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【動画】もし大雪で電気自動車(EV)が立ち往生してしまったとき、ヒーターを使用したらバッテリーはどれくらい消耗してゆくのか?JAFが過酷なテストを実施

2021/12/24

【動画】もし大雪で電気自動車(EV)が立ち往生してしまったとき、ヒーターを使用したらバッテリーはどれくらい消耗してゆくのか?JAFが過酷なテストを実施

| 現時点では、EVはまだまだ「我慢したり、なにかを犠牲にして」乗るクルマであることは否めない |

冬場の立ち往生もキツいが、経験上だと真夏の渋滞もEVにはそうとうにキツい

さて、JAFが「電気自動車が大雪で立ち往生したらどうなるか」という過酷なテストを行い、その結果を公開しています。

昨シーズンの冬は大雪による高速道路上での立ち往生が問題となりましたが、そのニュースを見てぼくがまっさきに思ったのが「電気自動車だったら電欠になるな」ということ。

というのもぼくは電気自動車に4年くらい乗っていたことがあり、その経験から「冬季に停車したままヒーターを使用したら、ものの数時間で電欠になる」という危険性を理解していたわけですね。

そしてJAFも同様の懸念を持っていたようで、今回「どういった状況がもっとも電欠を招きやすいか」をテストすることになり、4つのヒーター(暖房)使用条件において電欠までの時間を調べています。

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JAFはこういった条件でのテストを行った

そこでJAFが行ったテストの内容ですが、4台の同じ仕様を持つ日産リーフを用意し、それぞれに異なる、以下の4通りの暖房条件を設定しています。

ポイント

  1. オートエアコン25℃常時稼働
  2. 電気毛布(電源ソケット使用)のみ
  3. シートヒーターをHi、足元に電気フットヒーター(電源ソケット使用)
  4. 毛布、寒く感じたときにエアコンON、寒くなくなったらエアコンOFF

そしてテストを開始するのは夜の7時、そして気温はなんとマイナス8.1度。

それぞれのクルマには一人ずつ乗車し、無線にて(メーターに表示される)バッテリー残量、航続可能距離、車内の快適性を適宜確認した、とのこと。

なお、バッテリー残量は70%時点からテストを行っているといい、これはけっこう現実に即した数値だと思います(バッテリー残量100%のときに大雪にあい、立ち往生するようなことは殆どないと思う)。

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JUN
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JAFの人も大変だな!

まずは午前0時まで

そこでまずは第一のテストは「午前0時まで」。

テスト開始時にはどの車両も室内が暖かく快適だったものの、1時間後には「1(オートエアコン使用)」を除く2〜4のテスト車両にてぐんぐん車内の気温が下がり、「暖房器具では覆いきれない体の箇所の冷え」を乗員が訴えたとのことで、2〜4では「暖房器具は欠かせない」と結論付けられています。

ちなみにですが、ぼくが乗っていたBMW i3について、バッテリーの消耗防止のためなのかヒーターを入れてもあまり車内が暖まらず(温度を高く設定できない)、冬季はけっこう寒い思いをしたという記憶も残っています(寒冷地では大変だろうと思う)。

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バッテリーはいったいどれくらい保つのか?

そしてこのテストの本題、「バッテリーがどれくらい保つのか」。

大雪に見舞われて立ち往生した場合、電欠になってしまいヒーターが使えなくなるとまさに死活問題になってしまい、これはけっこう重要なテストだと思います。

JAFでは上記の「午前0時まで」のテストを終えた後も同じ1〜4の条件にて電力消費テストを行っており、午前2時〜午前8時までの間、1時間おきに電力消費(バッテリー残量と航続可能距離)を計測したようですね。

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そこでテストの結果ですが、1(オートエアコン使用)では午前4時半頃にバッテリー残量が10%となってしまい、その時点で事実上のリタイヤ。

つまり9時間半でバッテリーがほぼ消耗しきったということになりますね。

2(電気毛布)と3(シートヒーターとフットヒーター)だと午前8時(13時間経過)の時点でバッテリー残量50%、そして4(毛布とエアコン)だと午前8時でバッテリー残量は25%という結果です。

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JUN
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ここまで辛い思いをしてEVに乗らなくてもいいような気がする・・・。

JAFはこのテスト結果をうけ、「電気自動車に(冬季)乗る際は、万一のことを考え、シガーソケット(電源ソケット)を使用する暖房器具や毛布を備えておくことを推奨していますが、乗員が複数名いる場合は、人数分の毛布や暖房器具、そしてそれを使用するためのシガーソケット分岐ケーブルなどが必要となりそうです(さらに言えば、シートヒーターを装備しておくべき)。

なお、こういった立ち往生は心理的にかなり堪えるものがあり、いつ立ち往生が解消されるかわからないのにバッテリー残量がどんどん減ってゆくという恐怖を味わうことになって、これはそうとうにストレスがかかります。

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もともと電気自動車そのものが「走行距離や充電器の位置、充電時間」など様々な要素を考慮して走らなけれなばならない乗り物ではありますが、そこへきてこういった「不可抗力」でバッテリーを削られると「どうしようも」なく、正直ぼくはそれに耐えることがでいなかったわけですね(もともとぼくは安全マージンを多く取るタイプでもあり、そのマージンが計算外の要素で削られることに耐えられない。EVは”予想外の渋滞”にでくわすだけで、バッテリーが足りなくなり、その日の予定がこなせなくことがある)。

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なお、ガソリン車であってもガス欠になってしまえばヒーターを使用できないのはEVと同じですが、こういった(立ち往生の)状況だと、ありがたいことに自衛隊の人たちが携行缶にて燃料を配布してくれる場合もありますし、状況が改善した後にもガソリンを入れればまた走ることも可能です(ただしEVだと電力を配って歩くわけにもゆかない)。

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そして電気自動車が電欠になってしまうと「充電せねば」動くことはできず、高速道路の真ん中で電欠になってしまうともはや手の打ちようがなくなり、さらには「何十台もの」電気自動車が同じ状況に陥ってしまったら、それはもう災害レベルというべきなのかもしれません。

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JAFが「大雪で電気自動車が立ち往生したら」というバッテリーテストを行う動画はこちら

参照:JAF

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