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今年のグッドウッドでは史上初、「合成燃料のみを使用したレース」が開催!1966年以前に製造されたポルシェ911が30台、Eフューエルを使用して競技に参加

2023/04/25

ポルシェ

| 今年のグッドウッドは後年になって「大きなターニングポイントになった年」として記憶されることになるだろう |

合成燃料は「ガソリンとの互換性がある」ことが公に知られることで何かが変わりそう

さて、今年のグッドウッド・リバイバルでは1966年以前に生産されたポルシェ911が30台、「初めて合成燃料を使用したレースを行う」とのこと。

グッドウッド・リバイバルは過去75年間にわたって開催されているものの、もちろん(一部であっても)合成燃料を使用したレースはこれまで開催されたことがなく、よって今回の試みは歴史的快挙、そして記録に残る一戦となるのは間違いなさそうです。

合成燃料に注目を集めるには最適な機会

なお、ポルシェは内燃機関を存続させるために合成燃料の開発を進めており、現在はパイロット生産が開始され、その燃料を注入した911が実際に走行をはじめたところ。

加えてEUが条件付き(つまり合成燃料の使用を前提に)内燃機関搭載車の新車販売継続を認めたということもあり、現在ポルシェにとっての環境はある意味で追い風ということになり、ポルシェとしてはこの機会を活用して合成燃料への注目を集めたいのかもしれません。

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グッドウッド・リバイバルは「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のコンテンツの一部として開催されますが、このイベント自体が「ガソリンエンジン支持者による祭典」のようなものなので、今回の「合成燃料オンリー」のレースを開催することで(イベントの開催側としても)内燃機関の未来を示したいのだとも考えられます。

ポルシェ

なお、今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、キャロル・シェルビーの生誕100周年記念、そしてサーキットの75周年、リバイバル開催25周年、さらにはフェスティバル・オブ・スピード自体の30周年という「記念すべき年」となりますが、ずっと先の未来に2023年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを振り返ったとき、「はじめて合成燃料を使用したレースが開催された年」としても人々に記憶されることになるのかもしれません。

合成燃料の未来はまだまだ不透明

2035年のCO2排出禁止に関するルールにつき、ドイツ等いくつかの国からの反発を受け、数週間前に「合成燃料を明確に認める」こととなったものの、そこには大きな欠点があるとされており、それは「2035年以降にカーボンニュートラルな燃料で走ることができるようになるとはいえ、それはその車がその燃料のみで走る場合にのみ許される」ということ。

つまり、まずそのクルマが「合成燃料以外では走ることができない」内燃機関を搭載している必要があり、さらにはその合成燃料を流通させる方法や小売の方法についても考え直す必要があるため、2035年以降に内燃機関を搭載するクルマを販売し、合成燃料を流通させることは「(対象となる車両の数が少なすぎるので)コストが掛かりすぎ、現実的ではない」と見る向きもあるようですね。

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