| ボクはリスクを省みず、自らの力で危機を乗り越えようとする人々が大好きだ |
そして、何もせずにただ待ったり嘆いたり文句を言う人間にだけはなりたくない
さて、優れた気候で知られる反面、山火事やら豪雨やら洪水やらで意外に自然災害が多いカリフォルニア。
今回は一人の使命感にあふれる男の姿がツイッターに投稿され、ちょっとした話題となっています。
この男は農場の主だそうですが、豪雨のために堤防まで水が迫り、その堤防の隙間から農園へと水が流れ込むのを防ぐためにフォードとシボレーのトラックをその隙間に意図的に落として水の氾濫を防いだというもの。
その男にためらいはなかった
ツイッターに投稿された動画ではその一部始終が記録されていますが、まずはこんな感じでシボレー・シルバラードのエンジンをスタートさせるところからはじまります。
ギアを入れたままトラックを自走させ・・・。
走り去るトラックを「さらば、オレの愛機よ」という雰囲気で見送り・・・。
トラックは見事溝へドボン。
けっこうな水しぶきが上がっており、かなりの勢いでトラックが走ったこと、そしてそうとうな水深があることがわかります。
そして沈みゆく我が愛機を見て感慨にふけっているっぽい農園主。
映画「ワイルド・スピード」のいちシーンといっても通用しそうなカットです。
この行為には様々な意見があるが
なお、今回の農園主の行為については称賛の声がある一方、さまざまな批判もあるもよう。
批判の内容としては、「ガソリンやオイルが漏れることで農園が汚染されるのでは」「保険金詐欺じゃないか」というものが多数を占めています。
たしかにそういった意見も理解できないのではないですが、この農園はもちろん農園主にとって生活の糧であり、家族のためにもなんとしても守るべきものであったと思うのですね。
そして豪雨による洪水ということで消防など各署も手一杯であり助けを待つこともできず、当然ながら農園主も土のうを積むなど他の手段を考えたのかもしれません。
ただ、それでも「これしかない」という決断を行ったのだと思われ、いま目の前にある危機を回避するためにこの農園主が取り得た最善の行動がこの手段なのだと思われます。
よって、「ただ待つ」「状況を嘆く」「誰かに頼ったり文句を言う」のではなく、自ら立ち上がり、自衛のための行動を取ったこの農園主はぼくにとってのヒーローであることは間違いなく、最大限の賛辞を贈りたいと思います(そしてぼくは、事情を理解せず、安全な環境で、画面の向こうから皮肉を言う側の人間にだけはなりたくない)。
なお、トラックの荷台には土が積まれていて、つまりはトラックが洪水で流されずに沈むように考えられており、ここからもこの農園主が「様々な可能性を検討した上で行動した」ということがわかりますね。
ちなみにですが、農園主はこのトラックを後で引き揚げて再利用が可能であればまた使用するつもりだといい、そしてそれが叶わなかったとしても保険金を請求する意思も予定はない、と語っているのだそう。
農園主が自身の農園を守るために堤防の溝にトラックを落とす動画はこちら
I have never seen this type of #flood control measure before! Here is how some farmers deal with a breach in the Tulare Lake bottom. I assume they will pile some additional dirt on. #cawater #cawx #farm #agriculture pic.twitter.com/QXP720RqjJ
— Cannon Michael (@agleader) March 14, 2023