの生地にするか。
両方とも既製品としてのスーツを購入したことはあるものの、オーダースーツの生地として選ぶのは「初」であり、ショップで聞くところでは「ゼニアは機能性や先進性を重視し、ロロピアーナは風合いや着心地を重視した生地を作る傾向にある」とのこと。
たとえばゼニアは「軽量」だったり「シワがつきにくく、シワがついても落ちやすい」といった生地を多く揃えているようで、つまりは「ビジネス」向きと言えるかも知れません(ゼニアはマセラティの内装、つまりシート素材なども手掛けている)。
今回作るスーツはパーティ用というより「ビジネスにも使える」、そしてドレスコードとしてはビジネスアタイアに相当するものを考えているので、比較的シンプルかつシック、そしてダークな色合いを希望。
よってダークグレーにブルーのラインが入ったものを選択していますが、この決定に至るまでには相当数の既製品を試着させてもらうことに。
スーツに限らずですが、自分が好きな色・素材や、自分が「似合う」と思ったものが必ずしも実際に似合うとは限らず、よって購入する際には、納得できるまで試着を繰り返させてもらうのがいいだろう、とも考えています。
オーダーにて作ったスーツの仕様はこうなっている
まず大きなところから見てみると「シングル2つボタン」。
ラペルは「細め「太め」「ピークドラペル」等様々なデザインが選べる中、「太めのノッチドラペル」を選択(もちろんこれも試着して決めた)。
肩幅はパッド薄め、ラペルも軽量仕様。
これは旅行時の携帯性を考慮した選択であり、生地自体も「トラベラー」という軽量かつ復元性の高いシリーズをチョイスしています。
ボディは体にフィットするレベルの「スリム」なデザイン、そして袖も細身、バックはサイドベント(ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンド風)。
ボタン素材はバッファローやシェルではなく「ナッツ」。
ボタンホールのカラーも選択できますが、今回は「遊び」よりもビジネスに近いイメージなので、ボタンホールは生地同色を選び、しかしボタンには「2層カラー」をチョイスしてちょっとだけ違いをアピールしています。
なお袖先は本切羽(ボタンを重ねるか重ねないかも選べる)。
裏地は「総裏」で、もちろん裏地や袖裏も相当な範囲から選ぶことが可能。
ピンクを選んだのですが、生地のグレーとブルーが透けて「薄紫色」に見えますね。
パンツはノータックのスリムで、さらに裾は細めに絞り、丈はちょっと長め(海外だと、日本の”丈短め”スーツが滑稽に捉えられると聞いたので。海外で着ることも想定している)、そして3.5センチ幅のダブル。
もっと裾を絞って6センチくらいのダブルにしようとも考えたのですが、それはまた別の機会に(今回は普通っぽいものが必要だった)。
実際にこうやってオーダースーツを作ると、驚くほど細かく仕様を指定でき(オーダーだから当然か・・・)、色々と試着したり、仕様を詰めてゆく段階で「何が自分に似合うのか、そうでないのか」「自分が思っていたのと実際に似合う色や素材とのギャップ」も改めて知ることになり、なかなかに面白く、そして良い経験になったと思います。
なお、ここまでフィットするスーツを作ってしまうと、それに合わせるシャツも「フィットしたもの」でないとマッチせず、「次はオーダーシャツか・・・」という雰囲気に。
こうやって皆「オーダー地獄」にはまってしまうのかもしれません。