| どう考えてもブガッティに喧嘩を売るのは得策ではない |
しかも相手は超希少車「ヴェイロン・ロル・ルージュ」
さて、アメリカではロードレイジ、日本ではあおり運転が問題となっていますが、中国でも時おり同様の事件が発生しており、今回はなんと車線変更に際して譲る/譲らないで意地の張り合いが起きてしまい、結果的にブガッティ・ヴェイロンが傷を負ってしまうという一件が報じられています。
なお、中国では「クルマを凶器として」用いる場合があり、夫婦喧嘩の際にお互いのクルマをぶつけ合ったり、ホテルの対応が納得ゆかないからとホテルのロビーにクルマを乗り入れて暴走するなどの行為が報じられていますが、それに使用されたクルマにとっては「いい迷惑」なのかもしれません。
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今回のブガッティ・ヴェイロンが絡む事故はこうやって起こった
そこで今回の事故の顛末を見てみたいと思いますが、まずはこの車載カメラの映像を撮影しているBMWが右側の車線を走行しており、そこに左側から来たヴェイロンが前に入ろうとします。
ただしBMWはヴェイロンを前に入れまいと加速し、いったんヴェイロンは車線変更を諦めるものの、二度目の車線変更を試みたとき、再びヴェイロンの割り込みを阻止すべく前に出たBMWとぶつかってしまうわけですね。
こうやって見ると、BMWはかまり右の方へと押しやられていて(衝突の衝撃によって右に動いたのではなく、ヴェイロンが入る入らないの過程にて自然と右に流れたようだ)、ここまでしなくても、さっさとヴェイロンを入れてやったらよかったのにな、という感じですね。※ぼくだったら「ヴェイロンの後ろ姿を見たいので」すぐにヴェイロンを入れていると思う
なお、ヴェイロンの後ろにはラフェラーリの姿が見え、おそらくはスーパーカーツーリングの最中だったのだと思われます。
衝突した状態を前から見るとこう。
ヴェイロンのドライバーとモメるのは得策ではなく、その観点からもヴェイロンを先に行かせたほうが良かったのではないかと思われ、しかしたしかにヴェイロンも多少強引な部分もあり、なかなかに難しい状況でもありますね(ただ、右に流れている時点でBMWはヴェイロンのプレッシャーに屈している)。
そしてヴェイロン側が被害を受けたのはドアとサイドステップ。
機能や走行性能に問題はなさそうですが、ホイールセット550万円、フロントパネル一式5000万円と言われるブガッティだけに、その修理費用は相当な額に登りそうです(この後のBMWのドライバーの運命は定かではない。保険に入っていたとしても、保険でカバーできない可能性も)。
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さらに事態を悪化させているのはブガッティ・ヴェイロンの「塗装」
なお、このブガッティ・ヴェイロンには、さらに修理費を高額なものとする理由があり、それは「特殊な塗装」。
この塗装は「ボディ表面の陰影」を視覚的に強調したバギュ・ドゥ・ルミエールとされる技法を用いていて、もともとは「陶器に反射する光」をボディ表面にペイントしたベルリン王立磁器製陶所(KPF)とのコラボレーションによる限定モデル、「ロル・ブラン」に用いられたもの。
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しかしながら人気が出たことで「レッド」バージョンの”ロル・ルージュ”(L'Or Louge)、「ブルー」版の”ル・サフィール・ブル”(Le Saphir Bleu)が作られ、現在では顧客もこのペイントを注文できるようになっているそうですが、完成までには5週間を要するという「とんでもなく手間のかかる」塗装です。
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よって、修理にも相当な時間と金額がかかるのは間違いありませんが、ここで疑問に思うのは「中国の修理工場でこの特殊な塗装に(技術的に)対応できるのか」。
ただ、ブガッティにとっても中国は重要市場のひとつであり、よって腕のいい板金工場との提携によって、いかなる塗装にも対応できるのだと考えられるものの、あまりに特殊な塗装だと「本国送り」となってしまうのかもしれませんね。
ブガッティ・ヴェイロンとBMWとが小競り合いの末に衝突してしまう動画はこちら
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参照:Will C