| ここまで「歴代」モデルが揃うことはランボルギーニ博物館でも珍しい |
ランボルギーニ大阪さん移転記念イベントにて展示されていた、ランボルギーニV12歴代モデル。
カウンタックからアヴェンタドールまでずらりと揃い、しかも「記念モデルばかり」。
こういった状況はなかなか見ることが出来ず、ここでそれらを紹介してみようと思います。
カウンタック25thアニバーサリー
まずはランボルギーニ・カウンタック25thアニバーサリー。
1988年にランボルギーニ設立25周年を記念して発売されたモデルで、そのスタイリングを担当したのはオラチオ・パガーニ。
そして同氏はデザインだけではなく「カーボンファイバー」をカウンタック25thアニバーサリーの随所に盛り込みますが、このクルマが「ランボルギーニとカーボン」との深い関わりを持つことになる第一号だとされています。
カウンタックに採用されるのは鋼管スペースフレームであり、しかしオラチオ・パガーニ氏は当時からカーボンファイバーに未来を見出したていたようで、フレームそのものをカーボンで作ろうと考え、ランボルギーニ社に「カーボンフレームを焼成する窯」を買うように進言するものの、それを却下されたことでランボルギーニを退社し、自らカーボンシャシーを使用した理想のクルマを作るべく「パガーニ・アウトモビリ」を設立することに。
カウンタック25thアニバーサリーに話を戻すと、1990年まで生産が続けられ、657台が生産されています(カウンタックシリーズの中では最も多い)。
全長は4,200ミリ、全幅2,000ミリ、全高はわずか1,070ミリ、そしてエンジンは5.2リッターV12(455馬力)。
ディアブロSV
こちらは1995〜1999年まで生産されたディアブロSV。
アウディに買収される前のランボルギーニがリリースした最後のV12モデルであり、かつ最後の(V12エンジン搭載の)2WDモデル。
アウディはこの後の2000年に、ルク・ドンカーヴォルケ(のちにガヤルドもデザイン。現在はヒュンダイの副社長)によるデザインでディアブロのフェイスリフト版である「ディアブロ6.0」を登場させており、「ディアブロSVとディアブロ6.0」との間には大きなデザイン的相違があります。
ディアブロSV340台が生産され、そのボディサイズは全長4,470ミリ、全幅2,040ミリ、全高1,115ミリ。
エンジンは5.7リッターV12(530馬力)、最高速度は320km/h、0−100km/h加速は3.85秒。
なお、ディアブロそのものはカウンタックの後継として1990年に発売され、その後VT、SE30、SV、6.0、GTといったバリエーションを持つにいたり、2001年まで生産されています。
ディアブロGT
ディアブロGTは、アウディが買収した後のランボルギーニから新たに発売されたクルマ第一弾で、ディアブロGT2(レーシングカー)を公道仕様へとコンバートしたクルマ。
その後のディアブロ6.0にも通じる「それまでのディアブロに比べて、ちょっと角張った」デザインを持っています。
なお、ディアブロのデザイナーはカウンタックと同じマルチェロ・ガンディーニで、当初ディアブロ(初代)をデザインした際にはカウンタックっぽい、角張ったデザインを持っていたとされるものの、親会社であったクライスラーの意向によって各部が丸められて発売されたという経緯も。
その後ランボルギーニはアウディ傘下に収まり、そこで発売されたディアブロGT、フェイスリフトを受けたディアブロ6.0は「もともとのガンディーニ案に近い」角張ったルックスを持っている、と言われます。
全長は4,430ミリ、全幅2,040ミリ、全高1,115ミリ、エンジンは6リッターV12(675馬力)、最高速度は338km/h。
生産台数は80台のみに制限され、ディアブロの中でも「もっとも希少な」モデルのひとつ。
オーバーフェンダーや大きなエアスクープを持ち、「もっとも過激な」ディアブロと言って良いかもしれません。
近代のスーパーカーに比較してもまったく劣らないオーラを発しており、「ザ・スーパーカー」といった感じですね。
ちなみにヘッドライトは「日産フェアレディZ(Z32)」からの流用。
これは法改正によって、ディアブロが当初採用していたリトラクタブルヘッドライトを「固定式」に改める必要が出たものの、当時のランボルギーニの技術ではこの(ノーズの)角度に装着できるヘッドライトがなく、一部ユーザーが行っていたカスタムを取り入れ、フェアレディZのライトを純正装着した、と言われています(NISSANの文字を隠すためにカバーが付いている)。
ムルシエラゴ40thアニバーサリーエディション
2001年にディアブロの跡をついで発売されたムルシエラゴ。
そのムルシエラゴに、2003年に追加された「ランボルギーニ創立40周年記念」モデルが、このムルシエラゴ40thアニバーサリーエディション。
ボディカラーはアルテミスグリーン一色のみの設定で、全世界にて50台が販売され、日本に入ってきたのはわずか5台のみ。
ムルシエラゴ40thアニバーサリーエディションの全長4,580ミリ、全幅2,045ミリ、全高1,135ミリ、エンジンは6.2リッターV12、出力は588馬力。
ホイールのカラーがメタリックグレーであったり、ウインドウサラウンドがカーボンであったりと各部が「特別仕様」となっていて、ボディサイドにも「40」のバッジつき。
ムルシエラゴLP 670-4SV
2009年に追加された、ムルシエラゴの最強モデルがLP670-4 SV。
ランボルギーニCEOがステファン・ヴィンケルマン氏へと変わり、モデル表記も「LP」が用いられるようになったほか、「ヘキサゴン」をモチーフにしたり、カーボンファイバーを全面に押し出すようになったりと現在のランボルギーニにかなり近いのがこのモデルの特徴です。※その後ランボルギーニCEOがステファノ・ドメニカリ氏へと代わるにあたり、「LP」表記は消滅
生産台数は350台のみ、そして「パワーアップ(+30馬力)と軽量化(ー100kg)という、ランボルギーニにおけるハイパフォーマンスモデルの定石となる手法を確立したのもこのモデルと考えて良さそう。
エンジンは6.5リッターV12、出力は670馬力、最高速度は342km/h、0−100km/h加速は3.2秒。
アヴェンタドールLP720-4 50° アニヴェルサリオ・ロードスター
アヴェンタドールはムルシエラゴ後継として2011年に登場(デザイナーはフィリッポ・ペリーニ。現在はイタルデザインへと移籍)。
そのアヴェンタドールをベースに、アヴェンタドールLP720-4 50° アニヴェルサリオは、ランボルギーニの設立50周年記念としてクーペ、ロードスターとも200台のみが発売されています。
出力は標準のアヴェンタドールに比較して+20馬力の720馬力(エンジンは6.5リッターV12)、そして前後バンパーが専用デザインとなり、のちのアヴェンタドールSVにも通じる雰囲気を持つことが特徴。
相当に特別感の強いモデルでもあり、数々のスペシャルエディションが発売された中でも「もっとも格好良い」とぼくが考えるアヴェンタドールでもあります。
全長は4,780ミリ、全幅2,030ミリ、全高1,136ミリ。
最高速度は350km/h、0−100km/h加速は2.9秒、日本への割当はクーペ、ロードスターともにわずか9台、とのこと。
アヴェンタドールSV
アヴェンタドールにおけるトップレンジ、「アヴェンタドールSV(スーパーヴェローチェ)」。
当時、ポルシェ918スパイダーに続いて「ニュルブルクリンク7分切り(6:59.73)」を果たしたことでランボルギーニの名声を更に高めたクルマ(それまでランボルギーニは直線番長で、サーキットでは速くないというイメージを持たれていた)。
専用のエアロパッケージや、オプションながらもディアブロSVにも通じるリアフェンダーの「SV」レターがその識別点。
エンジンは6.5リッターV12、出力は750馬力、最高速度は350km/h以上、0-100km/h加速は2.8秒。
そのエアロパッケージは過激そのもので、リアディフューザーやテールパイプはアグレッシブそのものです。
なお、インテリアもエクステリアに劣らずスパルタンで、とくにシートは「あまりにクッションが薄い」ことで有名(ぼくも最初見たときに驚いた。内外装ともに、市販車の常識を超えている)。
以上、ランボルギーニの歴代「エンジン縦置きV12シリーズ」。
ほかの画像はFacebookのアルバム(1,2)にて保存中しています。
歴代ランボルギーニV12モデルを動画でも
そしてこちらが各モデルを撮影した動画。
アヴェンタドールSVJ63も収めています