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【試乗:ボルボXC40】大人気につき納車10ヶ月も納得!”全く新しいジドウシャ”に乗る

2018/12/26

日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞はダテじゃない

さて、2年連続で日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したボルボの放つニューカマー、「XC40」に試乗。
XC40は昨年のXC60に続いて第39回日本カー・オブ・ザ・イヤー(2018-2019)を受賞していますが、発売前からその注目度は高く、春の発売以降も高い人気が継続し、今注文しても納車まで10ヶ月ほど待つことになるという人気車種。※ボルボXC40の製品紹介ページはこちら

ボルボXC40のラインアップはこうなっている

ボルボXC40のラインナップは現在のところ(初回限定モデルを除いて)7つ。
グレードは「T4」と「T5」があり(現在のボルボは「T+数字」でグレードを表し、数字が大きいほうが上)、両方共2リッター4気筒ターボながら「T4」は192馬力、「T5」は252馬力、という差があります。

そしてT4のみにFFが設定され、T5はAWD=4輪駆動のみ。
「モメンタム」はちょっとオシャレな仕様で、「R-Design」はスポーティなグレード、「インスクリプション」は本革内装など豪華装備が奢られるラグジュアリーモデル、と捉えるとよいかと思います。

ただし、これらグレードについては「上下」を表すというよりは「好み」の問題。
「モメンタム」や「インスクリプション」でしか選べないボディカラーや内装色、仕様もあり、「高いモデルのほうがいい」というわけではないようです(それぞれのグレードには積極的に選択する理由が与えられている)。

  • XC40T4・・・3,890,000円
  • XC T4 Momentum・・・4,390,000円
  • XC T4 AWD Momentum・・・4,590,000円
  • XC T4 AWD R-Design・・・4,890,000円
  • XC T4 AWD Inscription・・・4,990,000円
  • XC40 T5 AWD R-Design・・・5,390,000円
  • XC40 T5 AWD Inscription・・・5,490,000円

試乗したのはXC 40 T5 R-Design

ボルボXC40 T5 R-Designのエクステリアはこんな印象

今回試乗したグレードはスポーティーモデルのXC40 T5 R-Design。
外観だとグロッシーブラックのトリムやブラックルーフ、19インチホイールが装着され、内装だと専用のアルミペダル、ステアリングホイール、シフトノブ、スカッフプレートがR-Design特有の装備となっています。

ボディサイズは全長4425ミリ、全幅1875ミリ、全高1660ミリ。
レンジローバー・イヴォークやポルシェ・マカンに近いサイジングですが、それらより幅はちょっと「狭い」数字ですね。

全体的には「引き締まった」印象があり、それはおそらく樹脂製のクラディングやブラックルーフがそう感じさせるのかもしれません。

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プレスラインはけっこう強めで、これがボディにメリハリを与えているようですね。

特に側面においてプレスラインの与える効果は大きく、「のっぺり」ならずに筋肉質な印象も。

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リアウインドウの「切り上がった」デザイン、それに呼応するかのようなリアフェンダーのエッジ、そしてサイドの樹脂パーツ形状がウェッジシェイプを強調し、これがよりXC40をスポーティに見せている、と思います。

この樹脂製クラディングのデザインは秀逸で、タイヤハウス周辺のボリュームを増すことで、「力強い足元」を演出している、という印象。

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ボルボXC40 T5 R-Designのインテリアはこんな印象

XC40のインテリアはスカンジナビアンデザインを象徴するかのように「ミニマムかつシンプル」。

メーターはフルデジタルで、カーナビゲーション情報もここへ表示されます。

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センターには大きな液晶タッチパネルがあり、車両の操作はほとんどここで。
よって物理スイッチは最小限、といった感じですね。

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ドイツ車と大きく異なるのはひとつひとつのスイッチが大きく、それが何を表すのか判別しやすいこと。
このあたり、使いやすさを考慮した作りを持つようです。

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R-Designのシートはヌバック+ファインナッパレザー。

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ちなみにキーはこんな感じで、シート同様の「パンチレザー」でカバーされています。

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ボルボXC40で走ってみよう

さて、さっそくボルボXC40で走ってみましょう。
スマートキー化されているので、ブレーキペダルを踏んでステアリングコラム左脇のエンジンスターターを押せばそのままエンジンスタート。

エンジン始動時の振動やサウンドはかなり低く抑えられており、しかし「ちゃんと始動したことがわかる」気持ちよさも持っています。

走り出して感じるのはすべてにおいて「軽い」ということ。
ステアリングホイールの操作感、ペダルの踏力、アクセルを踏んだときの出だし、そして車線変更時の身のこなし。
すべてにおいて身軽さを感じ、すべるように走ってゆく、という印象です。

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このあたりはポルシェやレンジローバー、最近のBMWで感じられる「路面に張り付くような」しっとりとした、そしてどっしりとした安定感とは対極にあるもので、しかしちゃんと安定感も感じられるという不思議なセッティング。
この印象はほかのどのクルマにも似ておらず、「ボルボ特有」の味付けのようですね。

サスペンションは硬くもなく柔らかくもないという印象ですが、乗り心地は「極めて良好」。
ノイズ、バイブレーション、ハーシュネスが極端に小さく、かなり快適な車だと言って良いかと思います。

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雰囲気的には「小気味よい反応」というところに終止すると考えていて、アイドリングスタートからエンジンが再始動するときも一瞬で振動が収束し、他の車のように「ブルルン」と振動が尾を引くこともなく、車線変更時の車体の揺れも「揺り戻しなく」収束し、路面からの振動も瞬時に吸収。

すべての反応がデジタル的というか、一瞬のクリックで終わってしまうという感じで、たとえばオーディオのボリュームを調整するときに「ダイヤル」ではなく「ボタン」で調整するという感じ。

なんせはじめて感じるタイプの乗り味なので適当な表現を探すのが難しいのですが、その内外装の見た目のように、クルマの反応も極めてシンプルである、ということです。

ブレーキのタッチもごく自然で、ラフに踏んでも「カックン」にはならず、停止直前の挙動も極めて滑らか(停止直前に不自然な動き、ショックを感じさせるクルマもあり、こういったクルマは停止前にブレーキペダルをちょっと抜いたり、逆に強く踏んだりする必要がある)。

感覚的にはトヨタC-HRが一番近かったと認識しており、上述のようにドイツ車とはまったく異なる味付けを持っていますが、逆に日本車に慣れた人にとって親しみやすいフィーリングであるとも言えそう。

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唯一気になったのはシートのサポート性で、レザーシートが滑りやすいこと、クッションが硬く「体が沈み込まない」こと、左右のサポートが弱いこと。
このあたりは「北欧の人にあわせてシートを作っている」ためかもしれず、アジア向けに調整がなされているかどうかは不明です。

ただ、これもしばらく乗ってレザーが伸びたり、クッションが馴染んできたり、そもそもの調整にてある程度改善はできると思われ、「致命的」な問題ではない、と認識しています。

XC40の印象をまとめてみると?

ライバルとしては、価格(400-550万円くらい)という側面だとメルセデス・ベンツGLA、レクサスUX、ジャガーEペイス、BMW X2、アウディQ3あたりとなりそう。
ただし北欧デザインという点ではそのオシャレさがライバルに対して優位性があると認識しており、その誠実なブランドイメージがXC40の大きなアドバンテージだと考えています。

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そして運転した印象だと「ドライバーに対して負担を何一つ強いない」というものがあり、このあたりは「運転を楽しむ」というドイツ車とはかなり違う設計思想を持っているようです。

つまりボルボXC40の場合は、どんな路面状況であっても、行った操作に対してドライバーが予期したとおりの挙動をクルマが実現し、ドライバーに何も気を使わせず、つまりインターフェースはフィードバック重視ではなく、クルマと外界とを切り離すことを目的としているように感じます。

一方でドイツ車はフィードバックを重視し、インフォーメーションをドライバーに与えることで「適切な操作を求める」傾向にあり、つまりインターフェースは「外界とドライバーとをつなぐ」ものであるのかもしれません。

その意味でボルボは極めて特殊な乗り味を持っていて、「趣味の乗り物」より「道具」としての側面が強く、そのぶん日常的な使用や、移動手段としては非常に優れているように思います。

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アメ車やイタリア車は、そのクルマを購入すると「クルマ中心」の生活になってしまいがちですが、ボルボの場合はあくまでも「オーナーのライフスタイルをサポートする」ツールやギアであって主張しすぎないという印象も受け、あくまでも主人公はオーナーであるという関係性を構築できるクルマなのかもしれません。

よって、たとえばアウトドアが趣味で、その趣味を楽しむためのツールがこのクルマ、という感じですね。

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