| まさかのバリア衝突 |
1台のみが製造された、貴重なブガッティ・ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテス”ロル・ブラン”が痛恨のクラッシュを喫してしまう動画がインスタグラム上にて公開。
これはスイスにて「スーパーカー・オーナーズ・サークル・クラブ」が開催したイベントでの一コマだそうですが、グシュタード空港の滑走路にてヴェイロンが止まれずにオーバーランしてしまい、設置されたバリアに突っ込んでしまう、というもの。
幸いにも致命的なダメージはなかったが
投稿者によると、ヴェイロンに致命的なダメージはなく、フロントバンパー右側のルーバーが割れたくらい、とのこと。
ギャラリーもさほど慌てていないので、実際に軽微なクラッシュだったのだと思われますが、修復はできない部位でもあり、バンパーをまるごと交換する必要があるとも報じられています。
なお、ヴェイロンのバンパーは「ひとつ数百万円」だとも聞いたことがあり、相当な出費を強いられることになりそうですね。
ただ、ヴェイロンはタイヤ交換のコストが交換のコストが415万円くらいかかると言われ、しかしこのオーナーさんはタイヤの摩耗を気にせずに走っていたということになり、バンパー一本分の費用であればさほど痛くないのかもしれません(ヴェイロンの維持費は、プライベートジェットよりも高額だと言われる)。
ブガッティ・ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテス”ロル・ブラン”はブガッティのデザイナーお気に入りの一台
この「ロル・ブラン」はブガッティのデザイナー、アキーム・アンシャイト氏が挙げる「自分の好きな、6台のヴェイロン」のうちの一台。
ベルリン王立磁器製陶所(KPF)とのコラボレーションによって特別にデザインされたもので、陶磁器とそこへ映る光をイメージしたグラフィックを持っています。
アキーム・アンシャイト氏によると、「最初にこのアイデアを思いついたときは懐疑的だった」とのことですが、実際にこのペイントを車体に施してみると、見事に”アート”。
よくこんなデザインを考えたなというカラーリングですが、これは職人によって塗り分けられていると思われ、ヴェイロンの中では「もっとも手間がかかっている」塗装なのかもしれませんね。
そしてバンパーについてもこの特殊な柄が再現されているため、今回の補修にあたっては、通常の価格に加え、高額なペイント費用を支払う必要がありそうです。
制動距離は速度の二乗
なお、制動距離については「速度の二乗」だと言われ、つまり速度が高くなればなるほど制動距離も伸びる傾向にあります(はじめてサーキットを走って驚いたのは”スピードを出すと、こんなにクルマは止まらないのか”ということだった)。
警視庁では下記の表を公開していますが、速度が高くなればなるほど「止まらない」というわけですね。
なお、正確にいうならば、クルマの制動距離(d1)を算出する式は「d1=v0の二乗/(2μg)」だとされ、v0はクルマの速度(m/s)、ミューはタイヤと路面との摩擦係数、gは重力加速度(9.8)を表し、つまりここに車体重量は含まれていないということがわかります。
感覚的には、「重いクルマほど止まりにくい」と考えてしまいがちですが、現実的には「軽いクルマでも、重いクルマでも、制動距離は変わらない」という実験結果もあるようです。※同じ車でも、乗っている人数が多ければ止まりにくいような気もするが
ただ、実際にちゃんと止まるかどうかについて、重要なのはタイヤのグリップやABS性能、なによりもブレーキ性能だと思われ、そしてそれ以上に要求されるのはドライバーによる適切な判断ということになるのかもしれません。