テスラの充電スタンドをランボルギーニとマクラーレンが占拠する事案が発生。「ここはガソリン車も停めていいと思ったから・・・」

｜　実際のところ、この充電スタンドはオープンしたばかりで「ガソリン車駐車不可」という表記はないそうだ　｜

それでもEV専用スペースということは容易に理解できるものと思われる

さて、世界中で問題となるのが「アイシング（ICING / ICE-ing）」。

これはガソリン車が電気自動車の充電スタンドの前に（悪意をもって）駐車し、電気自動車の充電を行えなくするという行為です。

「アイス（ICE）」とは”internal combustion engine”の略であり、内燃機関つまりガソリンもしくはディーゼルエンジン、ひいてはそれらの搭載車を指しますが、充電が不要なはずのこれらのクルマがテスラ専用充電器「スーパーチャージャー」、そして一般のEV用公共充電施設の前に駐車し、EVの充電をできなくなる行為が「アイシング」。

今回のアイシングはオーストラリアにて

このたび報じられているアイシングはオーストラリアはゴールドコースト、ラナウェイ・ベイにあるテスラの充電施設での出来事であり、ここで充電しようと訪れたテスラオーナーがこの状況を発見し、写真を撮って充電スタンド情報共有サイト「プラグシェア（PlugShare）」に投稿したところ大きく拡散される事態となっています。

なお、駐車しているクルマはランボルギーニ・アヴェンタドールSVJに・・・。

マクラーレン720S。

こういった高額なクルマを購入する人がアイシングというつまらない行為をするのは心外ではありますが、この状況を発見したテスラオーナーがこれらスーパーカーのオーナーに話を聞いたところ「この駐車場はEV以外でも利用できると考えていた」。

実際のところ「ガソリン車は駐車できない」という標識もなかったとされ（この充電スタンドは2週間前にオープンしたそうだ）、各スタンドの後ろに「Tesla Charging」と書かれた小さな看板があるだけだとも報じられています。

他に駐車する場所がなく、身障者スペースに駐車する健常者のような感じでここに駐車したのか、それとも他にたくさん駐車スペースが空いているのにここへ意図的に停めたのか、はたまたほかの理由があったのかは全くわかりませんが、とにかくスッキリしない出来事ではありますね。

オーストラリアでは「アイシングに罰金が課される」

なお、つい数ヶ月前、オーストラリアの多くの州や地域では「EV充電スタンドに駐車するガソリン車に罰金を課す」という決定がなされているそうで、オーストラリアの電気自動車評議会の政策責任者は、「利用可能なすべての充電器は、国の80,000以上のEVにとって重要かつ貴重であり、我々は彼らが故意または偶然のいずれかによってブロックされていないことを確認する必要があります。同時に、社会全体が充電器を正しくEVに利用させる必要があることを広く認識し、より多くのEVを走らせることができるようにする必要があります」ともコメントを出しており、それを推進するかのように、オーストラリア国内の一部の充電ステーションでは、駐車スペース自体が別の色に塗られたり、「EV only」と記された看板が設置されているのだそう。

参考までに、クイーンズランド州では、アイシングによる罰金は2,875オーストラリアドル（現在の為替レートにて265,000円くらい）に設定されているそうですが、罰金を支払うケースは「警察がそれを認識した場合」であり、その場に警察を呼ぶ必要があるとのこと。

そしてこういった「アイシング」を行う人々の心理はちょっと理解が難しく、単に新しいものを受け入れることができずにEVを嫌っているのか、それともEVは税金が控除や軽減されることが多く、よって「EVオーナーが不当に恩恵を受けている」と考えている可能性もあり、しかしいずれにせよ、誰にも迷惑のかからない、真っ当な手段にて解決してほしいものでもありますね。

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参照：CARSCOOPS