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フェラーリ「女性受けを狙ってスポーツカーをデザインすることは間違っている。スポーツカーを好む人々に女性も男性も関係ない」

2019/12/26

| 男性は「女性は、女性らしいデザインを好む」というステレオタイプな思い込みをする場合も |

フェラーリが「スポーツカーを女性のためにデザインするのは間違っている」とコメント。
これはフェラーリのマーケティングとセールスを統括するエンリコ・ガリエッラ氏がArabian Businessに語ったものです。

ただ、誤解を生まないように補足すると、けして「女性を軽んじる」わけではなく、むしろ逆で、「フェラーリを購入する女性は、フェラーリのDNAを理解し、パフォーマンスやアグレッシブなデザインを求めている」という意味であり、つまりは女性を尊重するからこそフェラーリはこれまでどおりのフェラーリであるべきだ、という意図のようです。

女性が「女性向け」の製品を好むとは限らない

なお、よくマーケティングのミスとしてありがちなのが「女性に売るために”カワイイ”デザインを取り入れること」。
これについては成功した例があまり無いようで、女性からすると”男性が考えた女性らしい製品”を提示されると「ナメられている」という印象を受けることもあるようです。
もしくは「あまりに」女性を意識した製品には手を出しづらいという意見も聞かれ、アサヒビールの「ファーストレディ」はまさにその典型であったと言われていますね。

そして軽自動車においてもそれは顕著で、女性を意識しすぎたデザインよりもやや無骨なデザインのほうが「実際に女性にウケる」ことがあり、スズキ・ジムニーやハスラーはそういった例の一つかもしれません。
なおダイハツは社内の女性にヒアリングを行ったところ「可愛すぎるのはちょっと・・・」という声が思ったよりも大きく、よって「ミラ トコット」についてはデザイン上の裏テーマが「カワイイ禁止」だったと言われるほど。

話をフェラーリに戻すと、エンリコ・ガリエッラ氏は「女性が女性らしいデザインのスポーツカーを好むと考えるのは、多くのメーカーが陥りやすい罠」だとも語り、「スポーツカーを好む人々は、たとえそれが男性だろうと女性だろうと、求めるものは同じであり、我々はそういった欲求を掻き立てるデザインを行うのみだ」。※まさにごもっともな意見であり、「さすがはフェラーリ」

さらに同氏が続けることには、「女性向けにデザインされたスポーツカーは、メインの購買層である男性の購買意欲を殺ぐ可能性がある」とも語っていて、「もし我々が女性向けに、扱いやすく、フェミニンなスポーツカーを作ったとして、いったいどこの男性が買うというのだ」とも。
これもまたごもっともな意見で、「女性向け」スポーツカーは、女性はもちろん男性も買わないということになりそうです(ただし、エンリコ・ガリエッラ氏は、この事情はスポーツカーに適合するものであって、一般的なクルマでは事情が異なるということについても触れている)。

実際のところフェラーリにおいては女性オーナー比率が増加しているとのことですが、これもフェラーリが「女性のためではなく、男性のためにだけでもなく、しかし”スポーツカーを愛するすべての人のために”」クルマを作っているからに他ならないのかもしれません(スポーツカーの前では、そもそも男性が、そして女性が、という考え方自体がナンセンスなのかも)。

フェラーリが選んだ四人の女性オーナー。その美しく格好良いライフスタイルを見てみよう

なお、ランボルギーニ・ウルスやレンジローバー・イヴォークは「女性オーナー比率」が高いと報じられているものの、これらは「女性向け」に作られたクルマではなく、ウルスに至っては「超エクストリーム」。

スポーツカー同様、SUVを好む女性も「カワイイSUV」に乗りたいわけではなく、SUVらしいSUVに乗りたいのだと思われ、こういった事象を鑑みても、やはりエンリコ・ガリエッラ氏の主張が「正解」なのだと思います。

ちなみにアストンマーティンDBXは「女性オーナー」を意識したデザインを行ったとされ、たしかにこれまでのアストンマーティンから受ける「筋肉質」なイメージがやや薄らいでいるようにも(ただし”いかにも”女性っぽいというわけでもない)。
このDBXがどう市場に受け入れられるのかにも注目したいと思います。

アストンマーティン「我々の調査によれば女性はSUVを好む。だからDBXは女性向けに美しく高級にデザインされている」

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