| ただしそれは一般論であって例外も少なくはない |
さて、クルマのブレーキキャリパー位置はメーカーや車種によって様々ですが、WEBカートップにて、その取り付け位置について述べた記事が公開されています。
記事によるとブレーキキャリパーの取り付け位置を決めるのには様々な理由があるようで、ここでその”理由”を見てみましょう。
まず、記事によるとブレーキキャリパーの取り付け位置は「上、前、後ろ」の3つに大別される、と前置きしています。
クロカン四駆は「上」
クロカン4WDに多いのは「上」だそう。
記事では「泥や砂を噛みにくいように」としており、たしかに理にかなった配置だと言えますね(加えて、噛んだ砂などが下に落ちやすそう)。
FFは「前」
そしてFFに多いのは「前」。
これは駆動輪に対してより高い荷重をかけるため、重量物であるブレーキキャリパーを前方に位置させているようです。
たしかにホンダ・シビック・タイプRも前。
ルノー・メガーヌR.S.も前。
FRやスポーツカーは「車体中央」
そしてFRだと、とくに前方に重心を置く必要はなく、スポーツカーのセオリー通りに車体中心に重量物を集めるため、フロントだと「後ろ」、リアだと「前」にキャリパーを配置する例が多い、としています。
たしかにレクサスLCも「中央」ですね。
メルセデスAMG GTも「中央」。
アストンマーティンも「中央」。
マクラーレン720S(これはMRですが)も「中央」。
フェラーリもやはり「中央」。
ポルシェも基本的には「中央」。
ランボルギーニも「中央」。
中には例外もあるようだ
ただ、一概にその位置について「セオリー」が決まっていると言えないのがブレーキキャリパー。
スポーツカーの場合、重心を考慮し「車体中心にブレーキキャリパーを配置」というのはよくわかるところですが、加えて「重心を低く」するため、可能な限り下の方へとブレーキキャリパーを装着する場合も。
たとえばランボルギーニ・アヴェンタドールのフロントブレーキキャリパーは「けっこう下側に」取り付けられています。
反面、リアは「ちょっと上」に取り付けられていて、しかしこの位置だと重心が高くなってしまい、なぜこの位置に決められたのかは「謎」。
ただし、もちろん何らかの意味があってこの位置なのだと思われます。
そしてさらに謎なのがポルシェで、パナメーラ、カイエンについてはブレーキキャリパーが「前」に取り付けられています。※マカンは「中央」
パナメーラについてはFRベースであり、しかもフロントに重いエンジンを積み、かつトランスアクスルレイアウトでもないので、理論上は「ブレーキキャリパーを後ろ(車体中央に向け)」に搭載したほうがいい、というのがぼくの認識です。
そしてカイエンは「フロントは前側」、「リアも前側」にブレーキキャリパーが位置するものの・・・。
パナメーラ、タイカンの場合は「フロントは前側」「リアは後ろ側」にブレーキキャリパーが装着されています。
つまりポルシェの場合は「911と718、マカン型(前後とも中央向き)」「カイエン型(フロントが前向き、リアも前向き)」「パナメーラ/タイカン型(前後とも外向き)」という3つのパターンが存在し、同じSUVでもマカンとカイエンとではブレーキキャリパーの位置が異なるということになりますね。
そこで思うのが「サルーンの場合はブレーキキャリパー前後とも外向き」がいいのかということで、ちょっと調べてみると、マセラティだとグラントゥーリズモは「中央向き」、ギブリは「前後とも外向き」。※重量物を乗員から遠ざけたほうが乗り心地が良くなるのかも
やはりサルーンだと前後外向きがいいのかと思いきや、ロールスロイス・ファントムだと「前後とも中央向き」となっていて、これもまたナゾな部分です。
自動車メーカー各社とも、こういったブレーキキャリパーの位置については様々なテストを行い決定しているのだと考えられるものの、その「微妙な」差異を決定するにはどういった判断が働いたのか、ちょっと気になるところでもありますね。
参照:WEB CARTOP