| AMGプロジェクト・ワンが自走する姿がはじめて記録される |
メルセデスAMGプロジェクト・ワンが公道を走行する様子を収めた動画が公開に。
これはフロリダで開催されたアメリア・アイランド・コンクール・デレガンスへと展示されるために移動する様子を収めたもの(まさに走行というよりは”移動しているだけ”)。
動画ではパーキングからイベント会場へと自走する姿を見ることもでき、しかし思ったように走行できないのか停車を繰り返したり、スタッフに押してもらう場面も。
まだまだ開発途中につき不安定?
もちろんこのクルマはプロトタイプでありドライブトレーンも本調子ではなかったのだと思われますが、多くの人が見守る中で「いいところを見せることが出来なかった」ようですね。
メルセデスAMGはこのプロジェクト・ワンは「ニュルブルクリンク最速のクルマになる」と自信満々の発言を行ったばかりではあるものの、現状だと「走行もままならない」のが現実。
おそらくは「見切り発車」に近い状態で発表してしまったことも一つの原因かと思われますが(エレクトリック系ではよくある)、「F1のパワートレーン」を使用していることもひとつの理由かもしれません。
というのもF1のパワートレーンは当然ながら「レースに勝つため」だけに作られるもので、日常性は考慮されていないため。
よってAMGプロジェクト・ワンでも「アイドリングが4000回転」「5万キロでエンジンのオーバーホールが必要」という市販車(スーパーカーを含めても)からは想像もできないような特性を持っています。
なおフェラーリは昔からレースに使用した車両を顧客に販売しており、それはF1マシンも例外ではなく、コレクション用や、リッチな顧客が自分でサーキットを走ることを目的として購入されることも。
しかしながらフェラーリは「もはや最近のF1マシンは個人ではスタートさせることもままならない」として2014年以降のF1マシンについて販売を停止しています。
フェラーリが個人向けとして2014年以降のF1マシン販売を中止。なお2013年モデルまでは購入可能
つまりメルセデスAMGプロジェクト・ワンはそういったエキセントリックなF1マシンの駆動系を使用しているということで、相当にナーバスなクルマであることは間違いなさそう。
なお、「フォードGT」もイベントにおいてプロトタイプのエンジンがかからなくなった、ということがあり、ハイパーカーは色々と気難しい面がありそうですね。
もちろんこれらは各メーカーとも前に進むために「これまでに前例がない」ことに挑戦しているために起こりる現象で、これは「恥じるべきではない」ことだと思います(安全パイを狙って既存技術に頼るよりはよほどいい)。
もちろん市販時には「完全な性能と信頼性を備えた」クルマとなり、アストンマーティン・ヴァルキリーには及ばないかもしれませんが、現在のニュルブルクリンク最速タイムを書き換えるであろうことは間違いなく、「今の状態」から「ニュル最速」へと持ってゆくメルセデスAMGのエンジニアたちの努力には凄まじいものがありそうですね。
それでは動画を見てみよう
こちらがガレージから会場までメルセデスAMGプロジェクト・ワンが移動する動画、「MERCEDES PROJECT ONE ON PUBLIC ROADS (HAD TO BE PUSHED)」。
別のユーチューバーが収めた「MERCEDES AMG PROJECT ONE DRIVING IN AMERICA!」も。
風が強く、マイクが風の音を拾ってしまいエンジンサウンドがよく聞こえないのが残念。