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【動画】ポルシェ911GT2RS"MR"に装着されるホイールカバーは何のため?実はリフト低減とダウンフォース増加のためだった!

2020/06/08

| てっきりサイドの整流のためだと思ってた |

さて、ポルシェ911GT2 RS"MR"は現在ニュルブルクリンク最速の市販車だと主張していますが、これは911GT2 RSの「改造車」。

現在ポルシェの子会社となったマンタイ・レーシングの開発による、ニュルブルクリンクにおいてタイムを出すことに特化した「MRキット」を装着したクルマで、これによって6:47.33というタイムを記録し王座についています。

なお、ここまでしてポルシェがニュルブルクリンク最速にこだわるのは「ランボルギーニに、ポルシェ918スパイダーの持っていたニュル最速記録を抜かれた」ことに始まっているのだと思われます。

ことの経緯としては、まず2017年に、2013年以来王座にあったポルシェ918スパイダーの記録(6:57.00)を、ランボルギーニが「ウラカン・ペルフォルマンテ」で更新(6:52.01)。

するとその直後にポルシェが「911GT2 RS」にてさらにタイムを短縮し(6:47.03)、さらにランボルギーニはアヴェンタドールSVJにて911GT2RSのタイムを凌駕する6:44.97を記録し、これを破ることとなっています。

そして問題は「その後」で、ポルシェは自社の傘下にあるマンタイ・レーシングがチューンした911GT2RSをニュルブルクリンクへと持ち込み、ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJの出したタイムをさらに短縮したわけですね(6:40.33)。

エアロダイナミクス改善には様々な方法がある

そしてこのMRキットの価格は1226万円だとアナウンスされており、ポルシェはニュル最速の称号を手に入れるためにこのキットを開発した(マンタイ・レーシングに開発させた)ということになりますが、とにかくポルシェとしてはニュルブルクリンク最速は誰にも(同じグループ内のランボルギーニにさえ)譲らないという意思表示だと言えそうです。

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そして、そのマンタイ・レーシングがポルシェ911GT2RSに装着した「リヤホイールカバー」が話題となっているわけですが、今回直々にマンタイ・レーシングがその機能について語ることに。

一見すると、ブレーキのクーリングや、サイドを流れるエアの整流のためでは?と思うものの、実際は全く違っていて、まずはこのカバーが回転することでホイールハウス内のエアを吸い出し、リフトを抑える模様。

これはフロントフェンダー上のルーバーからホイールハウス内のエアを吸い出すのと同じ効果がある、と言えそうです。

ただ、最大の効果はリフト低減よりも、「リアウイングに流すエア」にあるそうで、このカバー経由でリアウイングに送られるエアは「リアウインドの角度を2度立てるのと同じ」効果をもたらすとしており、逆に考えると「同じダウンフォースを発生させようと思えば、このホイールカバーを用いることで、リアウイングの角度を2度平坦にすることができる」。

そして2度ウイングを寝かすことができるということは、その分空気抵抗を減らすことができるということを意味し、つまり加速性能や最高速を伸ばせるわけですね。

これはニュルブルクリンクにおいて大きな意味を持っており、実際にウラカン・ペルフォルマンテが「ニュル最速」を達成した方法のひとつがアクティブエアロ=ALAによって、加速時のダウンフォースを減らし、加速性能を向上させるというワザ。

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つまりマンタイ・レーシングは「空気抵抗を減らしながらもダウンフォースを稼ぐ」方法を極めて単純、かつ軽量なデバイスで実現した、ということになりますね。

エアロホイールは今後増加?

なお、年々厳しくなる環境性能に関する規制、そしてEVにおける航続可能距離獲得の手段として注目されるのが「エアロホイール」。

多くのEVがこれを採用するほか、最近ではメルセデスAMGが「E53」にてエアロホイールを初めて採用しています。

この効果はどれほどなのか数値であらわされてはいないものの、メルセデスAMGはこれを他車種にも続々採用しているところを見ると、なんらかの「確証」があるものと思われます。

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このホイールについて、マンタイ・レーシングの「ダウンフォース」と目的が同じかどうかは不明ではあるものの、エアロダイナミクスの最適化や効率化という意味では変わりなく、今後各メーカーがこぞって注目しそうなのがこの「エアロホイール」なのかもしれませんね(ブガッティもシロン・ピュール・スポールにてエアロホイールを初採用している)。

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VA:Robert Mitchell

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