![オーデマピゲ・ロイヤルオーク・オフショア(腕時計)](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2021/01/audemars-piguet.jpg)
| 正直、ボクはポリッシュ加工を行いたくない |
さて、腕時計において大きな議論を呼ぶ話題が「ケースに傷が入ったらポリッシュをかけるかどうか」。
ポリッシュをかけるとオリジナルの加工が損なわれてしまい、クルマでいうと「元の塗装を剥がしてしまう」のと同じようなものと考えられ、これを嫌う人が多いということですね。
加えて、ゴールドケースの場合は「削った分だけ金の量が減るので」貴金属としての価値も減ることになり、その意味でもポリッシュをかけるのを嫌がるケースも(よって、トラブルを避けるため、ゴールドケースのポリッシュを嫌がるショップも多い)。
ただ、金無垢といえど、その腕時計の価格に占める実際の金の価値はけっこう低いとされているので、実際にはちょっとやそっと削っただけでは価値が減ることはないのかもしれません。
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オーデマピゲ・ロイヤルオーク・オフショアにポリッシュをかけてみた
そこで今回、CRMジュエラーが自身のYoutubeチャンネルにて、ゴールドケースとゴールドブレスを持つオーデマピゲ・ロイヤルオーク・オフショアにかけた様子を動画にて公開。
知っているようで意外と知らない「腕時計のポリッシュ」を見てみましょう。
![20](https://live.staticflickr.com/65535/50883209313_53c7ef4f2a_c.jpg)
こちらはポリッシュ前のオーデマピゲ・ロイヤルオーク・オフショア。
ゴールドケースは非常に傷つきやすく、普通に使っていてもこれくらいの傷がつくことになりますが、ブレスレットと併用したりするとさらにたくさんの傷がついたり凹んだり擦ることになりそうです。
なお、ボクはこういった傷を嫌い、ゴールドケースの腕時計を使用するのは「半袖着用時のみ(生地にもよるが、衣類の袖先に触れただけでゴールドケースには傷が入る)」。
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拡大するとけっこうな傷があることがわかりますね。
![18](https://live.staticflickr.com/65535/50883930411_af2833e875_c.jpg)
ケースサイドにもけっこうな傷。
![17](https://live.staticflickr.com/65535/50884036382_1d9b4314c0_c.jpg)
そこでポリッシュをかけるべく、分解できるところまで分解します。
![16](https://live.staticflickr.com/65535/50883209398_fa2053d9a2_c.jpg)
裏蓋も外してムーブメントも取り出し。
![15](https://live.staticflickr.com/65535/50883209448_2bf18d0413_c.jpg)
こちらがすべて分解した状態です。
腕時計のポリッシュ加工はこうやって行う
そしてここからがポリッシュ加工(新品仕上げ)。
まずはケースにサンドブラスト加工を施します。
![14](https://live.staticflickr.com/65535/50883930496_b21ef8c565_c.jpg)
サンドブラスト加工とは、文字通り砂状の粒を対象物に当てて表面を均す加工で、塗装を剥離する場合にも使用したりしますね。
今回は深い傷や凹みを取るためサンドブラスト加工で表面を削ることになりますが、これだけでかなり「金が目減り」しそうです。
![13](https://live.staticflickr.com/65535/50883209498_64ecd0dd95_c.jpg)
そのあとはグラインダーとサンドペーパーを使用し、ブラシ加工を施します。
![7](https://live.staticflickr.com/65535/50883930716_63f215a032_c.jpg)
そしてエッジ部にはポリッシュ加工。
![11](https://live.staticflickr.com/65535/50884036582_073db81ef8_c.jpg)
こちらはケースバックですが、やはりエッジにはポリッシュ加工。
![12](https://live.staticflickr.com/65535/50883209578_08b5cbefdc_c.jpg)
何やらマシンにセットして・・・
![10](https://live.staticflickr.com/65535/50883930596_cac461146f_c.jpg)
回転させたところにヤスリを当ててブラシ仕上げを行います。
![9](https://live.staticflickr.com/65535/50883930621_0aa8b5e936_c.jpg)
こちらが加工後。
熟練の技によって刻印等が残されていますが、やはり「浅く」なっているのは否めないかもしれません。
![8](https://live.staticflickr.com/65535/50883930666_cb5a4174bd_c.jpg)
そして次はベルトにブラシ加工。
![56](https://live.staticflickr.com/65535/50883930266_b3471f1c49_c.jpg)
養生テープを貼って保護した後、エッジ部分にポリッシュをかけます。
![5](https://live.staticflickr.com/65535/50883930261_ba7fd39f22_c.jpg)
これでポリッシュ作業は終了ですが、仕上げに洗浄を行い・・・。
![4](https://live.staticflickr.com/65535/50883930276_695344f1fc_c.jpg)
あとは組み上げて完了。
![2](https://live.staticflickr.com/65535/50884036267_90081736fd_c.jpg)
動画では様々な角度から仕上がりを確認できますが、やはりポリッシュをかけたぶん、表面が丸くなってしまい、オーデマピゲ特有のピンとした面の張りとエッジが失われてしまったように思います。
![1](https://live.staticflickr.com/65535/50884036287_622d771b36_c.jpg)
やはりオーデマピゲというと正確無比な仕上げが特徴ではありますが、ポリッシュをかけるとそこに曖昧さが生じるように思われ、そういった意味でもポリッシュをかけるかどうかは迷うところでもありますね。
同様の理由で、ロレックスのスポーツモデルにおいてケース側面が「平面」となっているサブマリーナー、GMTマスターII、エクスプローラーにポリッシュをかけるのは要注意かもしれません(デイトナのケース側面はカーブしているので、まだポリッシュによる影響が出にくい)。
![3K4A2487](https://live.staticflickr.com/65535/50332380002_03d71a9e69_c.jpg)
オーデマピゲ・ロイヤルオーク・オフショアにポリッシュをかける動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=uKwjMuPUGBs合わせて読みたい、関連投稿
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参照:CRM Jewelers