BMWが記念すべき20台目のアートカーを製作すると発表。MハイブリッドV8ハイパーカーをベースとしてジュリー・メレトゥがデザインを担当

｜　現時点ではまだ「素」のまま、ここからレースに向けてデザインが調整されるものと思われる　｜

ただし現状の「カーボンむき出し」状態であってもじゅうぶん「アート」のように思えるが

さて、BMWはかねてより「アートカー」の製作に熱心な自動車メーカーとしても知られますが、その最新作が2024年のル・マン24時間レースでデビューする「MハイブリッドV8ハイパーカー」になると発表。

現時点ではまだペイントがなされていない状態ですが、ここからこのクルマをアート作品に仕上げるのはニューヨークを拠点に活動するエチオピア系アメリカ人アーティスト、ジュリー・メレトゥ。

BMWによれば、メレトゥには "完全な創造的自由が与えられる "とのことであり、これから作成されるアートカーの出来栄えには期待がかかります。

新しいBMWのアートカーは「記念すべき20台目

今回のコラボレーションは、ジュリー・メレトゥの出身地であるソロモン・R・グッゲンハイム美術館で発表され、その際にジュリー・メレトゥは「玩具として、オブジェとして、可能性として。その空間から、次のBMWアート・カーに取り組めることを何よりも楽しみにしています」とコメント。

BMWはこれまでにも多数のアートカーを発表していますが、その多くはレーシングカーをベースに製作されており、中には市販車をベースにしたプロジェクト、そして市販を前提にしたプロジェクトも。※BMWとしては、レーシングカー以外のアートカーについては「アートカーだと」カウントしていないようだ

BMWはこれら（レーシングカーをベースにした）アートカーを「ローリング・スカルプチャー 」すなわち走る彫刻と呼ぶこともありますが、最初のアートカーはBMW主導によって作られたものではないといい、これはフランスのレーシング・ドライバー、エルヴェ・プーランがBMWに声をかけたことによって製作されたものだとされています。

当時、BMWとしてはこういった作品を作る予定はなかったものの、提案された奇抜なアイデアに賭けてみたところ大きな反響を呼び、今では文化現象にまで発展することに。

加えて自動車という範疇を超えてさまざまな媒体やイベントにて紹介され、さらにはポルシェのようにほかの自動車メーカーまでをも巻き込んだ「ひとつのジャンル」にまで発展しています。

なお、史上初のBMWアート・カーを制作したのはアメリカの彫刻家アレクサンダー・カルダーで、同氏は1975年製のBMW 3.0 CSL”バットモービル（レーシング・カー）”へとペイントを施すことに（依頼を受けたとき、前例がないため、さぞや驚いたことだろうと思う）。

そのほかにはアンディ・ウォーホルによるBMW M1、最近だとジェフ・クーンズが手掛けたBMW M3 GT2、エスター・マフラングがカスタマイズしたBMW 5シリーズ、ジョン・バルデッサリがペイントを担当した2016年のM6 GTLMといったクルマも存在します。

さらにBMWは様々な手法で「アート」を表現しており、「バーチャル」でのアートカー、そして実在のアーティストではなくAIがデザインしたアートカーなど様々な手法にもチャレンジしており、これからも今まで以上に積極的なチャレンジが見られるものと思われます。

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