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徐々に価値を上げてきているブガッティEB110が競売に。実質的には「カウンタック」後継といえる車を見てみよう

2018/01/12

| この世代のブガッティはあらゆる意味で特殊 |

走行距離わずか4540キロのブガッティEB110がオークションに登場予定。
これは「ブガッティ」と名はつくものの、「ヴェイロン」「シロン」を発売した現体制以前のブガッティ(ロマーノ・アルティオーリ体制)からリリースされたもの。
発表は1991年で、製造されたのは1991-1995年。
その間の製造台数はわずか139台にとどまっています。

設計/デザインはランボルギーニ・カウンタックと同じメンバー

ブガッティEB110の新車価格は4300万円ほどで、最近のオークションだと6000万円→9000万円といった感じで徐々に相場は上昇中。
以前まではさほど人気がなかったように記憶しているものの、「ヴェイロン」「シロン」人気に引っ張られ、かつその希少さから近年では価格上昇の傾向に。※今回は「億」を超えるだろうという落札予想

エンジンは3500cc/V12にクワッドターボ、出力は552馬力で0-100キロ加速は3.6秒、最高速度は343キロ。
ボディ構造はカーボン製のモノコック、トランスミッションは6MT、駆動方式は4WDを採用。
なお出力を600馬力以上に向上させた「SS」グレードもあり、こちらは0-100キロ加速が3秒前後、と言われます。
名称の「EB110」はブガッティ創業者の「エットーレ・ブガッティ」のイニシャルで、「110」は創業者の生誕110年というところから。

このEB110の開発初期に関わったメンバーはパオロ・スタンツァーニ氏(エンジニアリング)とマルチェロ・ガンディーニ氏(デザイン)。
ここで「あれ?」と思う人もいるかもしれませんが、何を隠そうこの二人はかの「ランボルギーニ・カウンタック」の開発に携わった人たち。
パオロ・スタンツァーニ氏はカウンタックの車体の設計、マルチェロ・ガンディーニ氏は車体デザインを担当しており、この二人によって「カウンタック」という不朽の名作が生み出されたわけですね。

ただし世代としてはこのブガッティEB110のほうがずっとあとの設計であり、両者は「カウンタックで実現できなかったこと」「カウンタックでやり残したこと」をEB110において実現。
たとえばパオロ・スタンツァーニ氏の場合は4WD(カウンタックは4WDも想定した設計であったが実現しなかった)、モノコックフレーム、エンジンとトランスミッションとの並行配置。
マルチェロ・ガンディーニ氏だと「空力の改善」。

その意味では「ブランド」こそ異なれど、このブガッティEB110は「カウンタックの後継」とも言える性格を持っており、後年になって「ブガッティ」「ランボルギーニ」がともにフォルクスワーゲン・アウディグループによって買収され、同じ傘のもとに収まるようになったのは「運命のようなもの」を感じさせますね。



なお、このサイドウインドウの開き方はカウンタック同様。

ガルウイングドア(シザースドア)もランボルギーニ・カウンタックと同じですね。

最終的には当時のブガッティ経営者とソリがあわず、パオロ・スタンツァーニ氏とマルチェロ・ガンディーニ氏はともに開発途中で手を引くことに。
それを引き継いだメンバーは後にオラチオ・パガーニ氏のもとで「パガーニ」の制作に携わることになりますが、いろいろな意味でこの「ブガッティEB110」は特別な、そして過去と現代のスーパーカーとをつなぐ貴重な存在でもあると言えます。

こちらは車載工具(はじめて見た)。

かなり整然と収まるバッテリーや補機類(現代の車でもここまでキッチリ入っているのは珍しい)。

ヘッドユニットはナカミチ製。
ぼくはずいぶん長い間ナカミチを愛用してきましたが、この時代のナカミチは良い製品を送り出していましたね。

かなりシンプルなキー。

VIA:RM Sotheby's

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