今や普通となった「真っ黒」の腕時計を最初に作ったのはポルシェだった！当初は従業員表彰用として「911のメーター同様のデザインとして誕生し、その後一般向けに市販されることに

｜　そう考えるとポルシェデザインの腕時計は他ブランドのそれとは生い立ちが全く異なる　｜

ポルシェ911乗りであれば一本は押さえておきたい腕時計

さて、今でこそ「オールブラックの腕時計」というのは珍しくないものの、実はこの真っ黒な腕時計を最初に作ったのはポルシェであるという事実はあまり知られていない話です。

ここでその経緯を振り返ってみると、まずはこの腕時計をデザインした「ポルシェデザイン」の起源というところから始めねばなりませんが、このポルシェデザインはポルシェ創業者の息子にして911を設計したフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェによって設立されています。

ポルシェ一族はポルシェを追われる形で散り散りに

そしてなぜポルシェ911をデザインしたという輝かしい実績を持つフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェが別途自身の会社を興したのかといえば、それは「ポルシェという会社が大きくなって公的な性格をが強くなってゆくにあたり、ポルシェ一族が会社を支配するのはよくないという社内の風潮によって、ポルシェを出てゆかざるをえなかったから」。

そこでフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェは、弟であるハンス・ペーター・ポルシェとともにポルシェデザインを別途設立したわけですが、完全にポルシェと縁が切れたわけではなく、というのもポルシェデザインへの最初の依頼が「ポルシェによるもの」だったから。

その依頼の内容とは「ポルシェの永年勤続者に贈る腕時計をデザインしてほしい」というもので、この依頼を受けてフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェは「ポルシェ911のような」機能的な腕時計をデザインすることになったとされています。

ポルシェ・デザイン製の腕時計はポルシェ911と同じ観点でデザインされる

そしてフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェは、ポルシェ911を設計した時と同じ思想にて腕時計のデザインに着手しますが、もっとも重要視したのはその「視認性」。

ポルシェ911のメーターも視認性を重視した仕様ではあるものの、それと同じ「マットブラックの中にホワイトのスケール、レッドの指針」を再現したのがかの有名な「クロノグラフ1」。※このカラーリングを選択したのは、光の当たり具合によって読み取り精度に差異が生じないよう、1日中どの時間帯でも性格に時を知ることができるように配慮したためだという

これは当初贈答用であり非売品であったものの、たちまち多くの人が知るところとなって、市販化要望の声を受けて一般向けにも発売されることになり、その後は多くのレーシングカードライバーも愛用する「アイコン」となったわけですね。

そしてポルシェは2022年にこの「クロノグラフ1」を復刻し発売していますが、こういった経緯を見ても、ポルシェデザインの腕時計はフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンなど他ブランドの発売している「コラボレーション腕時計」とは性質が異なるということがわかるかと思います。

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参照：Uhrsachen x Bijouterie Maegli