アメリカではEVの接近音が「全メーカー統一」されることが決定！フェラーリでもランボルギーニでもポルシェでもヒョンデでもVWでも全部同じサウンドを発することに

｜ たしかに理解はできるが、その自由度が無くなるのはかなり衝撃的な決定でもある ｜

一方、車内に流すサウンドについては何ら言及されていない

さて、米国道路交通安全局（National Highway Traffic Safety Administration＝NHTSA）が、「電気自動車（EV、PHEV）が発する接近音は、すべての自動車メーカー、モデルにて統一されていなければならない」という決定を行うことに。

ことの流れとしては、まず2018年に制定された「EVとハイブリッド車が時速20マイル（約32キロ）未満で移動する際、歩行者やサイクリスト、その他の道路利用者が、（ガソリンエンジン搭載車のように）排気音を発生させない電気自動車であってもその存在を察知できるようにするため、最低限の音量を発すること」とした決定に端を発しており、しかし2019年にはこれを修正（もしくは補足）する形で「米国で車両を販売する自動車メーカーは、すべてのプラグインハイブリッド車とピュアエレクトリック車に、基準に適合する音量を持つサウンドをいくつでも搭載し、ユーザーがそれを自由に選ぶことができる」という提案がなされています。

これからはどのEV、PHEVも同じサウンドに

ただ、今回の決定によると、2019年の提案を否定する形で「どの自動車メーカー、モデル、年式、ボディタイプ、グレードであっても、同じ（接近）警告音を発するべし」とされており、しかし現時点ではそれがどのようなサウンドになるのか、どこが作ってどう配布されるのかなどは未定です。

そしてこの決定においては「視覚障害者の支援団体や、目の不自由な人たちから提出されたものを含め、意見の大部分は、（2019年に提案がなされた）ハイブリッド車や電気自動車に接近音を無制限に持たせるという提案に賛成しなかった。これらの意見のほとんどは、許容される警告音の数や種類を減らすのではなく、より統一することを支持した」というコメントも出されており、たしかに歩行者側からすると、勝手に色々な音を出されては、それがクルマなのかどうかも判断ができず、「自動車であること」がわかる統一サウンド以外は許可しないというのも理解ができる話でもありますね。

ただし車内に向けては「独自のサウンド」を出すのかも

なお、この決定は「米国のみ」有効なので、ほか市場においては適用されませんが、各自動車メーカーはこれに従ったクルマづくりをせねばならず、米国仕様の設定では「音が一種類のみにフィックス」され、他の国では「プリセットされたサウンドの中からユーザーが自由にサウンドを選べる」というセッティングがなされるのかも。

加えて米国では、「ランボルギーニでも、ポルシェでも、フェラーリでも、リマックでも、そしてヒョンデであってもフォルクスワーゲンであっても」同じサウンドを（外に向けて）発するということになり、しかし車内に流すサウンドについては制限がないと思われるので、これまでどおり各自動車メーカーが、音楽プロデューサーや映画音楽作家、ロックバンド等とのコラボレーションによって思い思いのサウンドを制作し用いることになりそうです。

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　参照：Automotive News