| これまでにも様々なロレックス・デイトナが登場したが、ここまで大きな視覚的変化が与えられた個体は存在しない |
一本の腕時計の中に視覚、そして時代という対比がなされることに
さて、ロレックスやパテックフィリップの腕時計をカスタムすることで知られるスイスのウォッチビルダー、アルチザン・ドゥ・ジュネーブ。
これまでにもミカ・ハッキネン、ファン・パブロ・モントーヤ、ジョン・マッケンロー、スパイク・リー、レニー・クラヴィッツなど各方面の著名人とのコラボレーションモデルを展開してきましたが、今回はマルーン5のフロントマン、アダム・レヴィーンによってオーダーされたカスタムウォッチが公開されています。
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これまでのロレックスのカスタムには見られない「全面発光」仕様
このプロジェクトはネオン(NEON)と題されており、ベースとなるのはRef.116508。
アダム・レヴィーンは刻々と変化する環境、自身の歩んできた道、音楽、そして人生を反映した”真にパーソナルな腕時計”を作りたいと考えて今回のオーダーに至ったと述べており、このプロジェクトはアダム・レヴィーンとアルチザン・ドゥ・ジュネーブの熟練職人との間で様々なアイデアが検討され、時間をかけて細心の注意を払いつつ、まずは「紙の上」から始まったのだそう。
アルチザン・ドゥ・ジュネーブは自社のカスタムウォッチについて「何よりもまず人間と時計の出会い」を重視しているといい、アルチザン・ドゥ・ジュネーブいわく「自分たちは腕時計を再考し、私たち自身のイメージを反映させる権限を与えられるメゾンであり、クライアントの願望とニーズを唯一の言語とする職人が集まる工房なのです」と述べ、その創業の場であるジュネーブについては「時計製造のすべてのノウハウがこの単一の場所に集約され、この環境では、先人の功績に敬意を表し、手作業で修正が行われることになります」とも。
そして今回、(クラシックカーのコレクターとしても知られる)アダム・レヴィーンが語ったのは以下の通り。
時計は所有者のあらゆる功績を体現したものです。 それは非常に個人的なオブジェクトです。 私はクラシックな腕時計が好きですが、自分の腕時計もユニークなものにしたいと思っています。私にとって、自分に似たもの、他の腕時計とは一線を画すユニークな腕時計を持つことが非常に重要でした。 そこでロレックス・デイトナ116508 にもう少し何かを加えたいと思ったのです。 アルチザン・ドゥ・ジュネーブで時計をカスタマイズすることは、想像していたとおりに進み、 何度もやりとりを重ね、細部に至るまで美観を磨き上げました。 私のアイデアのひとつひとつを実現することに献身的に取り組んでいる職人たちとのコミュニケーションは、今でも忘れられない思い出です。
かくしてロレックス・デイトナ「ネオン」が誕生する
かくしてアダム・レヴィーンとアルチザン・ドゥ・ジュネーブとの間でロレックス・デイトナ「ネオン」が誕生することになりますが、そのコンセプトは「透明性と光の間の遊び。
サファイアクリスタル製のダイヤルの縁からは、手彫りのスケルトン ムーブメントと面取りを見ることが可能です。
アルチザン・ドゥ・ジュネーブいわく「時計のムーブメントやメカニズムを垣間見ることは滅多にない栄誉」であるといい、時計の内部構造を深く掘り下げることによって”熟練した時計職人の奥深い職人技が明らかになる”。
ロレックス・デイトナ116508はダイヤル、そしてケースバックともにスケルトン仕上げではなく、つまりもともと「ムーブメントを見せる」腕時計ではありませんが、今回の「表裏スケルトン化」に際して職人による手作業をもって丁寧に「再解釈」がなされ、すべてのブリッジは手作業で切断され、サンドブラスト、面取り、研磨が行われ、その後に無煙炭仕上げが施されることに。
ホイールはバフを使用してサテン仕上げがなされ、ローズゴールドのガルバニック処理が施されているほか、 テンプブリッジはステンレススチールブロックから削り出されたうえで全体に面取りと研磨が施され、完璧な仕上げが施されています。
ダイヤルのみではなくムーブメントすらスケルトン化されることにより、腕時計のあらゆる部分に光が浸透し、ディテールを強調するのが「発光素材」。
この発光素材はジュネーブ拠点のビルライト(Billight)によって開発されたものだといい、文字盤表面やインデックス、針、そしてベゼルにも塗布されることに。
ベゼルはこんな感じで光り・・・。
文字盤だとこう。
このロレックス・デイトナ”ネオン”には「発光色」「素材」といった視覚的なコントラストに加え・・・。
「現代」「過去」といった時代のコントラストも反映されており、強力な光を発する発光素材やサファイアクリスタル、スケルトン加工という現代の素材や技術、そして削り取られたリューズガードやレトロなプッシャー、ベークライト仕様のベゼルが同居するという側面も。
こちらが光の下、つまり発光していない状態。
そしてこちらは発光状態。
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参照 / Photo:Artisans De Genève / Artisans De Genève(Facebook)