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中国が米国産BMW、ベンツの輸入差し止め。貿易戦争や中国の戦略を解説してみよう

投稿日:2018/08/18 更新日:

| 中国は販売量が大きなだけに「やっかい」だ |

現在アメリカと中国とは貿易戦争真っ只中ですが、両国の間にさらなる問題が発生。
BMWそしてメルセデス・ベンツがロイターに対して語ったところでは、アメリカで生産されたBMW X4やメルセデス・ベンツGLC/GLEといったSUVが中国の税関で検査を受けることになり、「中国内へと輸入できない」状態にある、とのこと。

「関税」とはもともと自国産業を守るためのもので、今回の場合だと、アメリカには「フォード」「GM」等の自動車産業があり、そしてこれはアメリカの基幹産業のひとつ、と言えます。

そこに安い外国産の車が入ってくるとアメリカ国内でフォードなどのアメリカ車が売れなくなり、本来アメリカ国内で生じていたはずの利益が失われたり、結果的に失業者が増えたりして国内の景気が悪化するわけですね。

こういった事態を防ぐために設けられるのが「関税」で、これによって輸入品の価格を吊り上げ、それによって自国の製品を国内で流通しやすくするもの(日本だと自民党にとっての多くの票を持つ農業関係従事者を保護するため、多くの農産物に関税がかけられる)。

各自動車メーカーは中国とアメリカとのケンカのとばっちりを

しかしながら関税をかけると当然外国からの「不当だ」という圧力もあって、外国からすると関税を下げる、もしくは撤廃してうちの国の製品を買え、となるわけですね。
なので現在はそういった国と国との圧力のかけあい(や国際的な非難)を防ぐため、世界的に「関税撤廃の方向」に向けて動いていたわけですが、トランプ大統領が突如として「アメリカ国内へ輸入する製品に対して高額な関税をかけ、自国産業を保護」する政策を展開。

となると諸外国も「じゃあこっちも撤廃していた(もしくは引き下げていた)関税を復活させるわ」ということになり、双方で報復が続いているのが現在の状態です。

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特に中国は関税が非常に高く、これが常々諸外国からの批判にさらされていたために「引き下げ」の方向に動いていたものの、今回の貿易戦争にてこの流れに一旦ストップがかかることになり、しかし中国側としても関税をまた大きく引き上げる、というのもちょっと世論的に困難。

じゃあどうやってアメリカに報復するのか?というのが今回の「輸入差し止め」。
これはイチャモンをつけて中国の港に入ってきた製品を国内へと流通させないための措置で、中国としては一応「そっちが輸出したものを受け入れた」という大義名分が成立し、しかし「でも中国の基準に合わないから通関させない(国内には入れない)」という対抗ができ、しかし「適合しないところを修正したら通関させてもいい」という逃げ道も用意しているわけですね。



関税以外にも報復措置はある

こういった、関税以外に「その国の法規や基準」を盾にとって(というか暫定で設定することが大半)相手国の製品を国内に入れないことを「非関税障壁」といいます。

これは上記のように「一応受け入れる」という免罪符が存在するために国際的に大きく非難されることが少ない(非難するのが難しい)ので非常に有用な政策だとも言えますが、これが本当にその国の保護に役立つのかどうかは疑問なところも。

現代では「その製品の100%がその国で製造された」というものは少なく、自動車だと「アメリカ産」だとしても、日本や中国から輸入したパーツがたくさん使用されていて、アメリカがこれらパーツにまで関税をかけると、アメリカ国内で生産されてアメリカ国内で販売されるクルマの価格も高くなるわけですね。

そうなると結果的に「クルマが売れない→利益が出ない→解雇→景気悪化」となり、誰も得しないとうう状況に。

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なお、中国は一党独裁なので簡単に規制や法規を変えやすく(今のアメリカもトランプ大統領の独裁のようなものかもしれない)、今までにもこういった「自国産業保護」の特例措置を多々発動させています。

しかしながら、中国は「諸外国に対して」だけではなく、自国の評判を守ったり、他国からの環境汚染に対する圧力をかわすために自国産業を犠牲にすることがあり、「多数や大義名分のためには、少数(ではない場合も)の自国民すら犠牲にできる」という性質を持っていて、これが中国を成長させた原動力なのだと考えています。

誰もを満足させようと思うと半端な結果となりますが、一部を切り捨てると大きな成果が得られる場合があり、日本は前者、中国は後者なのかもしれません。

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自動車メーカーの中には「危険性」をはらんだものも

なお、自動車メーカーは過去にそういった「中国側の規制変化」によって大きな影響を受けた例もあり、最近だとトヨタやホンダが直面しているのが「中国内でのEV販売比率」。
中国はEV販売と生産で世界ナンバーワンになろうとしているわけですが、そのため一定以上の販売がある各自動車メーカーに対して「EVをこれだけの比率で販売するように」と強制することに。

そこでEVを持たなかったトヨタは急遽提携先の中国自動車メーカーからEVを仕入れ、バッジを「トヨタ」へと付け替えて販売することとなっています。

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とにかく中国の思惑一つで大きく計画が狂うのが現在の状況ですが、これを嫌って「中国依存度」を引き下げるメーカーも。

たとえばフェラーリやランボルギーニはその代表的な例で、安定して成長しており、かつ大きな変動がない市場を重視しています(日本もそこに含まれる)。

ロールスロイスも「販売が増えたり、突然半分になったり」する中国市場を敬遠する方針を見せていますが、フェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイスも一時は「中国マンセー」。
しかし今では状況が変わってきており、それだけ中国は危険だという判断を行なっているわけですね。

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逆に「中国重視」なのがマクラーレン、ポルシェ、BMW、フォルクスワーゲン。
とくにポルシェは多くのメーカーが世界の市場を「どこで何かが起きても、他の市場で衝撃を分散吸収できるように」3つか4つに分けているのに対し、「中国」を単独の販売エリアとして認識して重視政策を進めており、「中国に何かあれば」中国と心中せねばならないような環境を自ら作り出すことに(それだけ中国では”売れる”。おかげで日本は蚊帳の外)。

なお、ランボルギーニの場合は「欧州(EMEA=ヨーロッパ、中東、アフリカ)、アジア・パシフィック、アメリカ」という分類で、中国はアジア・パシフィックに含まれます。
この考え方だと、たとえば欧州で英国のEU離脱のような衝撃があってもアメリカやアジアで吸収でき、原油価格が下がって中東の販売が下がっても他地域で、またアメリカでリーマンショックのような事件が発生してもアジアがあり、そして中国で何かがあってもアメリカや欧州があるじゃない、となります。

近年凄まじい存在感を発揮する中国ですが、そのリスクを取ってでも販売を伸ばそうとするメーカー、そのリスクを踏むくらいなら他の市場を大切にするメーカー、といった具合に大きく方向性が分かれているのもまた事実で、そのうちどこか「エライ目に」遭うメーカーも出てくるのかもしれません。

 

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