| シンガー・ポルシェ911「ターボ・スタディ」はまさに走る芸術品 |
これほどまでに美しく豪華なポルシェレストモッドは他にない
さて、主に964世代のポルシェ911を美しく、そしてパワフルにレストモッドすることで知られるシンガー・ヴィークル・デザインですが、今回なんと「930ターボ」のレストモッド、”ターボスタディ”を公開。
これまでシンガー・ヴィークル・デザインは自然吸気エンジンばかりを手掛けてきたものの、つい最近は「ポルシェと提携を行った」とも発表しており、ポルシェ経由にてエンジンを入手できるようになったことに関係しているのかもしれません。
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ターボ・スタディは「グランドツーリング志向」
そして「最初の911ターボ」、つまり930ターボがそうであったように、このシンガー・ヴィークル・デザイン”ターボ・スタディ”も快適なグランドツーリング志向。
豪華で高性能なポルシェ911を作り上げることに重点を置いたといいますが、それは内外装のいたるところに見ることができ、「シンガー・ヴィークル・デザインほどポルシェを理解している会社はないだろう」と思わせるところです(930ターボを本当に理解していないとこういったカスタムはできない)。
今回公開された個体のボディカラーは「ウルフブルー」。
シンガー・ヴィークル・デザインの創業者であるロブ・ディッキンソン氏によると「ドア以外のボディパネルはすべて変更した」とのことで、新たに制作されたボディパネルはもちろんカーボンファイバー製。
1980年代のポルシェ930ターボっぽく仕上げているものの、細部はシンガー流にてアップデートされており、フロントバンパーには930ターボに採用されていた「ラバーの蛇腹」もしっかり再現。
930ターボの特徴の一つであったストーンガードは「ダクトとしても機能する」ように再デザイン。
もちろんターボウイングも残されており、しかしそのデザインはあくまでもシンガー流。
全体的には「レトロ」よりも「フューチャー」のイメージが強く、各部はフラッシュサーフェス化が進められ、ドアミラーもこれまでの(シンガーが好んで採用してきた)砲弾型から、エアロ形状を持つ車体との親和性が高い仕様に。
さらにはシンガーが他のレストモッドで採用してきたニッケル仕上げのパーツも「ブラック」へと置き換えられています。
エンジンは「ツインターボ」
そしてこのターボ・スタディに搭載されるのは3.8リッター・フラットシックス・ツインターボ。
エンジンはマットな色調を持つシルバーとゴールド、そしてチタンカラーで仕上げられ、これも今までのシンガー製レストモッドとはやや異なる仕様です。
そしてエンジンベイには「内張り」が装着され、ゴールドのトリム、そしてネットも貼られているようですね。
出力については450馬力以上だと紹介されており、出力については顧客の要望によっていかようにでも調整ができる、とのこと。
なお、このエンジンに組み合わせられるトランスミッションは6速マニュアル、そして駆動輪は後輪のみ、ブレーキディスクはカーボンセラミック。
サスペンションについては「ハードにコーナーを攻める」ためのものではなく、ツーリングに特化したセッティングが与えられています。
インテリアもまさに芸術品
そして外装に劣らず美しい仕上げを持つのがターボ・スタディのインテリア。
アイボリーをベースにした、ひとめで「快適そう」という印象を受けるもので、これまでのシンガー製911とは異なる豪華さが見られます。
これはもちろん本家930ターボが「豪華なツーリングカー」として企画されたことを理解した上でのレストモッドだと考えてよく、こういったところが「ポルシェからお墨付きをもらう理由」となったのかもしれません。
なお、センターコンソールにはスマートフォンをはめ込むスペースがあり、これをカーナビゲーションシステムとして使用することが可能です(もちろんワイヤレスチャージが可能)。
ドアインナーパネルには930ターボの特徴であり(992ターボでも再現された)「ナナメのステッチ」がアレンジされています。
シートは電動調整機構を備えるコンフォートタイプで、もちろんシートヒーターを装備し、そのほかにはクルーズコントロール、アンチロックブレーキ、パワーステアリング、トラクションコントロールといった快適装備、ドライバーアシストも付与されています。
メーターはもちろん5連、しかしダイヤルにはアレンジも。
後部座席もコンフォート仕様となり(画像ではシートバックを倒している)、内装色とマッチしたバッグも用意されるようですね。
なお、インテリアには花崗岩、コルク、ウッドなどが使用されているとのことで、これまでのカーボンやアルミに比較して温かみが感じられる仕様となっています。
ちなみにこのシンガー・ヴィークル・デザイン”ターボ・スタディ”は70台限定にて生産されるそうですが、当然ながらすべて完売しているものと思われ、そして価格は明かされていないものの、1億円はくだらないと考えて良さそうです。
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参照:Singer Vehicle Design