| 充電したいときに充電できないのは本当に困る |
さて、フランクフルトにて、ランボルギーニ・ウラカンEVOスパイダーが電気自動車用充電スペースに駐車し、違反行為として強制移動させられるという案件が発生。
これは自転車に乗ってパトロール中の警官が「違法駐車」を発見し、即座に積車を呼んでウラカンEVOスパイダーを移動させたというものですが、そのオーナーにとっては手痛い教訓となりそうです(ホイールも傷つくことになる)。
ドイツでこういった例があるのは意外
なお、ドイツ人と言えば決まりを守るというイメージがあり、かつ環境に対しても意識が高いという認識があるため、こういった「充電器ブロック」をする人がいるというのはかなり意外。
ちなみに欧米のネット上では、「グリーンのボディカラーだけに、グリーンカー(エコカー)専用スペースに停めてもいいと思ったんじゃないか」等揶揄されているようですね。
ただ、環境意識に反する行為をそのまま放置しないのはさすがドイツであり、これはスーパーカーといえど強制移動もやむを得ないといったところ。
画像を見ると、この路肩は「駐車OK」区域のようですが、ウラカンEVOスパイダーが駐車していたところだけには充電器があり、それを知っていて「空いてるからちょっとくらいいいだろう」と思って停めたのか、それとも電気自動車専用スペースと知らずに「おっ、ここ空いてる」と思って停めたのかはわかりません。
しかしながら、どういった事情にせよ、ぼくもスーパーカー乗りのはしくれとして、「スーパーカーに乗っているからこそ」人に見られているのだという意識を忘れず、法令遵守に務めたいと改めて感じさせられる一件です。
アメリカでは意外と「充電器ブロック」が多いようだ
そしてこういった充電器ブロック行為は「アイシング=ICING」と呼ばれ、というのもガソリンエンジン車のことをICE(インターナル・コンバスチョン・エンジン)と呼ぶため。
とくにアメリカでは大きな問題と化しており、電気自動車というか主にテスラがアイシングのターゲットとなっているようで、テスラ専用充電器「スーパーチャージャー」の前にズラリと(わざと燃費の悪い)トラックを並べてテスラが充電できないように嫌がらせをする人々も。
そのほか、充電中のケーブルを抜いたりといった人々も多数報告されており、なぜかアメリカにおいて、テスラは一部の人から「目の敵」にされているようです。
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そして一部欧州地域でもアイシングが問題化し、抗議が行われたこともある模様。
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中国でも充電ブロックが問題に
お隣の中国においてもアイシングが問題となっているようで、しかしこちらは「嫌がらせ」というよりは、空いているEV充電スペースに「(充電妨害の意図なしに)勝手に停める」ことが多いんじゃないかと考えています。
日本でもそうですが、中国や香港では、EV優遇のため、公共施設や商業施設において、専用区画を設けたり、その専用区画の位置が(建物の入り口に近かったり)便利なところにあったりします。
よって、こういった便利な、そして混雑時にも空いていたりする「EV専用スペース」に(身障者スペースに駐車するのと同じ感覚で)ガソリン車を駐車する人が多いのかもしれません。
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ぼくは3年ほどEV(BMW i3)に乗りましたが、所有期間中に困ったのが、空港や(イオンなど)ショッピングセンターにおける「ガソリン車によるEV充電スペース占拠」。
こちらは出先で充電しないと帰れない(バッテリーがなくなる)という状況において、充電スペースを塞がれると非常にこまることになるのですが、現時点ではこれについて、日本だとなんら罰則はなく、かつ違法でもないため、警察はもちろん施設側にクレームを入れても対応ができない、という実情があるわけですね。
こういった「EVオーナーの権利が守られない」状況が多発するようでは、まだまだEV普及のための環境が整っているとはいいがたく、インフラはもちろん、人々の意識についても向上の余地がありそうです。
#Falschparker jetzt in trockenen Tüchern.
— Polizei Frankfurt (@Polizei_Ffm) July 8, 2020
Grüße
die #Fahrradstaffel pic.twitter.com/FTgGb9UY7b