| 高級化を目指す中国自動車メーカーは”高級車デザイナー”に熱い視線を注いでいる |
ちょっと衝撃的なニュースではありますが、ヒュンダイグループにてデザインを統括していたルク・ドンカーヴォルケ氏が退任、との報道。
今回の退任においてはヒュンダイの意向ではなく同氏の個人的な理由だとしており、これまで同氏はヒュンダイにて非常に重要な役割を担い、実際に功績を残してきただけに驚きを隠せない状態です。
しかも「デザイン責任者」へと昇格した後、まだ間もないということもあってさらに二重の驚きでもありますね。
-
元ランボルギーニ(ディアブロ/ムルシエラゴ)のデザイナーがヒュンダイのデザイン責任者へ。今後ヒュンダイはどう変わる?
| アウディ、ランボルギーニ、ベントレーのデザインを牽引した敏腕デザイナーがヒュンダイのデザインを今後率いることに | ヒュンダイが発表したところによると、これまでヒュンダイとジェネシスのデザイン部門 ...
続きを見る
すでに4月29日付での退任となっており、同氏は「ヒュンダイ、キア、ジェネシスブランドを形成するのに関わることができたのは、非常に光栄なことだった。ヒュンダイグループの常に前向きな姿勢によって、私は常に挑戦を行い、限界を超えることが可能となった」という短いステートメントを発することに。
なお、今後についての報道は一切ないものの、もしかするとロールスロイスのデザイナーのように、「中国の自動車メーカーへ電撃移籍」ということになるのかもしれません。
-
ロールスロイスのチーフデザイナーが中国最高級ブランド「紅旗」へ移籍。豊富な資金を背景に世界を狙う
| 今度は中国メーカーが有力デザイナーをヘッドハンティング開始? | 今年の6月にロールスロイスで7年間デザイナーを務め、そのうち6年はチーフデザイナーの地位にあったジャイルズ・テイラー氏が電撃辞任。 ...
続きを見る
ルク・ドンカーヴォルケは元ランボルギーニのデザイナー
ルク・ドンカーヴォルケ氏は1992年にフォルクスワーゲングループに加入し、その後1994年から1996年はシュコダ(オクタヴィアとファビアをデザイン)、そして1996年から1998年まではアウディ(A2とA4アバントをデザイン)、1998年にはランボルギーニのデザインチーフを経験。
ランボルギーニでは「ディアブロVT」「ムルシエラゴ」「ガヤルド」、その後2012年にベントレーに異動してフライングスパーほかコンセプトカーのデザインを手がけていますが、2015年に突如ベントレーを辞任し、翌日に「ヒュンダイ入り」が発表されたのは記憶に新しいところです。
-
過去に1.5億円で落札されたランボルギーニ・コンセプトSが競売に再登場!ボクがガヤルドを買うきっかけになったクルマはいくらで落札?
| コンセプトSは2005年発表、世界に3台しかないクルマ | アブダビにて開催されるRMサザビーズ・オークションにて、ランボルギーニ・コンセプトSが出品されることに。コンセプトSといえば、ガヤルドを ...
続きを見る
その後ヒュンダイでは主にジェネシスブランドのデザインを担当し、他社の金太郎飴デザインを批判しながら「モデルごとに個性を与える」デザインを展開。
直近だとフラッグシップサルーンであるG80を発表しており、そのデザインが高く評価されていて、まさに同氏のキャリアは順風満帆であったとも言えそうですね。
-
やはり誰も興味ないと思うがヒュンダイ(ジェネシス)が新型車”G80”を発表した!米では異常に評価が高いようだ
| ジェネシスのデザインを管理するのは元ランボルギーニ/ベントレーのチーフデザイナー | さて、ヒュンダイの高級車ブランド「ジェネシス」がニューモデル「G80」を発表。ジェネシスは今年はじめにミッドサ ...
続きを見る
ヒュンダイは「引き抜き」に積極的な企業
なお、ヒュンダイはルク・ドンカーヴォルケ氏に限らず、引き抜きに積極的な企業。
研究開発部門にはかつてのBMW M部門のボスであるアルバート・ビアーマン氏を引き抜き、デザイナーとしてはブガッティ・シロンやランボルギーニ・ウラカンをデザインしたサシャ・セリパノフ氏(すでにヒュンダイを離れてケーニグセグへ)、さらにランボルギーニ・アヴェンタドール、イタルデザイン・ゼロウノをデザインしたフィリッポ・ペリーニ氏もヒュンダイへ。
-
衝撃度MAX!アヴェンタドールのデザイナーがヒュンダイへと移り、ヒュンダイはランボルギーニやベントレー出身者で固められることに
| まさかフィリッポ・ペリーニ氏までがヒュンダイに移るとは | まさかのまさか、前ランボルギーニのチーフデザイナーにしてアヴェンタドールのデザインを行ったフィリッポ・ペリーニ氏がなんとヒュンダイ(ジェ ...
続きを見る
その他だとインフニティのチーフデザイナーであったカリム・ハビブ氏、ベントレーのインテリアデザインチームまるごとといったスカウトも報じられています。
-
知ってた。インフィニティを辞したチーフデザイナー、カリム・ハビブが韓国キア自動車に移籍。韓国の自動車メーカーに移った人物は皆「韓国色」に染まっているのが恐ろしい
| とにかく韓国の自動車メーカーはデザイナー獲得に熱心 | 先日インフィニティのデザインチーフを辞し、「新たな可能性を追求する」としていたカリム・ハビブ氏が韓国キアへ移籍し、来月より韓国で勤務するとの ...
続きを見る
ヒュンダイは比較的後発であっただけに、国際競争力を身につけるためには「叩き上げ」ではなく、すでに実績のある人物を集めるといった手法を用いていて(ここは日本企業と考え方がかなり異なる)、そのためにはお金に糸目を付けないというスタイルを持ちますが、現在のジェネシスを成功に導いた人物をここで失うのは大きな痛手だと考えられます。
現時点ではルク・ドンカーヴォルケ氏の後任について指名はなされていないようですが、いずれはなんらかの発表が行われることになりそうですね。
VIA: AutoNews